海南 84
湘北 86
桜木から柳へのスーパーパスにより、ブザービーターが決まった。
一瞬の出来事に、会場は水を打ったように静まり返っていた。
第一声は、観客席から。
「アンビリーバブルやーーーー!!!」
第二声は、記者席から。
「センセーーーーーーション!!!」
第三声は、コート上から。
「まさに、天才!!!ハッハッハ!!」
そして、体育館全体が燃え上がる。
「うぉぉぉーーー!!!」
「すげーーー!!」
「湘北の大逆転だーーーー!!!」
「ブザーーービーターーー!!!」
「わぁぁーーーー!!!」
「ありえねぇーーーー!!!」
「よっしゃーーー!!!」
「決勝進出だーーー!!!!」
「勝ったぞーーー!!」
「桜木先輩!!」
「おうよ!!」
桜木と白田は、ハイタッチを交わした。
「柳。ナイスラン!ナイッシュ!」
「美味しいところをいただきました。」にこり。
「やったーー!!」
「決勝進出だーーー!!」
観客席の湘北1年生も歓喜に沸く。
「桜木君!ナイスアシスト!」
『ピクッ!』
耳が巨大化する桜木。
『ダッダッダ・・・。』
『ガシ!』
桜木はすぐさま晴子の下に駆け寄り、手を繋ぎ、晴子を振り回した。
「さっ桜木君!!目が回っちゃうよ!!」
「ハッハッハッハ!!!」
「ふーーー。」
(コートにいるより、疲れたぜ・・・。)
「流川君。ベンチで試合を観るのも、相当の体力を消費します。
でも、同じ体力を消費するなら、コートのほうがいいですよね?決勝戦は期待していますよ。」
「うす。」
「桜木は、更にハチャメチャな動きになったな。あはっ。」
と仙道。
「宮城と柳のスピードに対応し、桜木と白田の高さに対応しなければならぬな。」
田岡が腕組みをする。
「流川は?」
「仙道がいる。問題はない。」
越野に答える田岡。
「まいったなー。」
(だが、夏からどのくらい成長しているのか、楽しみだな。)
「海南大附属高校82対湘北高校84!白!湘北!!」
「あーーしたーー!!!」
ベンチに戻る10名の選手。
センターライン上では、安西と高頭が固い握手をしていた。
「安西先生。勝負どころで、エースの流川を交代させ、勝ってしまうとは・・・。うちは完敗でした。」
「湘北には、流川君と同等の選手がもう一人いますから。」
「・・・。」
(安西先生は、桜木に絶対の自信を寄せている・・・。
それほどまでの選手か・・・、いや、今はまだ潜在能力に賭けている感じか。)
清田はいつもどおり大きな涙をこぼしていた。
「よくやった。」
神は牧がしていたように、清田の頭を掴んだ。
「俺たちの代では、全国に出場することができなかったけど、お前たちなら、いける。信じているよ。」
「ぶぁばい。」
清田は言葉が出ない。
「すいませんでした。」
上杉が大きく頭を下げた。
床には、涙が滴っていた。
「海斗も気にしなくていいよ。勝負には勝っていた。
ただ、少しだけ、運が足りなかっただけさ。」
(そうですよね、牧さん。)
神は、牧がよく口にしていた言葉を思い出した。
(「勝負には、少なからず運も必要なんだ・・・。」)
神が湘北ベンチに足を運ぶ。
「流川。」
「んっ。」
「沢北と対戦できたらいいな。」
「一番になるだけだ。」
「頑張れよ。」
「宮城。いい後輩たちを持ったな。」
「あぁ。お互いな。」にやっ。
「そうだな。俺たちは、結局、全国にも出場も出来ず、全国制覇も叶わなかった。
夢は湘北に託すよ。そして、俺は大学で全国制覇を目指す。」
「牧のいる白金だったな。こりゃまた、お前らを倒すのに、骨が折れるぜ。ははっ。」
「宮城も推薦もらってるんだろ?」
「あぁ。県内の大学にいく予定だ。」
桜木が割り込んできた。
「リョーちん!!」
「なっ!なんだよ、花道!!」
「何、ひょろ男とこそこそしてんだよ!!」
「真面目な話だ!バカやろー!!」
「桜木は相変わらずだな。」
「ぬっ。何がだ。」
「ふっ。何でもないよ。流川とお前に、マークされて、ホントに楽しかった。ありがとうな。」
「天才にマークされて、光栄に思え!ハッハッハ!」
「偉そうに!!」
「桜木。頑張れよ!」
「おうよ!」
「ひょろ男君もな。」
3人は固い握手をした。
