宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

解像度

2023年12月15日 | 昔はなかった言葉

「解像度」という言葉自体は昔からあったのだろうけれど、一般的に使われるようになったのは、デジタルカメラの普及に伴ってのことと思われる。

そして次第に、直接的に画素数の多さを示す以外に「クリアになる。はっきりと分かるようになる」ことの比喩表現としても、多くの人にとってしっくりとくるものになってきた、ような気がする。

先月の話ですが、

11月26日放送の「日曜日の初耳学 King Gnu × 林修」(TBS系)で、King Gnu 常田大希さんが「自分と、音楽にそこまで触れていない人との、耳の解像度の誤差」について話していた。

たくさんの音から構成されている音楽を、製作者はその一つ一つを把握しているわけだが、私のような耳が肥えていない聞き手は、漠然とまとまった音として聴いている。

なるほどー。すごく分かりやすく腑に落ちたので、ここに書いてみた次第。

音楽に限らず他のことでも同じように言える。

解像度が低い人を切り捨てず、かといって迎合することもなく、間口を広くして、解像度を上げていくきっかけをつくってくれる作り手が、やっぱり好きだな。

-----------------

King Gnu といえば、11月29日にアルバム「THE GREATEST UNKNOWN」が発売され、それに伴ってのテレビ出演のようだ。

買いましたよ アマゾンで。予約購入したんですよ。初回生産限定盤を。

「ツアーのチケット先行受付シリアルナンバーが入手できる特典も」に魅かれたことも大きい。

が…なぜか漠然とアルバムの中にシリアルナンバーが封入されているものと思い込んでいた私、アルバムが届いてがーんとショックを受ける。…11月になってふとサイトを覗いたらもう見切れ席が発売になっていておかしいとは思っていたのよね… まだ名古屋会場は受付をしていたので、ローソンチケットで申し込んでみたもののあえなく落選。

まぁ…アルバム予約以降はすっかり忘れていた程度の私なので(apple musicでは聴いていたけど)しょうがないか…私が次のチャンスを得るためにも充実のバンド活動を続けていただきたいものだ。

それはそれとして、新アルバムに込められた熱量には圧倒された。

配信で既に聴いていた曲もアレンジがみんな変わっているし、全部がすごい全21曲!

限定盤のパッケージ、歌詞カードにも、ああ…涙が出るくらい、なんていうのかなぁ、できるかぎりのもの全部をここに込めたんだなぁー。(つい言ってしまうけど)これが若さというものなんだなぁー「尊い」ってこういうときに使うのかもなぁー…と感慨があった。ファンにとっては宝物だ。

が…「終活」「断捨離」が気になる年頃を実感して、複雑な気持ちになったのも事実^^;

(「月曜日の初耳学」出演のとよた真帆さんほか、そういうお年頃のファンも多いようだけど、ガチファンはそんなことないのか)


忖度

2022年12月15日 | 昔はなかった言葉

なにぶん記憶があいまいで文中細かいところはいろいろ不正確ですが。

「忖度」は2017年の流行語大賞なのだそうだ。

すっかり定着。

話は違うが、昔読んだ佐藤愛子さんのエッセイで、自衛隊の海外派遣で息子さんを亡くした男性にマスコミが群がる様子を見て「惻隠の情はないのかっ!」と怒っていたら、若い女性から「ソクインてなんですか?」と聞かれて、怒りもしりすぼみになったというのがあった。

「惻隠」は広まらなかったが、「忖度」は広く使われるようになった。

相手の心をおしはかるという意味では似ていると思うのだが。

「惻隠」は「かわいそうと思う」と言えばいいが(表立って同情するんじゃなくて陰ながらという意味合いがあるから違うと思うんだけどね)、「忖度」には、その行為に該当する言葉が無かったからか。

