宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

クールでホットでWin-Win

2023年11月21日 | 日常の記録

どうにもタイムラグが生じてもどかしいが、

11月18日は

「清水ミチコアワー~ひとり祝賀会~」@富山県民会館ホール

へ行ってきた!

月曜日は矢野顕子

土曜日は清水ミチコ

なんと贅沢な1週間。

当日はあいにくの荒天。駐車場は満杯だわ、紙チケットを発券せねばならないのに会場近辺にファミリーマートがないわで、ぜいぜい言いながらギリギリに入場。「お席に案内します」とにこやかながらも有無を言わさぬ案内係の人に伴われ即着席。若干お手洗いに行きたかったような気もするけど、ま、いいかー

と、開演を待つ間はやや冷え冷えとしていたのですが(お手洗い行く時間あったかも)

終演後はスパイスいっぱいのカレーを食べた後のようなホットな気持ちに!

川谷絵音さんの件でも思ったのだけど(と、いまだに思い出す)、取り扱いが難しい事件事象を笑いに昇華するミッちゃんの技術ってすごい!!「笑っていいんだ」とほっとして、世の中を憂えて暗くなる気持ちもやわらぐというか。一流料理人のごときネタ選びとさばきの技術(うまいこと例えたと思ったけどもう誰か言ってたかな)。

ネタバレしてもさしつかえなさそうな範囲で好きだったところ

「ネコふんじゃった」YMO編

瀬戸内寂聴さん(故人のモノマネはもはや懐かしく嬉しい。関係ないようだが、松村邦洋さんがラジオで言っていた、津川雅彦さんが亡くなった後に娘さんにお会いして、津川さんのモノマネをしたらとても喜んでおられたという話を思い出す。そうだろうなぁ。年を取ってくるとモノマネってもはや「ありがたいもの」になっているような)

弟の清水イチロウさんはピアノも上手。音の感じが好きだなと思った。ミッちゃんとはまたタッチが違うな、と。武部聡志さんに寄せたわけでは…ない?

「生きてりゃ死ぬわ」

結婚の歌はどちらもほほえましい

レモンでもミカン(←これが言いたかっただけ?)

作曲法、お若い方のはちょっと大丈夫かな当人が知ったら傷ついたりしないかなと心配だったりもするけど、批評にどう反応するかが一流へのバロメーター(?)だからいいのか。

全体に、ネタになった人も、このツアーのために呼ばれた人も、みんながWin-Win になっているところが、また、ミッちゃんすごい!と思った。

そうそう、私の座席位置からの画角が、先日の矢野さんのコンサートの時と同じ(若干背中側)だったのが、超個人的にツボだった。

アンコールでは不覚にも涙が。曲の力とパフォーマンスの力。

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私が清水ミチコさんのライブを観るのはこれが2度目。

前回は、なんと2007年クロスランドおやべにて。20周年記念とチケットに書いてあった。目マンとか、覚えてる。

会場での挙手アンケートによると、太客(ふときゃく:何度も参加している人)の方も結構いて、ほっとした。

ほっとしたというのもヘンだけど、ミッちゃんは富山は苦手なのではないかなと思ったりしたもので。

機会があったら行こうと思っても、富山および北陸での開催はずーっと無かった(と思う)ので、避けているのかなと思っていた。(が、ブログを読んでいたら今年黒部市でやっていたらしいのだが、全然情報がなかったような)

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終演後、通常よく見るアンケート用紙ではなく、QRコードが入った用紙を渡される。わーデジタル。私もうまいこと形容して次のライブで読まれるぞと、カメラにかざしてアクセスしたら、「カニカマのゆうべ青森公演」のアンケート(期限切れ)だった…デジタル…


鎌倉詣で(大船だけど)

2023年11月18日 | 音楽

11月13・14日は神奈川県に行ってきた。(大船・翌日は小田原観光)

矢野顕子リサイタル@鎌倉芸術館 を観るためである。

例年12月末に行われる当地でのリサイタル、タイミングが合わずなかなか行けなかったのだが、今年は早々に11月の開催が発表され、喜び勇んで早々にチケットを取ったのである。

(その代わりというか、NHKホールでのさとがえるコンサートと同じ週にあるファンクラブイベントは断念…週2回も上京するのはさすがにどうかと…うまくいかないものだ。)

私が鎌倉芸術館で矢野さんのコンサートを観るのは、なんとすごいよ、21年ぶりなのだ。宮沢和史さんがゲストで、私は超端っこの席で、なんというか輪の外にいる感じでちょっと悲しかった記憶が。

と書いてみて、この自分が輪の中心にいたい感が、30代女子(当時)だったな、と。

今回も、端といえば端で、矢野さんの背中側の席だったのだけど、弾き歌う背中を見つめるのもいいものだ、と思った。(変?)

