山王 49
湘北 36
『キュッキュ!!』
『キュキュ!』
「あたれーー!!!」
宮城の声が体育館に響き渡る。
「湘北が仕掛けてきた!!」
「オールであたってきたぞ!!」
「当然だ。」
観客席の田岡。
ボールは、エンドラインの河田から烏山へ。
すかさず、桜木と緑川が囲んだ。
『キュ!』
『ザッ!』
「おまえらなんか、俺の相手じゃねぇ・・・が。」
と烏山。
「なぬ。カラスやろーの分際で!!」
「うっせ!!」
『シュ!』
「あっ、逃げやがったな!!」
「作戦があんだよ、バカ。」
「おい、グリ!やつは力ずくでも止めろ!!この桜木が許す。」
「はぁ。」
ボールは、加藤へ渡った。
烏山は駆け上がる。
緑川、河田、桜木もまた湘北ゴールに駆け出す。
山王コートには加藤と宮城が取り残された。
「来いよ。タラ男!」
「うるさいダス!」
加藤の一歩目。
(こういうときは、直感を信じる!左だ!)
宮城は左サイド、加藤の右サイドに腕を出した。
『パシ。』
「!!!」
「へっ。」にや。
(完璧だぜ!)
「スティール!!!」
「宮城が加藤をスティールだーー!!!」
「キャプテン!!」
「加藤先輩!!」
声をあげる山王ベンチ。
「リョータ!ナイスカット!!」
「うぉぉーー!!キャプテン!!」
湘北ベンチからも声が上がる。
『パサ。』
ルーズボールを拾った宮城は、瞬く間にネットを揺らしていた。
「イカすぜ!リョーちん!!」
山王 49
湘北 38
「うわぁぁーー!!」
「1本目から奪ったぞーー!!」
「まぐれっぽかったけど!」
(ぐっ。あのチビ・・・。)
悔しそうな表情を浮かべる加藤は、エンドラインでボールを持っている。
「もう1本、もらうぜ。」
「うるさいダス!!」
戻ってきた烏山にボールが入る。
すぐに加藤へリターンパス。
「ドンマイ。あっちで待ってるぜ。」
再び、加藤と宮城のみが取り残される。
「てめーと深津との大きな違い。」
「・・・。」
「自分の悪口には、冷静でいられないようだな。へっ。」
「黙れ!チビ!」
語尾を忘れるほどの怒り。
「てめーは、そのチビに負けるのさ。」
精神面で加藤の上をいった宮城。
それは、夏の敗戦を乗り越えた宮城の成長の証でもあった。
『キュ!』
『ダムダム!』
『キュッキュッキュ!』
「!!!」
「囲んだーー!!」
「また加藤が捕まったぞ!!」
加藤のドリブルを流川が止めた。
宮城とともに囲む。
「エージ!」
加藤は苦し紛れのパスを放る。
『パシ!』
「ナイスパスだ。タラ男!!」
笑う桜木。
「うわぁーーーー!!またターンオーバー!!」
「湘北のオールコートが機能している!!」
「あの山王を止めているぞ!!」
「リョーちん!」
桜木はすぐに宮城にボールを渡す。
2on1。
流川と宮城が山王ゴールに襲い掛かる。
「いけ!湘北!!」
思わず応援する中村。
「ぶち込め。」
宮城は小声でいった。
ゴール下へ優しいパスをあげる。
『ダン!』
そのボールにあわせる流川。
空中でワンハンドキャッチ。
そのままリングに叩き付けた。
『ガッシャァーン!!』
『トン。』
流川は、この日最初のダンクをクールに決めた。
「ダーーンク!!!」
「一気に4点縮めた!!」
「湘北に風が吹いてきた!!」
「9点差!!一桁に持っていった!!」
「キタで!キタで!キタで!キタで!キタでーー!!」
「今の流川さんの1本は、最高の形ですね。」
「うむ。これで湘北も息を吹き返すか。」
「いや、まだですよ。あいつを止めないと風は変わらない。」
「沢北さんか・・・。」
「・・・。」
堂本が腰をあげた。
オフィシャルに歩み寄る。
「リードしている山王が、タイムアウトですか?」
「この流れは一旦切りたいところね。」
と記者席。
コート上、真ん中に立っている男。
「夏輝ぃぃ!!!冷静になれ!!!」
厳しい顔つきで怒声をあげるたのは、沢北であった。
その言葉は、体育館にいたもの全ての人間に届いた。
「エージ・・・。」
と加藤。
(沢北のやつ。まだタイムアウトは必要ないな。)
堂本は席に戻った。
沢北の咆哮。
今まさに、本当の戦いを迎えようとしていた。
山王 49
湘北 40
続く。
湘北 36
『キュッキュ!!』
『キュキュ!』
「あたれーー!!!」
宮城の声が体育館に響き渡る。
「湘北が仕掛けてきた!!」
「オールであたってきたぞ!!」
「当然だ。」
観客席の田岡。
ボールは、エンドラインの河田から烏山へ。
すかさず、桜木と緑川が囲んだ。
『キュ!』
『ザッ!』
「おまえらなんか、俺の相手じゃねぇ・・・が。」
と烏山。
「なぬ。カラスやろーの分際で!!」
「うっせ!!」
『シュ!』
「あっ、逃げやがったな!!」
「作戦があんだよ、バカ。」
「おい、グリ!やつは力ずくでも止めろ!!この桜木が許す。」
「はぁ。」
ボールは、加藤へ渡った。
烏山は駆け上がる。
緑川、河田、桜木もまた湘北ゴールに駆け出す。
山王コートには加藤と宮城が取り残された。
「来いよ。タラ男!」
「うるさいダス!」
加藤の一歩目。
(こういうときは、直感を信じる!左だ!)
