うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#110 【兄の背中】

2009-05-08 | #05 海南 選抜編
山王 24
延北 25




第2Q開始。

再び、雅史に代わり、美紀男が出場。




「美紀男、わかったな?」

「はい。監督。」

「頑張れよ。」

「ごむぇん。兄ちゃん。」

「謝るな!!」




山王オフェンスから始まる。


『ザシュ!』


深津の3Pが決まった。




「逆転だーー!!」

「不意をつく深津の3P!!」




第1Q終盤から見せた山王の勢いはとまらない。




その頃、軽いストレッチを終えた海南選手が、観客席に座る。


「あれ!?いい勝負じゃないっすか?」

「河田が出てないな。沢北は今日も出ないみたいだな。」


「いや、河田は第1Q残り2分から出場した。どうやら、今日の試合は美紀男で押し切るようだぞ。」

と後ろから声が聞こえる。

振り返るとそこには、先ほどの試合を終えた愛知メンバーが座っていた。


「おっ!諸星。」


「うっす!」

手を上げる諸星の表情は、にこやかである。


「おめでとう。」

「あんがとよ。」

牧の差し出す手をパンと弾く。


「予想外の強さだった。」

と笑う牧。

「けっ、あんなもんじゃねぇぞ。俺らは。・・・。お前らも負けるなよ。」

「あぁ。応援よろしくな。」

「ゆっくり、海南の力を見させてもらうぜ。」




『シュパ!』


延北の三浦が柳葉を抜き、ジャンプシュートを決める。




「安定感のあるジャンプシュートね。」

「あのスピードについていける選手が山王にいますかね?」

「沢北君、あるいは一之倉君のスッポンディフェンスくらいかしら。」

弥生の考えとは裏腹に、後半、柳葉が素晴らしい身体能力を披露する。




山王のオフェンス。

小刻みなパスワークから、フリーの野辺へ。


(もらった。)


『バン!』


「甘いわ!顔なが!!」

「顔なが!?」

(俺??)


野辺のシュートを、真壁がブロック。


「どっから跳んできた!?」

驚いた野辺の顔はさらに長くなっている。


「いいジャンプ力だワン。」

弾けたボールを深津がキープ。


『ビュン!』


針の穴を通すようなパスが美紀男に供給される。


「お前は俺に通用せん!!」

真壁が美紀男をマーク。


(僕だって負けないよ。監督や兄ちゃんのいうとおりにすれば、負けないんだ!)



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<<回想>>

第1Q 終盤

山王ベンチ


「見たか、美紀男?」

「はっはい。」

「河田はお前のために、敢えてああやって、周りにパスを出しているんだ。」

「僕のため?」

「お前の身長に敵うやつはそうはいない。パワーで勝るやつも少ない。
だが、スキルでは、お前以上のセンターなんてザラなんだ。」

「はい・・・。」

「そういうときは、今の河田のように、敵を引きつけて、味方にパスを出すんだ。わかるな?」

「はい。」



第1Q 終了

山王ベンチ


「ちゃんと見ていたか?」

「うん。監督に教わった。周りを活かすプレーだね。」

「そうだ。だが、逃げたパスなんか出すんじゃねぇぞ。シュートに結びつくパスを出すんだ。
まずは、柳葉を見ろ。これからあいつとは長い付き合いになるはず。
今のうちに、ゲームでの動きや癖を見極めるんだ。」

「うん。」

「次に松本、野辺。最後、どうしようもなくなったら、深津に戻せ。そして、これは、絶対忘れるな。」

「うん?」

「お前がシュートに行くという気持ちだ。必ずゴールに眼を向けろ。
シュートフェイクを入れてもかまわない。いいな?」

「うん。やってみる。」


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『ダム!』


美紀男のパワードリブルを力で防ぐ真壁。


(馬鹿力だな。だが、こいつはこれしかねぇ。)


柳葉の位置を確認しながら、振り返る美紀男。


(ここでシュートだろ!)


真壁がシュートチェックの体勢に入る。



だが、



『シュ!』



「なっパスだと!?」



逆サイドから切れ込んでくる柳葉にノールックパス。




「よし!いいぞ。」

ベンチの河田が拳を握る。




パスを受け取った柳葉がゴールを狙う。


だが、真壁がすかさずチェックに向かう。


「チビが、引っ込んでおれ!」



『ヒョイ!』


『スポ!』



柳葉は、真壁のチェックをダブルクラッチで交わし、左手でループシュートを決めた。




「よし!!」

「ナイスパス!美紀男!!ナイッシュー!柳葉!!」

山王ベンチが盛り上がる。




会場割れんばかりの声援が若き山王コンビに注がれる。




「さすが、柳葉君や!!冷静に、しかもあの真壁さんを交わしてきたで!!」

「美紀男君のあんなパス初めて見ました。」

「第1Q終盤に見せた河田君と全く同じプレーね。今の美紀男君のプレーは・・・。」

(そっか。河田君が自ら得点を奪いにいかなかったのは、
美紀男君に敵を引きつけてのパスを教えるためだったんだわ。
堂本監督も河田君も恐ろしいわね。この選抜の準々決勝という舞台を練習試合にしてしまうとは・・・。)




河田、沢北という山王三銃士の2枚を温存するも、山王は延北をじわじわと引き離しにかかる。

その原動力となったのが、柳葉敏、河田美紀男の山王1年生コンビであった。



第2Q終了


山王 53
延北 43






続く。


2 コメント

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コメントするのが日課です (ちな)
2009-05-08 10:55:02
兄弟愛ですね。
山王はほんと選手層があつい。海南かてるかなぁー
あー海南の試合がまちきれない。
応えるのが日課です (うまだんく)
2009-05-08 17:36:23
ちなさん

海南は山王に勝てますかね・・・。
いや、まだ海南が大栄に勝つと決まってませんよ(苦笑)

海南-大栄戦は、もうちょい先になります。