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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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真・女神転生III - Nocturne マニアクス/various artists

2009年12月15日 23時20分22秒 | サウンドトラック
 こちらは「真・女神転生III - Nocturne マニアクス」で拡張されたパートについた音楽を集めたもの。昨夜も書いた通り、元々この「マニアクス」をやっていたので、特にゲーム内では、拡張分の音楽がどうのこうの....とは考えなかったし、音楽自体は本編のメイン・ライターの3人が担当しているので、表向き全く違和感はないものの、こうやって切り離されてみると、全くほんの少し趣が違うような気がしなくもない。これは拡張分がもっぱら「アマラ深界」という、本編と同時に進行する長いトンネルみたいな様相を呈していた別ダンジョンで、あったことから来ているのだろうと思う。お馴染みのダンテが登場することも関係あったかもしれない。ともかく、全体としてはハードでストロングな印象で、本編にあった浮遊感だとか、暗い抒情のようなものは、このサントラからはあまり聴こえてこない感じなのだ。世界の終末的なムードやアシッド的な雰囲気はむんむんしているが....。

 収録曲では、やはりボス戦の音楽が印象深い。目立つところを拾ってみると、「魔人」はストリングスが不気味なスケール感を醸し出すオーケストラ風の音楽で後半のリフなど聴くとやけに盛り上がってしまう。「ダンテ戦闘」、「ベルゼブブ」は教会風なオルガンを隠し味に使ったハードなレイブ・サウンドで実に痛快。「最後の戦い」が、本編の「ラストボス変形後戦闘」を更にメタルっぽい感じでアレンジした作品で、オリジナル同様かなり強烈だが、後半ギターのアルペジオにのってストリングスが入ってくるあたりの切迫感は秀逸だ....といったところか。他には「アマラ深界」のギラギラした感覚、「トーク」のヴォイス風なシンセ・サウンドにのった「ワープフィールド」の奇妙な遠近感、「闇の覇王」は「タイトルループ」をぐっとヘビーにしたヴァリエーション....が印象的に残る。ともあれ、独立したアルバムとしてこれを聴くのも悪くないが、個人的には本編とこれを併せ、ゲームの進行順に再構成した形で聴くのがいいと思う。というか、実は一度作ったこともあるのだが、曲順を忘れてしまったのが残念だ。

 余談だが、このアルバム、本編分とは発売元のレコード会社が別だったせいか、マスタリングが違っていて、こちらはコンプレッサーが聴いた、かなり押しの強い音になっていて、両アルバムをミックスして聴くと音量に明らかに差があるので、けっこう違和感がある。更についでいうと、本アルバムは悪名高いCCCDで、うちのメインのシステムでこれをかけるにはかなり勇気が必要だった(笑)。これを書くに当たってiTunesに取り込もうとした、どうしても取り込めなかったのは、おそらくそのせいだ(幸いにもEACでリッピングしたCDがあったので、iTunesにはそちらで取り込んだのだけれど)。
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真・女神転生III - Nocturne/various artists

2009年12月15日 00時49分15秒 | サウンドトラック
 何度も書いていることだが、私がこれまでやったゲームで一番楽しめたのは、おそらく「真・女神転生III - Nocturne」である(もっとも、私のやったのはマニアクス版の方だったのだが)。このゲームは戦闘のテンポの良さ、仲魔づくり、仲魔の合成、そしてなにより異形でアシッドな雰囲気がピタっと来るものを感じて、ずいぶん熱狂してやった記憶がある。まぁ、ゲーム本体についてはまた書く機会もあると思うが、実はこのゲームで良かったいまひとつのものが、このサウンドトラックなのだ。前にもちらっと書いたように記憶しているけれど、ゲームの音楽というのは非常に特殊なもので、好むと好むと好まざるとにかかわらず、ゲームをやる度にほとんど強制的に聴かせられる結果、リスナーの音楽的嗜好や価値観を麻痺させるような側面が確実にあり、本来なら大して好きな音楽でもないが、無性に聴きたくなるみたいな作用がある(場合もある)。例えば、私はもう何年もやっている「FFXI」や「FFX」の音楽というのは、基本的にはそれほど好きではない....が、妙に聴きたくなったり、愛着があったりするのだが、その好例といえるかもしれない。

 ところが、「真・女神転生III - Nocturne」は、もちろんゲームそのものに対する好印象も作用しているだろうが、なにしろ、私はここに収録された「音楽そのもの」が大好きなのである。音楽そのものは目黒将司、土屋憲一、田崎寿子の3名が分担して担当しているようだが、メインとなるのは目黒将司の作品のようだ。とにかく1曲目「タイトルループ1」から壮大なスケールと妖しげ雰囲気に魅了される。「真・女神転生III - Nocturne」の音楽は基本的にはアシッドテクノだと思う。アシッドテクノといってももちろん様々だが、私の場合、ここに収録されたような終末っぽいアシッドテクノが好きなのである。「啓示」や「新宿衛生病院」「東京受胎」といった曲では、アコピとシンセの浮遊する白玉サウンド、そしてブチブチいうリズムが組み合わさって、独特なアシッド空間を生み出していて、たまにWalkmanなどで聴くと、街に風景がぐにゃりと溶解するような感覚を味わったりする。「シブヤ」「ギンザ」「イケブクロ」「カブキチョウ」「カグヅチ塔」といった地名にちなんだ曲では、典型的なアシッドな空間を作り出していて、なんとも心地よい。特に「シブヤ」の遠近感を極端にとったサウンドは秀逸。「イケブクロ」の重厚なサウンドにのって進む、半音階の摩訶不思議な雰囲気も素晴らしい(10分聴かせろと思ってしまう)。

 一方、バトル・シーンの音楽では、「通常戦闘」「通常戦闘・街」「通常戦闘・大マップ」といった曲がヘビメタ調のロック・サウンドになっている。特に「通常戦闘・大マップ」では、ブルースロックがかったハード・ロック・サウンドを展開していて、おじさんは思わず燃えてしまう(笑)。しかも、このギター・サウンドが全て打ち込みとは、当時、ずいぶん驚いたものだが、今、聴いてもつくづくよく出来ていると思う(こういうことをやらせると、日本人の器用さはさすがである。)。「ラストボス変形後戦闘」は強烈なレイブ風なサウンドでこれも聴いていて興奮してくる....といった具合に、このアルバム、なぜか異様に私にぴたりと来る音楽ばかりなのだが、あと気に入っているところをあげると、「大マップ」「大マップ・現実世界」のポップなテクノ・サウンド、メイン・テーマのヴァリエーションである「ヨスガ」の70年代風なアナログ・サウンドのシミュレーション、同じく「スタッフロール」の浄化されたムードといったところか、ここでは振れられなかったけれど、土屋憲一や田崎寿子が作った曲も作品のムードに沿って、実にいいムードを出している。という訳で、このサントラ、実をいえばここ数年、私がもっとも聴くサントラである(ゲームの内容はかなり忘れてきているが-笑)。
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