高校生No.1シューターの呼び声高い海南のキャプテン神宗一郎は、県予選準決勝で敗退した。
翌年、牧のいる白金学院大学に入学し、海南コンビが復活。
牧、土屋らとともに一大旋風を巻き起こすのであるが、それはまた別の話。
安西先生をそっと見つめる宮城。
(流川が交代したとき、正直、ひやっとしたけど・・・・・・。
負けるとは思わなかった・・・。
不思議だぜ・・・。
先生の驚くような言葉や選択にも、絶対の信頼を寄せている俺がいる・・・。
先生・・・。
全国制覇まで、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。)
宮城は、安西に頭を深く下げ、更なる信頼をよせるのであった。
「さっ桜・・・。」
ロッカールームに向かう桜木に声をかけようとする晴子。
「晴子ちゃん。」
「んっ??」
スコアーシートを手に持っている晴子を、彩子が止めた。
「晴子ちゃん、内緒にしておきましょう。」
「えっ?」
「桜木君が、また有頂天になったら、困りますからね。ほっほっほ。」
安西、彩子、湘北の選手たち、そこにいた全ての人が知っていた。
知らないのは、桜木のみ。
この日、桜木は、初めて、流川よりも得点を奪っていた。
(今日は、記念日だね。桜木君!)にこ。
晴子は、その言葉を大切に心にしまうのであった。
-----------------------------------------------
選抜優勝大会 県予選 準決勝
海南大附属×湘北
海南 82
湘北 84
【海南】青 82
#4 神 25P(3P 4本)
#5 真田 2P
#6 小菅 8P
#8 大泉 14P 8R
#10 清田 17P 7A(3P 2本)
#11 上杉 16P
【湘北】白 84
#4 宮城 10P 12A
#6 潮崎 2P
#7 流川 14P
#8 角田 0P
#9 柳 18P
#10 桜木 24P 13R
#14 白田 16P 9R
-----------------------------------------------
続く。
湘北 86
桜木から柳へのスーパーパスにより、ブザービーターが決まった。
一瞬の出来事に、会場は水を打ったように静まり返っていた。
第一声は、観客席から。
「アンビリーバブルやーーーー!!!」
第二声は、記者席から。
「センセーーーーーーション!!!」
第三声は、コート上から。
「まさに、天才!!!ハッハッハ!!」
そして、体育館全体が燃え上がる。
「うぉぉぉーーー!!!」
「すげーーー!!」
「湘北の大逆転だーーーー!!!」
「ブザーーービーターーー!!!」
「わぁぁーーーー!!!」
「ありえねぇーーーー!!!」
「よっしゃーーー!!!」
「決勝進出だーーー!!!!」
「勝ったぞーーー!!」
「桜木先輩!!」
「おうよ!!」
桜木と白田は、ハイタッチを交わした。
「柳。ナイスラン!ナイッシュ!」
「美味しいところをいただきました。」にこり。
「やったーー!!」
「決勝進出だーーー!!」
観客席の湘北1年生も歓喜に沸く。
「桜木君!ナイスアシスト!」
『ピクッ!』
耳が巨大化する桜木。
『ダッダッダ・・・。』
『ガシ!』
桜木はすぐさま晴子の下に駆け寄り、手を繋ぎ、晴子を振り回した。
「さっ桜木君!!目が回っちゃうよ!!」
「ハッハッハッハ!!!」
「ふーーー。」
(コートにいるより、疲れたぜ・・・。)
「流川君。ベンチで試合を観るのも、相当の体力を消費します。
でも、同じ体力を消費するなら、コートのほうがいいですよね?決勝戦は期待していますよ。」
「うす。」
「桜木は、更にハチャメチャな動きになったな。あはっ。」
と仙道。
「宮城と柳のスピードに対応し、桜木と白田の高さに対応しなければならぬな。」
田岡が腕組みをする。
「流川は?」
「仙道がいる。問題はない。」
越野に答える田岡。
「まいったなー。」
(だが、夏からどのくらい成長しているのか、楽しみだな。)
「海南大附属高校82対湘北高校84!白!湘北!!」
「あーーしたーー!!!」
ベンチに戻る10名の選手。
センターライン上では、安西と高頭が固い握手をしていた。
