玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

新しい元号

2018-11-28 20:57:14 | あれこれ

三か月前に読んだ平野貞夫の『ロッキード事件』の結論にどうも納得がいかなかった。安倍首相を「内乱予備罪」で告発するほどの慧眼の士が「虎の尾を踏んだ角栄というのは、米国のご機嫌とり政治家たちの幻想である」「角栄は日本型エスタブリッシュメントに葬られた」と言った筋書きや結論がどうも腑に落ちなかった。

もう一度、気になるところを読むと、「日本型エスタブリッシュメント」とは、薩長閥、旧支配層の華族、旧帝大閥による官僚、で形成されたとある。

そして、1976年のロッキード国会を正常化した衆議院議長が前尾繁三郎で、平野貞夫は当時その議長秘書だった。彼は、死ぬ直前の前尾議長から国会正常化に執着した理由を聞いた。前尾は「昭和天皇が核拡散防止条約の承認を心配していたため、どうしても国会を正常化して、それを決めたかった」と述懐した。前尾も天皇に内奏をしていたのである。

平野は、前尾が国会を正常化したことによって「首相、自民党実力者、野党、検察、衆議院議長、そして天皇の思惑が複雑に絡んで、角栄は政治生命を絶たれていった」と結論づけた。

九条があっても自衛隊という軍隊がある國、象徴であっても内奏・下問が行われていた國。それは近代西欧型の憲法の重さを感じていないことだ。平野は、この圀のエスタブリッシュメントの宗主の存在をサラッと触れたのかもしれない。

来年、平成31年になる。平成天皇は、その在位30年にわたり、既に人々の脳裏から消えた戦争の場所でも、必ず慰問・慰霊の旅を続けた。そこにこそ、昭和天皇の実像と戦争責任が垣間見える。

ケネディ暗殺の全貌が公開されないアメリカを訝る前に、まずこの國の明治以降の天皇制の実体とそれに連なる権力者たちが隠したことを正確に知ることが、新しい元号を迎える準備になるのではないか。

 

「錦の御旗」神奈川県公文書館

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意外な戦い方

2018-11-24 21:48:33 | あれこれ

森友問題や公文書改竄の消化不良や対応忌避で、すっかり正義を封じられた特捜は、今度ばかりは現政権のお許しが出たのか、やっとその存在を顕示できるようになりました。

いかなる超大企業のエグゼクティブでも、国家権力の警察権を操作することは困難であります。片や政治家は、国家権力を掌握して、事実を隠蔽することがお手のものです。そういうところに政治家と経済人の分岐点があるのかもしれません。

明治維新以来ずっと欧米列強に虐げられてきたこの國が後先考えずに爆発してあの悲惨な戦争に突入しました。そして敗戦後は、欧米諸国から「あいまいな国」だと云われ続けて、経済の繁栄を第一義に進んできた。

この国は自国や自己の利益を声高に発しないおとなしい国で、案外解りやすいし、決してあいまいではないと思うのだが。

ただ近代の西洋国家の尺度で測れば、納得がいかないことが随分と多いだろう。でも西欧がすべて正しい訳ではないだろうと思う。

そんな経済優先のこの国が、西欧資本に対して経済力ではなく、国家警察力で立ち向かうとは、どういうことなのだろうか。

この意外な戦い方は、よもや、従来と違った戦い方をめざしているのでしょうか?今更、戦前への回帰でもないでしょうが、…。

ヨーロッパ風の街、実は


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またも55年体制

2018-11-21 20:23:11 | 時事

野党は、今更に、何を、求めているのか。云わせてもらえれば、「口利き」は政治屋家業の稼ぎ頭じゃないのか?その報酬を政治献金でうまく処理してるか、どうかの違いだろ。

街を歩けば、政治家のポスターばかり、それも、如何に公選法にクリヤーしてるか、どうかの差ではないのか。議員と名の付く人は、ほとんどがやっている事じゃないのか。

答弁が下手だって、いいじゃないか。最初からうまい人はいない。少し慣れて、それでも事前の勉強がおろそかなら、その時点で問題にすべきじゃないのか。まず第一に、自分ら自身の質問力も問われるべきだと思う。

こうなると、週刊誌程度のいじめを見るばかりで、国会質疑なんか見たくなくなる。国民が政治から離れること、これって、与党も野党も、両方とも望んでいることだとしたら、また新たな55年体制が始まるということだね。近代国家で、いまだに一党支配体制なんて、なんか変だと思う。

むかし、この相模の国では、四月や暮れに、田を耕起することを「タウナイ」と云ったとか。現代の田畑はもう秋から耕しているのかな。

 

コメント (1)
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収縮する報道

2018-11-17 21:03:51 | あれこれ

最近、韓国の人気グループが原爆のTシャツを着ていたと、報道で大問題になっているが、だんだん報道内容が、広島・長崎の原爆被災から、ユダヤ人の虐殺まで広がって、いまや世界的な人権問題にしょうとしているようだ。

むりやりに人権問題にまつりあげ、焦点をぼかそうとしているとしか思えない報道ぶりである。確か、当初のニュースでは、韓国にとっては、日本に原爆が落とされたから、日本がやっと降伏して、その結果で韓国が独立できた、という思想があるといった説明があったはずだ。そのことが全く姿を消した。

なんか奇妙だ。韓国の見解は気分の悪い発言である。一方、現実に多くの日本人が死んだのは史実である。がしかし、戦前の日本が亜細亜で戦争をして、なかなか辞めなかったというのも確かな事実である。

そのことに目をつぶってはいけないと思う。また、目をふさいでもいけないと思う。日本のメディア、報道、わるいが、最近へんだ!どこに行くつもりなのか?

タイで見つけたメガネ屋

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おめこぼし政治

2018-11-15 20:30:34 | 政治

政権は適度に短い方が良いと、大方の日本人は思っているのかもしれない。長ければ、権力というものはきっと腐敗する、と多くの日本人が感じているのだろう。

そもそも首相が権力をふるうこと自体、あまりイメージにない。少なくとも、戦後のこの圀では国家権力により、不当に、理由なく逮捕されることはないはずだったが、・・・。

昨今は、思い起こすと、公文書改竄とか、あっせん利得、不適切な政治資金など、本来なら逮捕されたり、訴追されるケースがあっても良いのだが、何故だか、逆に、逮捕されない、訴追されないということが増えてきた。

そうした不審なこと、いわゆるおめこぼしのようなことが、首相周辺の人たちに起きることは、国民にとって甚だ気分が悪いことである。

長くなると、支配者は権力を使いたがるものなのだろうか?それは自らが直接命令しなくても、まわりの者の行き過ぎた気配りや、よく云う忖度で、警察や検察や特捜の動きが鈍くなるのだろうか。この圀にも司法の政治化がめだってきている。だんだんお隣の韓国の裁判を他人事と視ることができなくなってきた。

みのりの秋とその後

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