その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋王国(国勢調査「と」ver.2)

2011-07-21 20:05:44 | 夢屋王国

「水争い」という、今や死語と成りつつある言葉があります。稲は要水量の大きな植物であるため大量の水を必要としますが、夏場の渇水期には、待てど暮らせど雨が降らない。やがて水田の土がひび割れ、稲の葉が枯れ始めると農民は殺気立ち、集落や水系、個人間での争いに発展するのであります。今では農業用水ダムや幹線水路が整備され、渇水に悩む農家は減ったことと思いますが、『夢屋王国』の田んぼは未整理地…水路は土側溝で、末尻にあるため、中干し作業後の水に悩まされることになります。
この辺りでは「水を破る」と表現することがあります。上流部の田んぼで湛水するためにせき止めている板や土を外し、水を自分の田んぼに向けることを指す表現であります。当然、「水を破る」ためには百姓の昔からの仁義がありまして、水口(水の取り入れ口)を止め(止水し)、帰り水(水の逆流)を防ぎ、順次自分の田んぼへ水を向けます。昨年、稲作1年生だった私は、近隣の大規模な農家への遠慮もあって、中干し後の水を待ち続け、水田の土が白く乾ききってしまう状態にしてしまいました。
「今晩、雨が降らなければ水を破らせて欲しい…。」意を決して、上流の農家にお願いに行きましたが、運良く雨が降り難を逃れました。二度とあの焦燥感を味わいたくないと考えた私は、今年、少々早めに、そして大胆に水を破り、湛水してきました^^;
              
2年生のトノサマガエルのようであります。屋敷回りの水路も鉄コン水路に入れ替わり、最近めっきり数が減ってきたような気がします。おっとり型の彼らの生活環を眺めておりますとその原因が分かります。寒がりの彼らは、アマガエルに比べ冬眠明けが遅く、運悪く田んぼの稲わらを含んだ土に冬眠していようものなら、5月初旬に田んぼの耕起作業の際、トラクターの爪の餌食となります。さらに、晩婚型の彼らは恋に落ち、愛の結晶…放卵するのが6月初旬。私たちが中干し作業をする7月初旬には、『おたまちゃんず』は、まだ後脚が出きっていない状態であり、急激な水の減少で日干し状態にさらされてしまいます。この頃、尾も取れ、水陸両用の生活を始めているアマガエルとの生育スピードがまったく違うのであります。運良くサギ類の餌にならず、わずかな水路の水溜りに取り残された者だけが、こうして二年目の命を保っているようであります。約2,000個の兄弟姉妹の中から選ばれし、いわばトノサマガエル一族の「エリート」でありますので、どうか「キモ~イ!!!」などと蔑まないでくださいな…^^;

No.030 トノサマガエル Rana nigromaculata 両生綱 カエル目 アカガエル科
関東平野や仙台平野では、別種「トウキョウダルマガエル」をトノサマガエルと呼んでいる方もいらっしゃいますが、山形県は正統な「トノサマガエル」の生息域であります。『夢屋国王』が即位しているにも係わらず、『殿様』を名乗るとは少々身の程知らずではありますが、彼らの生活環を見直した時、それもまた許容してあげましょう^^;
『環境保護』などと言う美名と人間の営みの狭間が、見え隠れする光景であります。

本日、『夢屋国王』夏休み中・・・が、朝の5時から田んぼの草刈!『キュウリ爆弾』の本数11本、遂に終局を迎えたか?

初夏を思わせるような、爽やかな陽気です。つい調子に乗って、半日草刈してしまっただぁ~^^;
これから、秋取りきゅうりの雨除けハウスを建てます…。

初夏…秋を思わせる気温…ハウスの骨格が出来上がりました…明日のブログで公開いたします^^;


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夢屋王国(国勢調査「は」ver... | トップ | 夢屋王国(国勢調査「お」) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

夢屋王国」カテゴリの最新記事