全国大会を3週間後に控えたある日、高頭のもとへ1本の電話がかかってきた。
「高頭監督、電話ですよ!」
「誰だぁ?牧、このあとは、3線をやっておいてくれ。」
「わかりました。」
電話をとる高頭。
「お世話になっております高頭監督。」
「その声は・・・じゃないか。どうした、久しぶりだな。うん!?ん?うん。
そういうことか、それは牧たちも喜ぶだろうよ。で、いつだ?
・・・・・・、今だと!?」
そのとき、バスケ部の体育館のほうから、賑やかな声が聞こえた。
高頭の耳には、電話越しに牧の声が聞こえた。
「藤真じゃないか。」
「そういうことですので、高頭監督、すぐに体育館にお戻り下さい。」
『ブチッ』
「ったく、なんて強引なやつだ。」
苦笑いの高頭が、体育館に戻ると、見慣れた男たちが立っていた。
「おい、赤木!海南の体育館ってすげーな。うちの体育館が3つも4つも入っちまうぞ。」
「あぁあ。」
驚きを隠せない赤木。
(こういうところで練習すれば、俺ももっと強くなるのか?)
「あれ!?藤真や花形は、ビックリしないのか?」
「俺たちは、練習試合で何回か来ているからな。」
「落ち着け、三井。」
「お前だって、ビックリして、ゴリラ顔になっているぞ。」
「そっそんなことはない。」
慌てる魚住。
「まさか、こんな夢のようなことが起きるとはな。」
少しだけ涙ぐむ木暮。
「なんなんですか?牧さん、こいつらは?」
「わからん。だが、遊びに行きましょうっていうわけではなさそうだな。」
笑う牧。
「牧、更衣室はどこだ?」
「そこを右にいったところだ。」
「ありがとうよ。借りるぜ。みんなも行こうぜ。」
「池上・・・。」
「なんだ、魚住?」
『バサ!バサッ!』
「俺たちはいらん!!」
藤真、花形、赤木、三井、魚住が口を揃えていった。
そして、着ていた私服を脱ぐと、すでにトレーニングウェアを着ていた。
「凄いやる気だな。」
笑う木暮。
「ついていけないぜ。なぁ、長谷川?」
誰よりも後ろにいた長谷川に、池上が尋ねると・・・、
『バサ!!』
長谷川もすでにトレーニングウェアを着ていた。
「お前もかい!」
高頭が事情を話す。
「さっき、藤真から電話がかかってきてな。お前らの練習相手をやってくれるということなんだ。」
「これで彦一の最後のFAXの意味がわかりましたね?」
(『俺たちが相手になってやる!!』)
「あぁ。三井の自筆のようだ。」
「だけど、練習相手って、藤真に、赤木に、三井・・・、
このメンバーだと、うちだってかなりきついですよね。牧さん?」
「全国制覇を目標としているうちには、願ったり叶ったりだ。なぁ、神。」
「えぇ。メンバーだけみると、全国ベスト8はいけそうな気がしますけど、
チームプレーはうちのほうが上なので、いい勝負じゃないですかね。」
冷静に分析する神。
「牧、練習相手をするとはいったが、本当はただ熱いバスケがやりたいだけなんだ。こいつら、みんなな。」
「あぁ、わかっているよ。だが、言いだしっぺは、お前だろ、藤真。」
「ふん。」
笑う藤真。
「引退試合にしてやるよ。」
「んじゃ、有終の美を飾らせてもらうよ。」
藤真の強引な練習試合の申し込みによる海南対神奈川3年生混成チームの夢のような練習試合が実現する。
混成チームに参加したメンバーは、藤真健司、花形透、長谷川一志、赤木剛憲、三井寿、木暮公延、魚住純、池上亮二の引退した8名。
海南の力になるため、牧を倒すため、No.1シューターを証明するため、更に上を目指すため、
ただみんなとバスケをしたいためなど、それぞれが抱いている思惑は違えど、
バスケへの熱意が枯れぬ神奈川の猛者たちであった。
高頭、牧、藤真の話し合いの結果、試合は、10分流しを5本することとなった。
混成チームの第1戦めのメンバーは・・・、
PG藤真、SG池上、SF長谷川、PF花形、C赤木となった。
「ディフェンスは、もちろんマンツーだ。池上、神には1点も入れさせるなよ。」
「今でも神奈川県一のディフェンダーは俺だと思っているぜ。」
「一志、ドンドン攻めてかまわないぜ。」
「あぁ。」
「なんで、三っちゃんが出ないんだよ!!」
体育館の隅から太い声が聞こえた。
「そっその声は・・・。」
振り向くとそこには、堀田番長率いる三井寿応援団神奈川県本部のメンバーがいた。
「なっなんで、お前らがここにいるんだーー!!」
「三っちゃんのいくところなら、例えアメリカでも、地獄でも、応援に行くぜ!」
「どっから、情報を得たんだ・・・。」
慌てふためく三井を見て、みんなが笑った。
「赤木、俺はお前が神奈川県一のセンターだと思っている。だから、俺はPFをやる。」
「ふっ、ありがとうよ。」
『ピクッ!』
「それは聞き捨てならんな!花形!!赤木勝負だ!!」
魚住が立ち上がる。
「うっ魚住、まっ待てって。今は同じチームなんだ。赤木との勝負はあとでやればいいから!」
必死にとめる木暮。
(メンバーは問題ないけど、チームワークは・・・。)
不安でしょうがない木暮であった。
そして、練習試合が始まった。
続く。
「高頭監督、電話ですよ!」
「誰だぁ?牧、このあとは、3線をやっておいてくれ。」
「わかりました。」
電話をとる高頭。
「お世話になっております高頭監督。」
「その声は・・・じゃないか。どうした、久しぶりだな。うん!?ん?うん。
そういうことか、それは牧たちも喜ぶだろうよ。で、いつだ?
