和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「座談の思想」

2022-05-11 | 本棚並べ
週間天気予報では、今日は雨ということで、
物置の屋根の修理は、今日は無理かなと思っておりましたが、
一日晴れており、無事に修理が完了しました。
はい。一目見て、これは素人が修理したなとわかる、そんな程度です。
ですが、昨年から気になっておりましたので、終ってホッとしてます。
さあ、いつでも梅雨になあれ。

本棚から取り出してきたのは、
鶴見太郎著「座談の思想」(新潮選書・2013年)。
新聞書評の切り抜きが、はさんであるので、新刊で買ったのだと思います。

ここでは、その新聞の切り抜きから書評の中の箇所を引用。
読売新聞2014年1月5日。書評者は若松英輔氏。
その書評文の一部を引用して、今日は終りにします。

「作者は、明治期の思想家に『座談』の源流を探りながら、
 柳田國男、石田英一郎、桑原武夫、中野重治、菊池寛・・など
 永年にわたって研究してきた人々が語る言葉に寄り添い、
 真実は、書き記され得ない所にあることを明らかにしようとする。

 『鍵となる言葉はむしろ著作でなく、座談の中に隠されている
  ことすら』少なくない、と言い。

 書かれた記録にだけ根拠を置く歴史観に疑問を投げかける。
 また、書くのは主に理性の働きだが、座談には感情が生々しく現れる。
 感情の働きを見過ごした歴史は、剥製のような作りものになることを
 指摘する。

 座談で何が語られるかは誰も分からない。
 座談はいつも偶発的であり、創造的でもある。
 座談に臨む者は、他者の発言に促されて、
 自分でも驚くようなことを口にすることもある。

 さらに、本書では座談が真に実現するには
 『誠実』が必須であることが繰り返しを恐れることなく論じられる。

 現代は、誠実が見失われた時代であり、
 誠実を実現しようとする道程に混迷を切り拓く
 鍵が潜んでいることが語られる。・・・」

はい。私はこの書評でもう満腹感。
あえて本をひらくことはしません(笑)。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 随筆と俳諧。 | トップ | 安野さんはせっかちである。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本棚並べ」カテゴリの最新記事