さて、先日行った矢野顕子さんの「さとがえるコンサート」で、

「最近日本語が分かんないのよね。ソンタグ? ソンタクだっけ」

「ソンタク、忖度。ソンタグって笑」

というやりとりがあり、

「スーザン・ソンタグと混同するとはさすがニューヨーカー」と思ったことであった。

まぁ単に訛っただけという可能性もあるが。

私的におもしろかったのでちょっと書いておこうかと。


心が折れる

2022年12月05日 | 昔はなかった言葉

土曜日朝、ながら見していた「チコちゃんに叱られる!」

「『心が折れる』というのはなぜ?」に目が留まった。

そうそう、こういう言い方、昔はなかったよなー。

自分の中では、心は柔らかいものというイメージだったので、いまだ慣れず違和感がある。

でも英語では「broken heart」とか言うから、そこから来てるのかなー。

私見では、一般的に使われるようになったのは、光ゲンジ「ガラスの十代」が流行ったころからかなー。

などと思っていたら、正解ははっきりしていた。

「神取忍が折ったから」

女子プロレスラー神取忍が1987年のジャッキー佐藤との試合で「心を折る」という表現を使ったとのこと。

なんと国語辞典(三省堂)にもそのように表記があるとか。知らなかった。

神取忍の当時の発言を記録した文献資料として『プロレス少女伝説』が紹介されていた。

これは読んだことがなかったのだけど、著者の井田真木子さんを思い出し、急に読みたくなる。

著作撰集を書店でも見ていたのだけど、買うまでには至らず、そのままだった。

今Wikipediaで内容を見たら、ますます読みたくなってきた。

図書館に入ってないかなー…

--------

その後「大人になるとあっという間に1年が過ぎるのはなぜ?」をやっていて、あ、これは前に観たことある、でも正解が思い出せないと思っていたら、4年前の放送VTRを流していた。4年も前だっけ、と、あらためてこの疑問をかみしめる。

答えは(うろ覚えで正確ではないですが)「ときめきがなくなったから」

…そ、そうか、な…?


就活ほか

2022年11月18日 | 昔はなかった言葉

確証はないのだけれど、就職活動のことを略して「就活」とは言うようになったのは今世紀に入ってからではなかろうか。

30年前は略さず「就職活動」と言っていた、と思う。

(恥ずかしながら、自分はろくに活動せず現実逃避していたので記憶が薄い…)

さらにもっと前は「就職」と「活動」も結びついていなかったのではないか。

学卒であっても「職探し」とか?

昔の映画とかテレビドラマとか観れば分かるかな。

「活動」という言葉には、計画的に順を追って事を進める意味合いが感じられる。

さらに「就活」という略語には「ゲーム感覚」が付与されたように感じられる。攻略法があったり、仲間内で情報を共有したり。「活」略語の元祖?学校時代の「部活動」略して「部活」と似た意味合いもあるのかな。目標に向かって全力投球な人もいれば、いやいややらされている義務的なイメージもあるような。

「婚活」「妊活」「終活」といった言葉も「就活」から派生したものと思われる。

計画的に順を追ってポイントを攻略する人生…自分には無縁だな…終活くらいはちゃんとしたいものだが。

一方、ライフステージにまつわる大きなことでなくても、昨今は様々な活動に「活」が応用されている。「就活」から「部活」という言葉を思い出して、趣味的活動に当てはめた感じかな。

(「就活」と「部活」の中間点に「パパ活」という言葉があった気がする…誰が言い始めたのだろう...)

うまいのもあれば無理やりでヘンなのもある。

「タピ活」(タピオカ)は定着したのか?

「サ活」(サウナ)は、ほかにサがつく言葉のブームが始まったら混同してしまいそう。

「腸活」(腸内環境)とか健康にまつわるものも結構あるような。

「ポイ活」(ポイント)は、「ポイッ」という語感が、ちまちまポイントを集めていく活動内容に合っている気がする。

「ヌン活」(アフタヌーンティー)はダメ。語感が内容と合ってないし、言葉を省略すること自体、人々がアフタヌーンティーに求める優雅さを損なっている。アフタヌーンティーを楽しめるお金も暇もあるのに、「ヌン活」とか平気で言える文化程度なのねと悲しくなる...というのは言い過ぎか。

総じて、一過性のブームとか安価なもの気軽なものに「活」はうまくハマる気がする。一方、不安や苦しみをともなう行為には、略語にすることで、それを軽減して前向きにする作用もあるような。


味変

2022年11月03日 | 昔はなかった言葉

ふいに思い付いてカテゴリーを追加してみる。

こんにち当たり前のように使われている言葉の中に、昔は無かった、こんな使い方はしなかったと思うものがいくつもある。

たとえば「真逆(まぎゃく)」。「正反対」という言葉がすでにあったのに、いまやこちらのほうが席巻している。理由は謎。

「昔」というのは自分が若かったころということで、とりあえず、21世紀になってから使われ始めたのではと思う言葉を、思い付いたら記録していこう。

自分が知らなかっただけというものもあるかもしれないけど、少なくとも普通に日本語を使っている自分のところまで届いていなかったということは、一般的ではなかったということでー

今日ふと思いついたのは「味変(あじへん)」

薬味などを足して味を変化させるという意味でのこの言葉、割と最近になって一般的になったような気がするのだが、どうだろう。

出所は漠然とラーメン業界のような気がするが、たとえば「替え玉」はラーメン屋で知った言葉だけど、「味変」はあったかなぁ…

味を変化させる行為自体は昔からあったのか、それとも、最近の人は単調な味には飽きてしまうからという嗜好の変化があったのか。

ブロガーかユーチューバーか、誰か最初に使い始めた人が特定できそうな気もする。

メモ程度のつもりだったのに、考え出すと深みにはまるな…