鎌倉芸術館に集う皆さんは、さすがに民度が高いというか、演奏中の静けさと、でも決して張りつめてはいない空気の柔らかさが印象的だった。

そして矢野さんのピアノと歌も、リラックスしつつもチャレンジング、慣れ親しんでいるピアノと場所だからこその自由な感じが、あ、なんか他のところで聴いたのとは違う、こういうの聴きたかったと嬉しかった。わざわざ訪れたかいがあった。

セットリストを見ての、あの曲やこの曲をやってくれて嬉しいという以上の、あの曲やこの曲のふくらみが大きいんだよね~うまく書けないが。

とは言っても、曲名としては「ごきげんわにさん」はやっぱり嬉しかった。

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21年前行ったような気がする中華料理屋さんはお休みだった。大船って飲み屋が充実しているのねというのも昔は目に入らなかったなー。

あと、鎌倉芸術館の隣にある巨大なブックオフ(本以外にいろんなものを扱っている)、以前「ドキュメント72時間」で密着されていたところかなー

と、音楽関係なくなってきたのでこれにてー


言葉に誠実であろうとすると

2023年11月06日 | 

週一更新にならないし、不規則生活のため、どうしても更新日がランダムになってしまう…が、あまり気にせず

おもしろい本を読んだ。

『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』(済東鉄腸 左右社)

最初は、図書館の新着図書コーナーで目にしてちょっと気になったのだが、なんというかライトノベルっぽい感じなのかなと思って、読んでみることはしなかった。ルーマニアという国に良い印象がなかったせいもある。

が、後日書店で「岸本佐知子さん推薦」の帯がついているのを見て(図書館の本は帯がついていない)、にわかに読んでみたくなる。

で、また図書館に行ってみたのだが、すでに新着図書コーナーにはなかったので、検索エンジンで現在の本の状況を検索してみる。

漠然とエッセイの棚にある気がしていたのだが、分類番号によると「その他の国の文学」でイタリア文学の本の隣にあったのが意外だった。

意外だったけど、実際に本を読んでみると、ここの図書館の司書さんはちゃんと本を読んだうえで分類している!と感心した。当たり前かもしれないけど、なぜこの本がここにと思うこともわりとあるから。

今、amazon のレビューをいくつか読むと、期待はずれと書いている人は「エッセイ本」の範疇に収まらない部分が苦痛だったのかなと思われるが、かといって「外国文学」の棚に収めてしまうと、この本が刺さるに違いない人の目に留まらなくて残念なような…と思ったけど、外国文学の棚もついつい眺めてしまうような人にこそこの本は刺さるんだろうから、いいのか。

さて、私個人の感想としては、ものすごくおもしろかった。すごく刺激を受けた。

著者の語学文学そして世界に対する誠実な態度に感服する。

斜に構えたりふざけたりいいかげんだったり、しない。

正々堂々真正面から対峙している。だからこそ、同時代のルーマニア語作家とも、日本におけるルーマニア語翻訳の大家とも、ステキな良い関係がつくれるのだろう。うらやましいな。

最初のほうに、韓国映画好き中年女性への尊敬が語られていたけど、世界に対してフィルターがかかっていると、なかなかそんなふうに気づけないし、素直に語れないと思うのだ。

SNSを駆使した語学学習法はさすが現代の若者だなーと思うけど、フェミニズムとかLGBTQとか、それに絡んだ「言葉」の問題に対しても、昔の若者(たとえば私)はこんなに誠実でまっすぐに向かい合ってはいなかった、そこも現代の若者だなーと思う。

今ふと思ったのだけど、言葉に誠実であろうとすると、現代日本では引きこもり傾向にならざるをえないのだろうか。

心にもないことを平気で言える人は引きこもらないような気がする。

それは社会にとって損失だし、なんとかしたい。

「引きこもりの俺」とあるけど、実際の著者は自分と言葉と世界に誠実に向き合いながら、世界に対して自分を開いている。励まされる。こういう本を出す「左右社」という出版社にも興味が。

単純に語学好きとしては、ロマンス諸語とスラブ語の狭間にあるというルーマニア語、あらちょっと分かるような気が、という発見があって嬉しかった。(もちろんちゃんと学ぼうとするとややこしいのだろうけど)