「安西先生。勝負どころで、エースの流川を交代させ、勝ってしまうとは・・・。うちは完敗でした。」
「湘北には、流川君と同等の選手がもう一人いますから。」
「・・・。」
(安西先生は、桜木に絶対の自信を寄せている・・・。
それほどまでの選手か・・・、いや、今はまだ潜在能力に賭けている感じか。)
清田はいつもどおり大きな涙をこぼしていた。
「よくやった。」
神は牧がしていたように、清田の頭を掴んだ。
「俺たちの代では、全国に出場することができなかったけど、お前たちなら、いける。信じているよ。」
「ぶぁばい。」
清田は言葉が出ない。
「すいませんでした。」
上杉が大きく頭を下げた。
床には、涙が滴っていた。
「海斗も気にしなくていいよ。勝負には勝っていた。
ただ、少しだけ、運が足りなかっただけさ。」
(そうですよね、牧さん。)
神は、牧がよく口にしていた言葉を思い出した。
(「勝負には、少なからず運も必要なんだ・・・。」)
神が湘北ベンチに足を運ぶ。
「流川。」
「んっ。」
「沢北と対戦できたらいいな。」
「一番になるだけだ。」
「頑張れよ。」
「宮城。いい後輩たちを持ったな。」
「あぁ。お互いな。」にやっ。
「そうだな。俺たちは、結局、全国にも出場も出来ず、全国制覇も叶わなかった。
夢は湘北に託すよ。そして、俺は大学で全国制覇を目指す。」
「牧のいる白金だったな。こりゃまた、お前らを倒すのに、骨が折れるぜ。ははっ。」
「宮城も推薦もらってるんだろ?」
「あぁ。県内の大学にいく予定だ。」
桜木が割り込んできた。
「リョーちん!!」
「なっ!なんだよ、花道!!」
「何、ひょろ男とこそこそしてんだよ!!」
「真面目な話だ!バカやろー!!」
「桜木は相変わらずだな。」
「ぬっ。何がだ。」
「ふっ。何でもないよ。流川とお前に、マークされて、ホントに楽しかった。ありがとうな。」
「天才にマークされて、光栄に思え!ハッハッハ!」
「偉そうに!!」
「桜木。頑張れよ!」
「おうよ!」
「ひょろ男君もな。」
3人は固い握手をした。
高校生No.1シューターの呼び声高い海南のキャプテン神宗一郎は、県予選準決勝で敗退した。
翌年、牧のいる白金学院大学に入学し、海南コンビが復活。
牧、土屋らとともに一大旋風を巻き起こすのであるが、それはまた別の話。
安西先生をそっと見つめる宮城。
(流川が交代したとき、正直、ひやっとしたけど・・・・・・。
負けるとは思わなかった・・・。
不思議だぜ・・・。
先生の驚くような言葉や選択にも、絶対の信頼を寄せている俺がいる・・・。
先生・・・。
全国制覇まで、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。)
宮城は、安西に頭を深く下げ、更なる信頼をよせるのであった。
「さっ桜・・・。」
ロッカールームに向かう桜木に声をかけようとする晴子。
「晴子ちゃん。」
「んっ??」
スコアーシートを手に持っている晴子を、彩子が止めた。
「晴子ちゃん、内緒にしておきましょう。」
「えっ?」
「桜木君が、また有頂天になったら、困りますからね。ほっほっほ。」
安西、彩子、湘北の選手たち、そこにいた全ての人が知っていた。
知らないのは、桜木のみ。
この日、桜木は、初めて、流川よりも得点を奪っていた。
(今日は、記念日だね。桜木君!)にこ。
晴子は、その言葉を大切に心にしまうのであった。
-----------------------------------------------
選抜優勝大会 県予選 準決勝
海南大附属×湘北
海南 82
湘北 84
【海南】青 82
#4 神 25P(3P 4本)
#5 真田 2P
#6 小菅 8P
#8 大泉 14P 8R
#10 清田 17P 7A(3P 2本)
#11 上杉 16P
【湘北】白 84
#4 宮城 10P 12A
#6 潮崎 2P
#7 流川 14P
#8 角田 0P
#9 柳 18P
#10 桜木 24P 13R
#14 白田 16P 9R
-----------------------------------------------
続く。