宮城は左サイド、加藤の右サイドに腕を出した。
『パシ。』
「!!!」
「へっ。」にや。
(完璧だぜ!)
「スティール!!!」
「宮城が加藤をスティールだーー!!!」
「キャプテン!!」
「加藤先輩!!」
声をあげる山王ベンチ。
「リョータ!ナイスカット!!」
「うぉぉーー!!キャプテン!!」
湘北ベンチからも声が上がる。
『パサ。』
ルーズボールを拾った宮城は、瞬く間にネットを揺らしていた。
「イカすぜ!リョーちん!!」
山王 49
湘北 38
「うわぁぁーー!!」
「1本目から奪ったぞーー!!」
「まぐれっぽかったけど!」
(ぐっ。あのチビ・・・。)
悔しそうな表情を浮かべる加藤は、エンドラインでボールを持っている。
「もう1本、もらうぜ。」
「うるさいダス!!」
戻ってきた烏山にボールが入る。
すぐに加藤へリターンパス。
「ドンマイ。あっちで待ってるぜ。」
再び、加藤と宮城のみが取り残される。
「てめーと深津との大きな違い。」
「・・・。」
「自分の悪口には、冷静でいられないようだな。へっ。」
「黙れ!チビ!」
語尾を忘れるほどの怒り。
「てめーは、そのチビに負けるのさ。」
精神面で加藤の上をいった宮城。
それは、夏の敗戦を乗り越えた宮城の成長の証でもあった。
『キュ!』
『ダムダム!』
『キュッキュッキュ!』
「!!!」
「囲んだーー!!」
「また加藤が捕まったぞ!!」
加藤のドリブルを流川が止めた。
宮城とともに囲む。
「エージ!」
加藤は苦し紛れのパスを放る。
『パシ!』
「ナイスパスだ。タラ男!!」
笑う桜木。
「うわぁーーーー!!またターンオーバー!!」
「湘北のオールコートが機能している!!」
「あの山王を止めているぞ!!」
「リョーちん!」
桜木はすぐに宮城にボールを渡す。
2on1。
流川と宮城が山王ゴールに襲い掛かる。
「いけ!湘北!!」
思わず応援する中村。
「ぶち込め。」
宮城は小声でいった。
ゴール下へ優しいパスをあげる。
『ダン!』
そのボールにあわせる流川。
空中でワンハンドキャッチ。
そのままリングに叩き付けた。
『ガッシャァーン!!』
『トン。』
流川は、この日最初のダンクをクールに決めた。
「ダーーンク!!!」
「一気に4点縮めた!!」
「湘北に風が吹いてきた!!」
「9点差!!一桁に持っていった!!」
「キタで!キタで!キタで!キタで!キタでーー!!」
「今の流川さんの1本は、最高の形ですね。」
「うむ。これで湘北も息を吹き返すか。」
「いや、まだですよ。あいつを止めないと風は変わらない。」
「沢北さんか・・・。」
「・・・。」
堂本が腰をあげた。
オフィシャルに歩み寄る。
「リードしている山王が、タイムアウトですか?」
「この流れは一旦切りたいところね。」
と記者席。
コート上、真ん中に立っている男。
「夏輝ぃぃ!!!冷静になれ!!!」
厳しい顔つきで怒声をあげるたのは、沢北であった。
その言葉は、体育館にいたもの全ての人間に届いた。
「エージ・・・。」
と加藤。
(沢北のやつ。まだタイムアウトは必要ないな。)
堂本は席に戻った。
沢北の咆哮。
今まさに、本当の戦いを迎えようとしていた。
山王 49
湘北 40
続く。