ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

またかい、北朝鮮

2019-05-10 14:20:19 | 日記
北朝鮮がまたしてもぶっ放した。今度の「飛翔体」も短距離弾道ミサイルだという。この報を聞いて、私は確信した。これは我が安倍首相を歓迎する打ち上げ花火に違いない、と。今度の発射は、前回と同様、アメリカを揺さぶったり、挑発したりするための企てなどではないのだ、と。

発射の方角からしても、その距離からしても、このミサイルが日本やアメリカを標的にしたものでないことは明らかである。「我が国はあんたを敵視してはいないんだぜ。それがよく分かるだろう。我が国はあんたの訪問を歓迎しているのだよ。だからよろしく」
北朝鮮は安倍首相に対して、そう言おうとしているのだ。

きのう本ブログで、私は一つの記事に着目した。「日朝関係改善のためには、日本がまず人的往来を認めるべきだ」とする、北朝鮮側の主張を紹介した記事である。では、北朝鮮側はどういう理屈をつけて、この主張を正当化しようとするのだろうか。予想されるのは、ホンネ混じりの次のような情理である。
「我が国民は、日本で暮らす親類縁者に会えないことで、ひどく心を痛めている。そればかりではない。貧しい我が国民は、在日同胞からの物的・金銭的援助によってかつかつ命をつないでいるのだ。その道を閉ざすのは、人道に反するのではないか」。

う〜む。こう主張されれば、日本政府は返す言葉を持たないだろう。思い起こされるのは、韓国による北朝鮮への食料援助を、先ごろトランプ米大統領が支持したとする報道である。トランプ大統領のこうした姿勢は、彼が文在寅韓国大統領との電話会談の中で示したものだが、人道支援に寛容な米大統領の姿勢を前にすれば、日本政府もそれに追随するしかないだろう。

そればかりではない。拉致問題を解決するために、日本政府は当然のことながら「人道的見地」を強調することになる。そうなればなおさらのこと、日本政府は北朝鮮の主張を退けられないことになる。

我が安倍首相は、北の若き三代目と「条件をつけずに向き合う」と述べた。政治的な諸条件をとりあえずエポケー(判断留保)すれば、残るのは人道的な道徳・倫理問題である。交渉のアリーナを倫理の領域に移して、安倍首相はどういうバトルを展開するつもりなのだろうか。
コメント
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