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大貫妙子/カイエ

2007年10月17日 23時00分28秒 | JAPANESE POP
 「クリシェ」と同じ84年に発表された作品で、同名のヴィデオ作品のサウンドトラックのようです。彼女は映像に音楽をつける仕事もその後、あれこれ手がけたりもする訳ですが、この作品あたりがその最初のものといえるかもしれません。内容的にはインスト、再録なども多く、いわゆるオリジナル・アルバムとは明らかに違う感触ですが、坂本、ミュージーというアレンジャーを配し、濃厚な欧州ムードという点で、紛れもなく「クリシェ」で展開した陰影、情緒をここでは再現しています。

 1曲目の「カイエ」はミュージーのアレンジによる、クラシカルでフランス的な優雅さ満点の曲で、大貫がひとり多重でスウィングル・シンガーズばりのスキャット・ヴォーカルを聴かせているのがおもしろいところです。続く「若き日の望楼」はミュージーのアレンジによる再演で、フランス語で歌っていますが、これはちとやりすぎな感も....。「Le courant de mecontentment」は、前作のタイトル・チューンの続編の如き坂本のアレンジによるテクノ・サウンドで、当時はやけに過激なサウンドに感じたものですが、今聴くとむしろ非常に格調高いサウンドになってますね。旧A面を締めくくる「カイエII」は、坂本がアレンジしたインストで、いかに彼らしい粘着質でゴツゴツしたサウンド、そしてやけに情報量の多いサウンドが印象です。

 旧B面に移ると「宇宙みつけた」は「シニフィエ」路線の「分かりやすい大貫」路線の曲で、坂本も「音楽」で披露したあのアレンジを再演しています。 続く「ラ・ストラーダ」「雨の夜明け」「夏に恋する女たち 」の3曲は全てミュージー編曲によるインストで(「ラ・ストラーダ」だけはスキャットヴォーカルが入る)、個人的にはこのアルバムのハイライトだと思います。彼女の声はほとんど聴こえない訳ですが、後の2曲は再演ということもあり、紛れもなく大貫妙子の世界になっているは一聴瞭然ですし、当時の大貫の音楽的なテンションをミュージーに伝わったのか入魂のアレンジで、 「夏に恋する女たち 」など泣かせるアレンジになってます。

 そういえば、これが出た頃、私は結婚式やその二次会のBGMを依頼されると(よくあるんですよね、これ。なにしろ、今でもある-笑)、このアルバムをホントによく使ったものですが、この曲を使って結婚した人たちのご子息、ご令嬢も、今や高校生はおろか大学生や社会人になっているんですね。うーむ。

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