・・・・・・、今だと!?」
そのとき、バスケ部の体育館のほうから、賑やかな声が聞こえた。
高頭の耳には、電話越しに牧の声が聞こえた。
「藤真じゃないか。」
「そういうことですので、高頭監督、すぐに体育館にお戻り下さい。」
『ブチッ』
「ったく、なんて強引なやつだ。」
苦笑いの高頭が、体育館に戻ると、見慣れた男たちが立っていた。
「おい、赤木!海南の体育館ってすげーな。うちの体育館が3つも4つも入っちまうぞ。」
「あぁあ。」
驚きを隠せない赤木。
(こういうところで練習すれば、俺ももっと強くなるのか?)
「あれ!?藤真や花形は、ビックリしないのか?」
「俺たちは、練習試合で何回か来ているからな。」
「落ち着け、三井。」
「お前だって、ビックリして、ゴリラ顔になっているぞ。」
「そっそんなことはない。」
慌てる魚住。
「まさか、こんな夢のようなことが起きるとはな。」
少しだけ涙ぐむ木暮。
「なんなんですか?牧さん、こいつらは?」
「わからん。だが、遊びに行きましょうっていうわけではなさそうだな。」
笑う牧。
「牧、更衣室はどこだ?」
「そこを右にいったところだ。」
「ありがとうよ。借りるぜ。みんなも行こうぜ。」
「池上・・・。」
「なんだ、魚住?」
『バサ!バサッ!』
「俺たちはいらん!!」
藤真、花形、赤木、三井、魚住が口を揃えていった。
そして、着ていた私服を脱ぐと、すでにトレーニングウェアを着ていた。
「凄いやる気だな。」
笑う木暮。
「ついていけないぜ。なぁ、長谷川?」
誰よりも後ろにいた長谷川に、池上が尋ねると・・・、
『バサ!!』
長谷川もすでにトレーニングウェアを着ていた。
「お前もかい!」
高頭が事情を話す。
「さっき、藤真から電話がかかってきてな。お前らの練習相手をやってくれるということなんだ。」
「これで彦一の最後のFAXの意味がわかりましたね?」
(『俺たちが相手になってやる!!』)
「あぁ。三井の自筆のようだ。」
「だけど、練習相手って、藤真に、赤木に、三井・・・、
このメンバーだと、うちだってかなりきついですよね。牧さん?」
「全国制覇を目標としているうちには、願ったり叶ったりだ。なぁ、神。」
「えぇ。メンバーだけみると、全国ベスト8はいけそうな気がしますけど、
チームプレーはうちのほうが上なので、いい勝負じゃないですかね。」
冷静に分析する神。
「牧、練習相手をするとはいったが、本当はただ熱いバスケがやりたいだけなんだ。こいつら、みんなな。」
「あぁ、わかっているよ。だが、言いだしっぺは、お前だろ、藤真。」
「ふん。」
笑う藤真。
「引退試合にしてやるよ。」
「んじゃ、有終の美を飾らせてもらうよ。」
藤真の強引な練習試合の申し込みによる海南対神奈川3年生混成チームの夢のような練習試合が実現する。
混成チームに参加したメンバーは、藤真健司、花形透、長谷川一志、赤木剛憲、三井寿、木暮公延、魚住純、池上亮二の引退した8名。
海南の力になるため、牧を倒すため、No.1シューターを証明するため、更に上を目指すため、
ただみんなとバスケをしたいためなど、それぞれが抱いている思惑は違えど、
バスケへの熱意が枯れぬ神奈川の猛者たちであった。
高頭、牧、藤真の話し合いの結果、試合は、10分流しを5本することとなった。
混成チームの第1戦めのメンバーは・・・、
PG藤真、SG池上、SF長谷川、PF花形、C赤木となった。
「ディフェンスは、もちろんマンツーだ。池上、神には1点も入れさせるなよ。」
「今でも神奈川県一のディフェンダーは俺だと思っているぜ。」
「一志、ドンドン攻めてかまわないぜ。」
「あぁ。」
「なんで、三っちゃんが出ないんだよ!!」
体育館の隅から太い声が聞こえた。
「そっその声は・・・。」
振り向くとそこには、堀田番長率いる三井寿応援団神奈川県本部のメンバーがいた。
「なっなんで、お前らがここにいるんだーー!!」
「三っちゃんのいくところなら、例えアメリカでも、地獄でも、応援に行くぜ!」
「どっから、情報を得たんだ・・・。」
慌てふためく三井を見て、みんなが笑った。
「赤木、俺はお前が神奈川県一のセンターだと思っている。だから、俺はPFをやる。」
「ふっ、ありがとうよ。」
『ピクッ!』
「それは聞き捨てならんな!花形!!赤木勝負だ!!」
魚住が立ち上がる。
「うっ魚住、まっ待てって。今は同じチームなんだ。赤木との勝負はあとでやればいいから!」
必死にとめる木暮。
(メンバーは問題ないけど、チームワークは・・・。)
不安でしょうがない木暮であった。
そして、練習試合が始まった。
続く。