ひろし君の読書や旅日記

昨日より今日が少しは面白くなるかな て思って

縄文を訪ねて山梨ー長野を歩く、の2

2024-04-14 17:29:28 | 旅日記
前回は、山梨の釈迦堂遺跡から長野・富士見町の井戸尻遺跡を歩いた報告でした。今回はその井戸尻遺跡から県道17号線で北上して、八ヶ岳エコーラインを抜けて行く尖石遺跡を目指します。
    国宝の土偶に出会う
尖石遺跡の脇に有るのが『尖石縄文考古館』です。この考古館の建物の両脇には「尖石遺跡」の住居跡と「与助尾根遺跡」の住居跡が有ります。時間が有ればこの住居跡は是非見た方が良いと思います。住居の復元の形は、「本当にこんなにも大きくシッカリしてたの?」て言う感じで、少し考えてしまいます。現地で見ると住居を取り囲む周辺の環境や、広さなどが良く分かり縄文時代の人達の感じに少しは近づける様にもおもえます。
横に建っている『考古館』は、駐車場の方から見て入口が良く分からずに周辺を一巡してしまいました。なんと言ってもここには、あの有名な国宝の「縄文のビーナス」と「仮面の女神」の実物が収納されて展示されているのです。現物を見るとその存在感は、確かに圧倒的な感じがします。私は「仮面の女神」のその豊穣感にとても強く惹きつけられました。入口の横の売店でレプリカを買いたいと思いましたが、カードが使えないので諦めました。この『考古館』の展示品は、土偶よりも土器の方が多くて個人的には不満でした。
      黒曜石を訪ねて北上
この時代の遺物で広い地域で特に目に付くのが「黒曜石」と「翡翠」ではないでしょうか。このうち「黒曜石」の産地が、この尖石遺跡から諏訪湖の方に北上した所にある星ヶ塔と言う所です。黒曜石は、この縄文時代には鋭い矢尻になったりナイフの様に使われていたようです。黒曜石の産地は諏訪の街から北の方の山の中に有ります。しかし、この産地は通常は立ち入り禁止になっていますので今回は街の中に有る「星ヶ塔ミュージアム」に行きました。このミュージアムでの見所は、黒曜石の採石現場をジオラマで見せている原寸大の展示です。正直なところ、黒曜石については知っていましたがその採掘がどの様にされていたかは全く知りませんでした。縄文の人達がよくあんな深い穴を掘って見つける事が出来たと、感心してしまいました。また、この黒曜石が遠くは津軽半島まで行き渡り、津軽半島からは茅野の方に「亀ヶ岡式土器」が渡って来ているのですから驚きですね。この黒曜石の事を書くと別に一章必要なので、別の機会に触れます。
そんな訳で、今回は前回の続きをかきました。 5月には津軽半島から函館の方の縄文時代の遺跡を訪ねる予定ですので、その報告はまたさせて頂きます。 

アイスランドのミステリーにハマって

2024-04-08 16:12:54 | 読書感想
此のところアイスランドの推理小説の世界にドップリとハマっています。北欧のミステリーでは、以前に書いたスウェーデンのスティーブン・ラーソンの『ドラゴン・タトゥーの女』の映画の原作の「ミレニアム」以来のハマりかたです。今回はアイスランドのアーナルデュル・インドリダソンの小説で〈エーレンデュル捜査官〉シリーズです。ご存知のようにこの作家は、このシリーズの中の作品で英国推理作家協会のゴールドダガー賞などを受賞しています。アイスランドと言う国は、ほとんど馴染みがないので調べてみました。国土の広さは、北海道と四国を合わせた位の大きさですが、人口は30万人位という事でした。私の住んでいる山梨県でも人口が減少していますが、79万人ですので比べると本当に少ないですね。また、北極のそばに有るのでとても寒い国かと思っていたら、平均気温は夏で10℃位で冬は0℃位らしです。
      「エーレンデュル捜査官」シリーズ
この「エーレンデュル捜査官」シリーズは、現在まで日本では「湿地」から「悪い男」までの7巻が刊行されています。この7巻は、日本では2012年から2024年の間に発行されているので、内容的にも時間的にも本当に続きものとして楽しむ事が出来ます。北欧ミステリーを読んでいて感じる事は、「ミレニアム」にしてもこのシリーズにしても、厳しい風土とシンクロするように、一人一人の登場人物が表現されていて、情緒的な誤魔化しで表現することが少なく感じます。それは、日本人的な感覚からすると読み手に明示的な情景を提示しているので、物語の展開のスピードが速く感じられると思います。わたしにとっては、それはとても読み易くて良かったです。
また、物語の展開も単なる刑事物でなくて刑事の「ドロドロした離婚」や「娘や息子との葛藤」、更には子供の頃に遭遇した雪山遭難での兄弟との別離での心理的な罪悪感などが重層的に描かれていて読んでいて強く引き込まれてしまいます。
もう第八作目の(黒い空)は完成されているそうです。早く日本語に翻訳されて出版されると良いですね。
そんな訳で今回は、遥か彼方のアイスランドのご紹介でした。