ひろし君の読書や旅日記

昨日より今日が少しは面白くなるかな て思って

「じじい」は早く死ね、と言われる日本に生きて

2020-07-16 20:17:47 | 読書感想
いま、この国では凄まじい勢いで「優生思想」の嵐が吹きあがりつつ有ります。優生思想とは、19世紀のイギリスの人類学者が作った言葉で、簡単に言えば「価値」の優劣によって人間を区別する考え方です。この考え方の行き着いた極端な例が、ヒットラーの民族浄化と言う大量殺戮でした。
先日、れいわ新選組の公認予定だった「大西つねき」と言う人が、ユーチューブにアップした動画の中で「だから、そういった事も含めて順番としてその選択するんであれば、もちろん高齢の方から逝ってもらうしかないです」と発言しました。この高齢者に対する発想は、2016年6月に自民党麻生副総理の北海道での「90になって老後が心配とか、訳の分からない事を言っている人が出ていたけど、お前いつまで生きているつもりだと思った」との思いとほぼ同じものです。
また、2016年の9月には日本維新の会の公認候補の元アナウンサーの長谷川豊は、自分のブログで「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」と叫びました。

    そして19人が刺殺され26人が深い傷を負った
これらの考えと同じ志向で行われたのが、2016年7月の障害者施設「津久井やまゆり園」に対する植松聖の襲撃です。この事件の裁判の経過のなかでもハッキリした事は、植松には刑事責任能力を否定する程の精神障害などはなく極めて計画的に殺戮が行われたことでした。植松は、己の考えに従い殺戮を行いました。しかし、大西も麻生も長谷川も「命の選別」を肯定している、植松の同類なのです。
彼らが、「じじい」を殺しに来るのならば「じじい」も自衛の方法を考える必要があるのではないでしょうか。

「津久井やまゆり園」の事件に付いては多くの本が有りますが、雨宮処凛編著の「この国の不寛容の果てに」は対談でとても良く分かり易いと思いました。