第4Q 5分
山王 70
海南 62
深津ー沢北ー河田のホットラインで、あっさり得点を奪う山王。
だが、再び静かなこの男が、燃え始める。
(ん!?雰囲気が変わったか・・・。)
神の変化を素早く感じ取る松本。
ボールを受け取る神。
『ドン。』
(パワードリブルか!)
神は、松本に体を接触させながら、押し入る。
更に押し込んだところで、松本が一歩引いた。
その瞬間、神もバックステップ。
やや後方に退きながら、3Pを放った。
「No.1シューター神も、残り時間と得点差に焦りを感じたか。」
と堂本。
ボールは、通常よりも高いアーチを描いている。
滞空時間の長いそのシュートは・・・、
『スポ。』
リングに触れることなく、ネットを揺らした。
「なっ!!」
驚きを隠せない堂本。
「入っちゃった。」
と美紀男。
「当然だ。」
と腕組の赤木。
「1.5m離れていても打てるんだ。少しくらい、のけぞろうがあいつは決める。
今の俺には決められねぇのは、悔しいがな。」
言葉とは裏腹に、嬉しそうな三井。
(三井といい、神といい、神奈川にはなんていうシューターがいるんだ・・・。)
汗を流す松本。
「松本!頑張れ!!」
ここにも静かな男、一之倉が声を出す。
「・・・。」
さらに静かな男、柳葉は、神のシュートフォームを真似していた。
「すげーー!!」
「あんな3P見たことねぇぞーー!!」
「ありえない!!!」
「海南粘る!ついに5点差だーー!!!」
「アンビリーバブル!!!まさに神様や!!3Pの神様やーーー!!」
「まさか、あんな体勢で決めてくるとはね。」
「普通の人は届きませんよね?それを簡単に決めちゃうんだから、神君は凄いですよ!!いやー、尊敬するな。」
「何、高校生相手に、尊敬しているのよ。」
「すっすいません。」
(でも、あの3Pに対する強気と自信は、尊敬に値するわね。)
「ナイッシュ!神さん!神さん?」
神は、沢北を一直線に見つめていた。
視線に気付く沢北。
「へっ、面白れぇ。2年のNo.1を決めよってか。」
「松本さん、俺を神につかせてください。」
「あっ、あぁ。」
「俺が沢北につく。信長は、松本について。」
「えっ。はっはい。」
オールコートマンツー、沢北には神がついた。
深津は、牧のディフェンスを交わしながら、冷静にボールを運ぶ。
(くっ、憎らしいほど冷静だ。)
『バシ!』
その深津から、3Pライン近くの沢北へ。
前には、神が立ちはだかる。
『グッ!』
腰が沈む沢北。
神は、沢北の挙動に集中し、ドライブに備える。
その瞬間、
『シュ!』
3Pを放った。
虚をつかれた神は、全く反応できなかった。
『スポ!』
「わぁぁーーー!!」
「沢北の3P--!!!!」
「何でもありじゃねぇかよーー!!」
神の額から汗が流れる。
「ドライブだけじゃないんだぜ。」にこり。
「・・・。」
(得意でもなさそうな3Pを決めてきた・・・。強いなー。)
「神さん!今のは、しょうがないっすよ。」
「うん。やり返すだけだよ。」
海南のオフェンス。
ボールを持った牧が、ペネトレイトを繰り出す。
山王のディフェンスが、一気に中に集中する。
神をケアしながら、いつでも深津のヘルプにいける体勢の沢北。
(そんな中途半端なディフェンスじゃ、神は止められないぞ!)
牧から神へのパス。
海南の必勝パターンが、勝利を呼び込む。
(わかってるぜ。それ。)
神は、ボールの中心を右手で受け、シュート体勢へ。
「タイミングバッチリ!」
勢いよくチェックに飛ぶ沢北。
だが。
『ダム!』
飛んでくる沢北をドリブルでかわし、インサイドに切れ込んだ。
(やべっ!!)
「河田さん!!」
「わかってる!!」
神の前には、ゴール下の守護神河田雅史が待ち構える。
『キュ!』
神と河田の間が詰まった瞬間、河田のタイミングをずらしたシュートを放った。
『シュ!』
「なに!?」
「あれは!?」
「あっ、俺のスクープシュート!!」
ボールは、鮮やかに河田を越え、落下する。
『ストッ。』
「神が決めたーーー!!」
「スクープシュートだーー!!」
「沢北、河田を抜いたーーー!!!」
「神がスクープシュートだと??」
目を丸くする三井。
「あいつ、いつのまに・・・。」
驚きを隠せない花形。
「ふっ、進化するシューターってところだな。」
藤真は笑った。
先ほどのお返しとばかりに、神が沢北に言葉を放つ。
「3Pだけじゃないんだよ。」にこり。
「ちっ。なんだよ。お前とも来年のこの舞台でやりたくなったぜ。」にっ。
沢北に対抗して神が、神に対抗して沢北が、そしてまた、沢北に対抗して神がシュートを決めた。
会場全体が息を飲む1分間であった。
山王 73
海南 68
続く。
山王 70
海南 62
深津ー沢北ー河田のホットラインで、あっさり得点を奪う山王。
だが、再び静かなこの男が、燃え始める。
(ん!?雰囲気が変わったか・・・。)
神の変化を素早く感じ取る松本。
ボールを受け取る神。
『ドン。』
(パワードリブルか!)
