いよいよ「ひらがなの教え方」の最終回。
「かな(ひらがな・カタカナ)」は、ほとんどの文字・文字群が音声と1対1対応しているので、英語のスペル習得と比べるととても習得が簡単。
ただし、長音や助詞の一部に例外があるので、読み書きをまちがえることがある(既述)。(まちがえてもほぼ意味は通じる。)
「ぢ」「づ」も、連濁の場合に例外的に使われる。
● 《「じ・ぢ」「ず・づ」の使い分け》
・ 音声 . . . 本文を読む
● 《くっつきの「は・へ・を」》 その2
・くっつきの「は」は、特別に[わ]と発音することを教える。 (通常、文字〈は〉は、音声[は]を表す)
~指導例~
1.単語に含まれる「は」は[は]と読み、くっつきの「は」は、[わ]と読むことを発見させる。
2.[わ]という声を書くときは、単語のなかでは〈わ〉、くっつきであれば〈は〉と書くことを発見させる。
・くっつきの「へ」は、特別に[え]と発音す . . . 本文を読む
★「ひらがなの教え方」のこれまでの構成 1.なぜ、ひらがなの読み・書きをまちがうか 2.指導法のちがい:「語形法」と「音声法」 3.音声法による指導のしかた (1)ひらがなの読み方 (2)書き(と、読み)方 ●50音表のひらがな ●《にごる声》 ●《つまる声》 ●《ねじれる声》 ●《のばす声》 ●《ねじれてのばす声》
言語論の番外編「・・・の教え方」については、30年ほど昔の長崎県の雲仙での教 . . . 本文を読む
●《ねじれて、のばす声》 (拗長音、または拗音の長音)
・音節表を使い、すべての拗音は、《長く伸ばすことができる》ことを発見させる。
※「音節表」・・・直音と拗音(どちらも濁音を含んで)の表で十分である。つまり、五十音表に、直音の濁音と拗音すべてを付け加えればいい。(煩雑になるので、長音・拗長音はないほうがよいと思う。)
・《ねじれてのばす声》を名づける。
・「ねじれてのばす声」は、「の . . . 本文を読む
〇《お列の、のばす声》
・お列の直音(清音・濁音)をのばすと、すべて[おー]となることを発見させる。
※ 音節表を使う。順:おこそとのほもよろ(を)。ごぞどぼぽ。
・お列の長音は[おー]と発音する(読む)のに、ほとんどが「う」を使ってあることを発見させる。
~指導例~
1.お列ののばす声を含む単語をできるだけたくさん発表させ、提示し、発音させる。
2.「共通語(標準語)」の発音のし . . . 本文を読む
〇《え列の、のばす声》
・え列の直音(清音・濁音)をのばすと、すべて[えー]となることを発見させる。
※ 音節表を使う。順:えけせてねへめ(え)れ(え)。げぜでべぺ。
・え列の長音は[えー]と発音する(読む)のに、ほとんどが「い」を使ってあることを発見させる。
~指導例~
1.え列ののばす声を含む単語をできるだけたくさん発表させ、提示し、発音させる。
2.「共通語(標準語)」の . . . 本文を読む
● 《のばす声》 (長音/拗長音)
◎直音の長音
・音節表を使い、すべての直音は、《長く伸ばすことができる》ことを発見させる。
・《のばす声》を名づける。
・「のばす声」は、カタカナではすべて「〇+-」で表してあることを教える。ひらがなではその代わりに「〇+あ・い・う・・・」を使ってあることを簡単に教える。
※ ひらがなでの例示は、「あ・い・う列」の長音だけをいくつか示すこと。(まだ、 . . . 本文を読む
● 《つまる声》 (促音 「っ」)
・「つ」と「っ」の音声の違いを発見させる。
例: 口の直前に手を掲げて《息の出方》を調べながら「まつ」を読むとき、「ま」も「つ」も息と声が出ている。同じように、「まっち」を読むと、「ま」は息・声は出るが急に止まり、「っ」は息も声も出ていない、「ち」は息・声が出ている。
小さい「っ」は、息を止めた無音を表している。
・形を整えて書く練習をする。
● . . . 本文を読む
ひらがなの教え方 ■音声法 1 教える順序 (1)ひらがなの読み方
(2) 書き(と、読み)方
※教科書などを使って「聞く・話す」「読む」活動を進めながら、児童の実態に応じて、随時挿入していく。「50音表」(できれば「全音節表」)は、常に掲示しておく。
以下、教材や「用語」は各自工夫すべし。
(紫色で示している用語は、子といっしょに考えて創るのが最高の学 . . . 本文を読む
ひらがなの教え方 2 指導法のちがい:「語形法」と「音声法」
■音声法
音声法は、《かな文字は音声を表している》という事実をもとにして教える方法。
※ここからは「教え方」だけ説明します。理論については、「(子どもにわかる)言語論」を読んでおいてください。特に、言語論11~20の 「第3章 言葉を作っている材料はなにか」は必読です。
3 音声法による指導のしかた ~指導順に:まず小学1年 . . . 本文を読む
ひらがなの教え方
1 なぜ、ひらがなの読み・書きをまちがうか
《音声と文字(かな)が一対一対応する》という原則にしたがっていない《例外》があるから。
小学生はけっこうひらがなの書きまちがいをする。そのほとんどは、言語論19・20」で書いている《音声と文字が一対一対応していない》場合である。
読みのまちがい例:「きょう(今日)」・・・話すときには正しく[きょー(kyo:)]と言っている . . . 本文を読む