ニッキ-通信 ~盲導犬ニッキ-のお母さんより~

盲導犬ニッキ-と私の日常。要援護者・障害者の防災について紹介します。

他人の名前を覚えるコツを教えます。

2019年05月17日 | 日記

名前お覚えるには脳に限界がある

 年と共に他人の名前を覚えにくくなるのは世の常。とはいえ、あの人の名前はいつも出てこないなんてこともある。これはどうしたことだろうかと脳の仕組みを疑ってしまうこともしょっちゅうだ。

 視覚障碍者の友人や知人を見たら、まず 障碍者の名前を呼んでから、自分の名前を名乗るのがありがたい所作だ。ところが双方の名前は無視して、急にお声を掛けられる時、ああ 先日 お名前を聞いたばかりなのに何というお名前だっけ、と思うが もう出てこない。  今日もダンススタジオで、その方とお会いしたが、声は分かるが呼びかけられなかった。  そうだ。おかあさんは お名前を覚えるために出来るだけフルネームで、しかも文字まで聞くようにしているが、今日の方にはそこまで食い下がらなかったなあ。    今若くてなぜ 他人の名前を覚えられないのか分からないとこちらを馬鹿にしている方がおられたら、あなたも いつか おかあさんのいう事がお判りになるはず。  それを防ぐには、何度も相手の名前を呼んで口に出して、自分の名前も名乗って相手に印象を深くするように努めていたら、覚えられないと嘆くことは無くなるのではないかと思う。

 おかあさんの名前を覚えるための脳のキャパシティはとても狭いように思う。DNAの問題ではないか。姉や妹はどうなのだろうか。知能の程度は同じなのだから。こんど会ったら聞いてみよう。  人を認知する犬の能力を考えてみると、ジャネットは一度出会った人は絶対に忘れないし、好きだと思った人には大好きの尻尾振りは欠かさない。  犬と話が出来たなら、このあたりのことも語ってくれるだろう。     私たちは名前を聞かれたら つい 苗字で名乗るが、フルネームで名乗る方が相手に自分の存在を印象付けられることを、もっと認識するといいなあ。ついでに 文字も伝えて。その方がより親密度も増すのにと思う。  忘れっぽいおかあさんの為には、まず こちらの名前を呼んで注意がその人に向くようにして、お名前を名乗ってください。毎回でも構いません。するといつの間にか忘れられない人になりますから。よろしく どうぞ。


快適な遊歩道を発見

2019年05月10日 | 日記

快適な遊歩道を発見

 出来るだけ近くに快適な遊歩道を見つけたいと長年思っていた。遂に発見。  場所は横浜市旭区、鶴ヶ峰か緑区の中山駅からバスで横浜ズーラシアまで行く。動物園に隣接する里山ガーデンを周回する遊歩道だ。里山ガーデンは維持管理の経費が掛かるとのことで5月6日に閉演していたが、人工的なガーデンより自然の森に近い環境の遊歩道は車も勿論入ってこないが、車の音もしない小鳥のさえずりのあふれた散歩道であった。頭上は枝が差し交していて、涼しい。薫風が吹いてくる。色々なお花が咲いている。参加者が興味を覚えて聞いた花はオレリアと言っただろうか、どんな花か分からないが、まあ色々咲いていたらしい。  うぐいすがほんのすぐ傍でさえずり、コジュケイもちょっと来いちょっと来いとあちらこちらで鳴いた。  照葉樹林の森になっていて、秋は紅葉が美しかろう。  その遊歩道から県立の四季の森公園に出られる。公園は今毛虫が沢山木の枝にぶら下がっていて風が吹くとみんなの上に落ちてくる。  参加者は娘時代に戻ったかの如くキャーキャーと大騒ぎ。  おかあさんの座った場所は木下で無かったので、幸い虫は落ちてこなかったので一安心。ジャネットの上に落ちたら大変。田舎で育った人は毛虫を見て、毒を持っているかどうかを瞬時に理解して、周りに注意を与えていた。。  そんな人がいるとおかあさんは大いに安心できる。

 県立四季の森公園からJR中山駅に向かう道の15分の内10分はやはり遊歩道になっていて、駅の間近にこんな道があるなんて何と贅沢な住宅地だ。 歩数は12000歩。ジャネットは午前中に3回目のワンツーをしたが、自然の中を歩くことで、生理的に高まった物があったのだろう。グッドタイミングで排泄が済んだ  今回でこのグループのハイキングには3回目となり、参加者たちもジャネットとおかあさんにどう付き合えばいいかを学んでくれて、必要な時にすっと手が伸びてくるようになった。 ありがたいことだ。  その夜、ジャネットは爆睡した。疲れたのだね。


前の天皇の最後のお召し物

2019年05月02日 | 日記

最期のお召し物はモーニング

 夜にかかる行事にモーニング姿??  4月30日の平成最期の日の前の天皇のお召し物は、午前は平安時代から踏襲されてきた衣服を着用し、その儀式が終わってからはモーニングを着用するとメディアが伝えていた。  午後の5時から開始される式典に昼間使用されると言われるモーニングを着るのだろうかと疑問に感じ、調べてみた。 すると、モーニングは元々朝の散歩用として着用され始めたらしいが、その後夕方までの礼装として今日は使用されている。午後6時からは正装の燕尾服(テイル コート)はを着用と書いてあった。  午後5時の式典が終了後にテイルコートに着かえたかどうかは分からないが、最も形式を貴ぶ宮中の行事、しかも 最後の行事にモーニングで済まされたのかしらと思った次第。

 さて、今では多くの人が使用するタキシードだが、これは慶事のみに使用すると書いてあった。  そんなことは全く知らなかったおかあさんは、7年半前に逝去した夫の最後の衣装として何とタキシードを着てもらったのだ。  タキシードで舞台に立って声楽を歌うことが大好きだった夫。最後に練習していた歌は「愛の妙薬」というオペラのなかでテノールが歌う有名な曲だったが、とうとう、間に合わずに行ってしまった。  やつれる前の旅立ちに正装のタキシードをきちんと着せてもらった姿は、バラの一厘を手にして、これから立ち上がって歌いますといった風情で棺に収まっていた。  もし、タキシードは慶事にしか使わないことを知っていたならば、私はどうしただろうかと考える。  やはり、タキシードだ。  逝去する1か月前に洗礼を受けて、神の国に入るチケットを手にして、かつ 病の苦悩から解き放されて逝ったのだから、タキシードにふさわしかったと言える。

彼の事を忘れることは無いが、春昼や会いたい時は目を閉じる  という俳句を作ったら、思いもが欠けず文部科学大臣賞を頂戴した。

タキシードにまつわる思い出だ。

 ジャネットは夫が逝ってから私の許にやってきたのでお互いに知らないが、前のニッキーとは違う愛らしさを持つこのこをどんなに慈しんだであろうかと想像する。