やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】205 ⒅ 日朝関係(戦後)の描き方 24 <Ⅴ 日韓基本条約 5:まとめと考察1/2>

2017年06月07日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

③ まとめと考察

 

1 「国交開始」の描き方

 

・第3条「…韓国が朝鮮にある唯一の合法政府であることを確認…」

 これは重要な特色であり、(良否は別にして)今もつづいている現実(事実)の国策。

 したがって、条文に明記してある「唯一の」を意図的に除いている4社は、①国策に反対の意思を表しているか、②国策を認めたくないか、③国策の不備などを中学生に教えたいか、④文字数を節約しているか、のいずれかだろうと推理するしかない。

 → △ 自由社、帝国書院、清水書院、学び舎。

 ※異論を紹介したいなら、まず上記の事実を書いて、次に「北朝鮮との国交を望んでいる人々もいる」などと書けばよい。

 

 

・北朝鮮にも言及  5社(帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎)

 《朝鮮半島には北朝鮮もある》ことをどうしても書きたかったのだろう。

 ※日本と北朝鮮の関係については、あとの《現在の日朝関係》の項で詳述する。

 

 

・「併合条約無効問題」

 清水書院:「かつての植民地支配のための条約が無効であることが確認された

 「無効」になったのはそのとおりなのだが、この表現だと、ほとんどの中学生は(大人だって)、《「朝鮮を植民地にするための条約」はまちがっていたので「無効」なのだ》と読み取るだろう。(=韓国の言い分)

 また、《韓国は日本の植民地だったんだ》と思うにちがいない。(※これはかなり複雑な問題なのでここでは扱わない) 

 

 「無効」についての両国の解釈のちがい、簡単に言えば、《韓国:併合は違法行為だったので最初の併合時から無効だ》⇔《日本:国際法上合法だった。しかし今から無効にする(=条約による併合をやめ、独立を認める)》ということ。

 清水書院は、意図的に《いつから無効なのか》を書かず、結果的に韓国側の言い分を書いているに等しい。→ ×

※そもそも中学教科書で、このような ”相対的に些細な問題”を採り上げるのが異例だろう。
 しかし、どうしても無効問題を書きたいのなら、まず日本政府の解釈を書き、次に韓国政府の言い分を紹介するのが、日本の義務教育教科書としてのありかた。
 清水書院の表現は事実上”詐欺”に近いが、まちがってはいないので、検定官も認めざるをえないのだろう(?)。


 あなたは、このような ”姑息で卑怯な” やりかた、しかも ”反日本的”な態度は、日本国民として許せますか?

 

~次回、まとめと考察2/2~ 

<全リンク⇒ <日朝関係(戦後)181182183184185186187188189190191192193194195196197198199200201202203204205206207208209210211