ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

やっぱりなあの北朝鮮

2019-05-05 10:39:28 | 日記
やっぱりなあ・・・。そのニュースを聞いたとき、私はべつに驚かなかった。やっぱりなあ。そう思っただけである。北朝鮮がきのう5月4日朝、9発の「飛翔体」を発射したと聞いたときである。

このニュースを聞いたとき、私の脳裏にあったのは以下の新聞記事だった。

ロシアのプーチン大統領がロシア極東ウラジオストクで4月25日に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談した際、米国が主張する「最終的で完全に検証された非核化」(FFVD)を求めていたことがわかった。日米韓協議筋が本紙に明らかにした。
 プーチン氏が米国に一定の配慮を見せた格好だ。対米交渉をにらみ、ロシアの全面的な支持を期待した正恩氏にとって、会談は不満の残る結果に終わったとみられる。北朝鮮の今後の対外政策にも影響しそうだ。
                     (読売新聞5月4日)

この記事を読んだときも、私は「やっぱりなあ」と思ったのだが、それは、会談終了後のキム委員長の落胆した、ひどく不機嫌そうな表情が印象的だったからである。「プーチン大統領との会談が、思わく通りに進まなかったのだな」。そう私は直感したのだった。

今年2月末の(ベトナム・ハノイでの)米朝首脳会談が決裂して以来、キム委員長が中国の習近平国家主席と会談したという話を聞かない。キム委員長にとって、ロシアは残されたわずかな「頼みの綱」のはずだが、当てにしていたプーチン大統領がトランプ米大統領とスクラムを組み、「完全な非核化」の要求を突きつけてきたとあっては、キム委員長はもはや完全に孤立無援、万事休すの思いだろう。さて、策士の彼は今後、どういう手に打って出るのか。

そう思いをめぐらしていた矢先の「飛翔体」発射のニュースである。いくら無鉄砲のキム委員長でも、核ミサイルの発射にまで戦術をエスカレートさせることはできないだろう。そう私は見ている。
とすれば、彼は拉致問題を取り引き材料にして、我が安倍首相への接近をはかるのではないかーー。

サイト「日刊ゲンダイ」は、その安倍首相に対して、次のような懸念を表明している。
「人気取りのパフォーマンスで、シタタカな北朝鮮を相手に渡り合えるはずがないのだ。日朝会談が実現したところで、いいとこ取りされるのがオチ。経済協力だけ食い逃げされて、北方領土は1平方メートルも返ってこない対ロ交渉の二の舞いになりかねない。」
(日刊ゲンダイ5月4日《日ロの二の舞か…安倍首相「無条件で日朝会談」の皮算用》)

にわかにリアリティーを増しつつある日朝首脳会談だが、これが「やっぱりなあ」の「がっかりだなあ」に終わらないことを祈るばかりである。
コメント
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