Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

G.ハウ,V.ウッテン,D.チェンバース /エクストラクション

2005年02月28日 22時00分00秒 | JAZZ-Fusion
 超絶テクのハード・コア・フュージョンです。私はデニス・チェンバース以外のメンツは初めて聴く人ばかりなのですが、リーダーとおぼしきグレッグ・ハウというギタリストは、元々メタル系のフィールドでも活躍して来た人らしく、当代早弾きフュージョン風なプレイをベースにしつつも、メタル風のエッジの切り立ったフレーズを多用するのが特徴です。しかも時にマクラフリン風なアコギのソロをやるかと思えば、黒人らしいファンキーさまで全開にしているのですから、まさに今時のヴァーサタイルなギタリストというべきでしょう。

 音楽的には、およそフュージョンでフォローしうるあらゆるタイプの素材を、複雑なキメや変則的なリズムでもってアレンジし、それを颯爽と乗り切っていく快感みたいなものが主眼なんでしょう。素材となった音楽を暴力的にねじ伏せていくという感覚は、どっちかというと、ジャズ/フュージョンのファンより、近頃のギター・キッズだとかメタル小僧(すいません-笑)に受けそうな今的なスポーティーさがありますね。うーん。確かこの豪快さや疾走感といった感覚はジャズのものじゃない。

 あと、特筆すべきは、ドラムスのデニス・チェンバース。今回は残響の少ない、非常に乾いた録音なせいで、メジャー・レーベルでのプレイと比べると、いつもと違うような感じもしますが、ともあれこういう音楽である以上、彼のようなパワフルさと手数の多さは適任でしょう。下手するとギター・テクの博覧会で終わりかねない代物を、音楽という生き物に化学変化させているのは彼のグルーブ感によるものが大きいと思います。

 そんな訳で、この手のハード・コア・フュージョンとしては、かなりいい線いっていると思います。これ聴いていたら、リヴィング・カラーのヴァーノン・リードって、今、何やってんのかなぁ....とか思っちゃいました。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モートン・ゴールド/レコード・コンサート

2005年02月28日 00時50分58秒 | サウンドトラック
 もう10年近く前になりますが、パソ通の音楽や映画関係のフォーラムで良く話題になったネタに、「日曜洋画劇場の最後で聴こえる番組のエンドタイトルの曲は何?。」ってのがあって、あの話題が繰り返しいろいろなところで出る度に、あの番組の影響力みたいなものを痛感したものです。

 で、このネタ、よくわからないうちは、やれラフマニノフだ、いやマックス・スタイナーだ、そうではなくて神津善行だ、とか諸説ふんぷんだったんですけど(私はラフマニノフだと思っていたクチ-笑)、どうやら原曲がコール・ポーターの「ソー・イン・ラブ」ってことが判明すると、お次は当然「んじゃぁ、誰が演奏してんのさ?」ってことになり、これがなかなか分からなかったんですね。ひょっとすると、周知の事実だったかもしれないけれど、私があの演奏をアメリカのモートン・グールドが編曲・演奏しているものだと知ったのは、あれからずっと下って1年ちょい前くらいのことです。

 ある方の連絡で、オークションで復刻盤を販売していることを知り、勇んで購入しました。全部で8曲入っていたアルバムですが、他の曲はどうでも良く、お目当ての「ソー・イン・ラブ」をまっさきに聴いたものです。記憶によれば、冒頭はマンシーニの「酒とバラの日々」みたいな感じで、トロンボーンかなにかの金管で始まったように思っていたのですが、低弦だったんですね。で、あの鬱蒼としたストリングスが入ってくると、もう感無量。

 あの頃、日曜の夜っていうと、なんか、そこはかとなくブルーな感じで、この「ソー・イン・ラブ」が聴こえてくるころになると、「あ~あ、もう日曜も終わり、明日から仕事(学校)かぁ」って感じで、よく鬱な気分になったもんですけど、なんかそれが見事に甦りました。ついでに、かの番組で観た、「ガス灯」「ベニスに死す」「シャレード」「めまい」といった名画の数々まで甦ってきてしまい、しばし遠い目になったり、センチな気分になったりもしたものです。

 いや、実は今も聴いてるんですけどね。本当にこの曲、あの気分にマッチしてます。日曜洋画劇場を頻繁に観ていた頃から、もう四半世紀は過ぎようっていうのに、日曜の夜の鬱な気分は今もあまり変わりませんね(笑)。あぁ、また一週間仕事かぁ....。


◆ モートン・グールド編曲の《ソー・イン・ラヴ》 ◆
コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする