② まとめと考察
1 「北朝鮮問題」の描き方
・「日本の現在・未来の課題」のなかに、北朝鮮問題を入れない! →× 日本文教、学び舎。
2 「政治・人権状況など」の描き方
北朝鮮国内の政治や人権の状況は、わが国に直接に影響するものではない。が、北朝鮮やその系統の人々が「、朝鮮総連」などという”ぶっそうな工作組織”のもとにわが国で数万~数十万人も暮らしていることを考えれば、一定の知識は義務教育段階で教えるべきかもしれない。
・自由社、清水書院がそれなりに言及しているが、他の6社は無記。
※帝国書院と清水書院:「いまだに分断」「いまだに統一が」・・・東西ドイツの例は有名だが、世界史上、なんらかの要因で分裂した国家が元のように再統一されることは例外的に思えるが…?
この2社は、《朝鮮半島は統一(=日本併合時を目指すとは思えないので、併合以前の「韓国(李氏朝鮮)」にもどるということだろうか?)されるのが当然だ》ということを、「いまだに」という言葉で間接的に表現している。
よほど統一してほしいのだろうが、《日本史の教科書のなかで、他国の再統一を望んでいるような表現をする》のはかなり異例なことだろう。朝鮮半島に利害関係のないほとんどの日本人にとっては ”よそごと” だと思うが…
3 「拉致問題」の描き方
他国の政府組織によって数百人ほど自国民が誘拐されているのだから、戦前であれば戦争がおきてもおかしくはない異常で重大な状況。※”自国民を守れない(守らない)国家” というのは、”軍隊をもった民主主義国家”としては、(日本以外では)なりたたないような状況だ。
・未解決であることを明記 →〇 育鵬社、自由社、帝国書院、教育出版。
・現状をあいまいに表現 →△ 東京書籍。
・拉致問題の存在を無視! →× 日本文教、清水書院、学び舎。
4 「軍事」状況の描き方
隣国の「敵性国家」(※最高責任者が ”日本を火の海にする” と脅している!)が、人類史上最強の大量破壊兵器である核兵器をもつか持たないかということは、国の存亡にかかわる重大なこと。
・北朝鮮の核兵器開発を明記 →〇 自由社、東京書籍、教育出版、清水書院。
・同、無記 →△ 育鵬社、帝国書院、日本文教、学び舎。
※ただし、このことを書かないから ”日本の義務教育歴史教科書としては失格=×” とまでは言えないだろう。(しかし、”いまだに数十年もつづいている自国民の大量拉致=誘拐・監禁・使役” は必須事項だ。)
~次回、「慰安婦問題など」~
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