神は、松本に体を接触させながら、押し入る。
更に押し込んだところで、松本が一歩引いた。
その瞬間、神もバックステップ。
やや後方に退きながら、3Pを放った。
「No.1シューター神も、残り時間と得点差に焦りを感じたか。」
と堂本。
ボールは、通常よりも高いアーチを描いている。
滞空時間の長いそのシュートは・・・、
『スポ。』
リングに触れることなく、ネットを揺らした。
「なっ!!」
驚きを隠せない堂本。
「入っちゃった。」
と美紀男。
「当然だ。」
と腕組の赤木。
「1.5m離れていても打てるんだ。少しくらい、のけぞろうがあいつは決める。
今の俺には決められねぇのは、悔しいがな。」
言葉とは裏腹に、嬉しそうな三井。
(三井といい、神といい、神奈川にはなんていうシューターがいるんだ・・・。)
汗を流す松本。
「松本!頑張れ!!」
ここにも静かな男、一之倉が声を出す。
「・・・。」
さらに静かな男、柳葉は、神のシュートフォームを真似していた。
「すげーー!!」
「あんな3P見たことねぇぞーー!!」
「ありえない!!!」
「海南粘る!ついに5点差だーー!!!」
「アンビリーバブル!!!まさに神様や!!3Pの神様やーーー!!」
「まさか、あんな体勢で決めてくるとはね。」
「普通の人は届きませんよね?それを簡単に決めちゃうんだから、神君は凄いですよ!!いやー、尊敬するな。」
「何、高校生相手に、尊敬しているのよ。」
「すっすいません。」
(でも、あの3Pに対する強気と自信は、尊敬に値するわね。)
「ナイッシュ!神さん!神さん?」
神は、沢北を一直線に見つめていた。
視線に気付く沢北。
「へっ、面白れぇ。2年のNo.1を決めよってか。」
「松本さん、俺を神につかせてください。」
「あっ、あぁ。」
「俺が沢北につく。信長は、松本について。」
「えっ。はっはい。」
オールコートマンツー、沢北には神がついた。
深津は、牧のディフェンスを交わしながら、冷静にボールを運ぶ。
(くっ、憎らしいほど冷静だ。)
『バシ!』
その深津から、3Pライン近くの沢北へ。
前には、神が立ちはだかる。
『グッ!』
腰が沈む沢北。
神は、沢北の挙動に集中し、ドライブに備える。
その瞬間、
『シュ!』
3Pを放った。
虚をつかれた神は、全く反応できなかった。
『スポ!』
「わぁぁーーー!!」
「沢北の3P--!!!!」
「何でもありじゃねぇかよーー!!」
神の額から汗が流れる。
「ドライブだけじゃないんだぜ。」にこり。
「・・・。」
(得意でもなさそうな3Pを決めてきた・・・。強いなー。)
「神さん!今のは、しょうがないっすよ。」
「うん。やり返すだけだよ。」
海南のオフェンス。
ボールを持った牧が、ペネトレイトを繰り出す。
山王のディフェンスが、一気に中に集中する。
神をケアしながら、いつでも深津のヘルプにいける体勢の沢北。
(そんな中途半端なディフェンスじゃ、神は止められないぞ!)
牧から神へのパス。
海南の必勝パターンが、勝利を呼び込む。
(わかってるぜ。それ。)
神は、ボールの中心を右手で受け、シュート体勢へ。
「タイミングバッチリ!」
勢いよくチェックに飛ぶ沢北。
だが。
『ダム!』
飛んでくる沢北をドリブルでかわし、インサイドに切れ込んだ。
(やべっ!!)
「河田さん!!」
「わかってる!!」
神の前には、ゴール下の守護神河田雅史が待ち構える。
『キュ!』
神と河田の間が詰まった瞬間、河田のタイミングをずらしたシュートを放った。
『シュ!』
「なに!?」
「あれは!?」
「あっ、俺のスクープシュート!!」
ボールは、鮮やかに河田を越え、落下する。
『ストッ。』
「神が決めたーーー!!」
「スクープシュートだーー!!」
「沢北、河田を抜いたーーー!!!」
「神がスクープシュートだと??」
目を丸くする三井。
「あいつ、いつのまに・・・。」
驚きを隠せない花形。
「ふっ、進化するシューターってところだな。」
藤真は笑った。
先ほどのお返しとばかりに、神が沢北に言葉を放つ。
「3Pだけじゃないんだよ。」にこり。
「ちっ。なんだよ。お前とも来年のこの舞台でやりたくなったぜ。」にっ。
沢北に対抗して神が、神に対抗して沢北が、そしてまた、沢北に対抗して神がシュートを決めた。
会場全体が息を飲む1分間であった。
山王 73
海南 68
続く。