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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

ビートルズ/ヘルプ~4人はアイドル(soundtrack)

2005年07月23日 12時05分01秒 | Beatles
ベンチャーズが出てきたので、お次はビートルズ。ビートルズで夏といったら、個人的にはやっぱ映画「ヘルプ」かなぁ(期せずして「ベンチャーズ・イン・ジャパン」同じ1965年の制作でした)。なにせ映画の後半舞台となったのはバハマ。青い空と強い日差しの中、ユーモラスな悪玉と追いつ追われつのドタバタをスラップスティックに演じたビートルズの姿は、なんか強烈に夏というイメージとともに私の脳裏に焼き付いているのです。

 で、この映画を音楽で追体験するなら、やはりキャピトル盤以外にないでしょう。オリジナル盤はA面は映画のサントラ、B面は映画とは関係ない作品が収録された構成だったのですが、キャピトル盤は前述のA面分に、劇中に使用されたオーケストラによるサウンド・トラック(ケン・ソーン作曲)の数曲がプラスされ、曲順等も含め全体が再構成されているので、ビートルズのアルバムというよりは、やはり映画「ヘルプ」のサントラ盤という色彩が強い仕上がりとなっているからです。例えば「ヘルプ」という曲など、単体で聴くと「あぁ、この時期のジョンはぁ....」とか思ったりするする訳ですけど、このアルバムに収録された20秒の007風なイントロ付きのバージョンで聴くと、とたんに映画のいろいろなシーンが走馬燈してくるという訳なんですね。

 「ビートルズの曲ならいざしらず、ケン・ソーンのオケ曲が入っていたところで、どれほどの価値がある?」と思われる方もいるかもしれませんが、あのモンティパイソンの世界を先取りしたような、ポップでカラフル、ちょっぴりシュールでシニカルな雰囲気は、やはりケーン・ソーンのサントラ・パートがなくてはダメ。ビートルズの楽曲はもちろん、007やインド音楽、ワーグナーの「ローエングリン」第三幕への前奏曲に、ロッシーニの「セビリアの理髪師」序曲、果てはベートーベンの第九等が次々に引用されるケン・ソーンの音楽は、パロディ感覚いっぱいのあの映画にぴったりだったと思いますから....。(リリースされてませんが、バハマでジョージが活躍するシーンで流れた「ナック」風なオルガン・ジャズも良かったなぁ)

 ところがこのアルバム、目下のところ廃盤で聴くことができません。大分以前にソーンのアンソロジー・アルバムに「ヘルプ」の音楽が収められたという話を聞いたこともありますが、それも今や入手不可能のようですから、アナログ盤を聴くか粗悪なブートを聴くしかないのです。幸いにして、先日レビュウしたThe Capitol Albumsはvol.1とありますから、きっとvol.2も出るんでしょう。そちらには是非是非これを収録してもらいたいものです。
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ベンチャーズ・イン・ジャパン

2005年07月23日 00時02分56秒 | ROCK-POP

 80年代の古い作品が続いたついでに、更に20年遡った作品を取り上げてみたいと思います。作品は「ベンチャーズ・イン・ジャパン」、うーん、懐かしいですねぇ。ベンチャーズといえば、毎年夏になるとやって来ることと、音楽そのものの季節感と併せて、現在では日本の夏の風物詩みたいなになってますが、このアルバムは1965年の来日公演を収録した作品で、ベンチャーズが日本で定着するきっかけとなった、エレキ・ブームの立役者的アルバムでもありました。

  60年代中盤のエレキ・ブームの頃、私は幼稚園児でしたから、当時のエレキブームなど普通なら記憶にある訳もないのですが、たまたま我が愚兄が家でビートルズとベンチャーズの電蓄で鳴らしまくっているような高校生だったせいか、私の場合、彼らの音楽は子守歌替わりみたいになってしまっているようで、ことにビートルズとベンチャーズはもう体が覚えている感覚があるんですよね。そんな、ベンチャーズの数多くあるアルバムの中でも、当時からもっとも「凄い作品」といわれていたのがこの作品。

  これは先日、愚兄に聞いた話なのですが、当時のギター少年はこれを聴いて、みんな敗北感を感じたそうです。なにせ、おとなしめのスタジオ録音を一生懸命コピーしていたところに、突如、スタジオ録音より数段早いテンポで、カントリーっぽいトリッキーで難易度の高いフレーズやブルー・ノート・スケールのロック的フレーズ連打する訳ですから、「こりゃ、かなわねぇ」とか思ったことは想像に難くありません。おまけにここでのパフォーマンスは、バンド全体がパンク・ロックを思わせるスカスカのアンサンブルとみくもなパワー感があり、怒濤の如く進んでいく様は、今聴いても新鮮そのものですから(これはリミックスの効果も大きい-後述)、この破格なノリは当時では前衛的ですらあったんじゃないですかね。

  ところでこの「ベンチャーズ・イン・ジャパン」ですが、大きな勘違いをしてました。実はここ数年くらい私はアメリカでCD化された「Live In Japan `65」を「ベンチャーズ・イン・ジャパン」のいわゆるコンプリート盤だとばかり思って聴いていたのですが、どこがどうだとはいえないんですけど、なんとなく「こんなだったけ?」という思いが、聴く度につきまとっていたんですね。で、先日思い立ってアマゾンを検索していたところ、オリジナルの「イン・ジャパン」と「Vol.2」を2in1したアルバムを見つけたので、早速注文して昨日届いたのを今聴いているところなのですが、私の聴いていたのはコンプリート盤といっても「ベンチャーズ・イン・ジャパン第2集」のコンプリート盤だったんですね。私は子供頃に多分「第2集」の方は聴いてませんから、なるほど違和感を覚えるはずです。

  したがって、オリジナルの「イン・ジャパン」聴くのはおそらく何十年ぶりということになります。また、コンプリート盤の元ネタである「Vol.2」の方は多分初めて聴くことになろうかと思います。通して聴いて思ったのは、前述のパンクっぽさってのは、1995年の感覚で新たにリミックスしたところによるものもけっこう多かったこと。オリジナル盤の方どちらも2本のギターのソリッドな音色とアンサンブルを全面に押し出した、あの頃のスタジオ録音に近いリミックスで、当時のリスナーがベンチャーズに何を求めていたかがよく分かる音ともいえます。ともあれ、この音は聴いていて無性に懐かしい。一聴して「あぁ、これこれ、この音で聴きたかったんだよ」って感じで、ただいまウハウハしているところです(笑)。

  それにしても、ラストの2曲「ワイプアウト」と「キャラバン」はやっぱ凄え。65年に向かえたエレキ・ブームってのは、日本の音楽史上でも歴史に残るムーブメントでしたが、あのブームというのは単なる音楽的な技術革新ではなくて、この凄まじいノリに裏打ちされた音楽的黒船だったことが実感できます。

・ In Japan vol.1 &Vol.2

・ Live In Japan 65(vol.2のコンプリート版)

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