③ まとめと考察
1 「国交開始」の描き方
・第3条「…韓国が朝鮮にある唯一の合法政府であることを確認…」
これは重要な特色であり、(良否は別にして)今もつづいている現実(事実)の国策。
したがって、条文に明記してある「唯一の」を意図的に除いている4社は、①国策に反対の意思を表しているか、②国策を認めたくないか、③国策の不備などを中学生に教えたいか、④文字数を節約しているか、のいずれかだろうと推理するしかない。
→ △ 自由社、帝国書院、清水書院、学び舎。
※異論を紹介したいなら、まず上記の事実を書いて、次に「北朝鮮との国交を望んでいる人々もいる」などと書けばよい。
・北朝鮮にも言及 5社(帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎)
《朝鮮半島には北朝鮮もある》ことをどうしても書きたかったのだろう。
※日本と北朝鮮の関係については、あとの《現在の日朝関係》の項で詳述する。
・「併合条約無効問題」
清水書院:「かつての植民地支配のための条約が無効であることが確認された」
「無効」になったのはそのとおりなのだが、この表現だと、ほとんどの中学生は(大人だって)、《「朝鮮を植民地にするための条約」はまちがっていたので「無効」なのだ》と読み取るだろう。(=韓国の言い分)
また、《韓国は日本の植民地だったんだ》と思うにちがいない。(※これはかなり複雑な問題なのでここでは扱わない)
「無効」についての両国の解釈のちがいは、簡単に言えば、《韓国:併合は違法行為だったので最初の併合時から無効だ》⇔《日本:国際法上合法だった。しかし今から無効にする(=条約による併合をやめ、独立を認める)》ということ。
清水書院は、意図的に《いつから無効なのか》を書かず、結果的に韓国側の言い分を書いているに等しい。→ ×
※そもそも中学教科書で、このような ”相対的に些細な問題”を採り上げるのが異例だろう。
しかし、どうしても無効問題を書きたいのなら、まず日本政府の解釈を書き、次に韓国政府の言い分を紹介するのが、日本の義務教育教科書としてのありかた。
清水書院の表現は事実上”詐欺”に近いが、まちがってはいないので、検定官も認めざるをえないのだろう(?)。
あなたは、このような ”姑息で卑怯な” やりかた、しかも ”反日本的”な態度は、日本国民として許せますか?
~次回、まとめと考察2/2~
<全リンク⇒1へ> <日朝関係(戦後)181・182・183・184・185・186・187・188・189・190・191・192・193・194・195・196・197・198・199・200・201・202・203・204・205・206・207・208・209・210・211・>