慶徳のオフェンスが失敗し、白金に先制点のチャンス。
慶徳も白金同様、マンツーマンで対応する。
マークマンは変わらない。
(「白金が勝つには、120%の牧さんが必要ですよ。前半からね。」)
仙道の言葉が、脳裏をよぎる。
(いくぞ!)
『キュ!!』
『ダム!!』
一気に駆け上がる牧。
あっという間に、ハーフライン。
だが、慶徳の戻りは速い。
相対する牧と藤真。
(牧。)
(藤真。)
『キュッ!!』
『ダムッ!!』
間髪入れない牧のドリブルに、藤真は完璧に対応した。
「おぉぉーーーー!!!」
「あれを止めたーーー!!」
「すげーーー!!!」
『キュッ!』
(次は、キラークロスオーバー!)
藤真の予測。
『ダム!ダム!』
『キュッ!!』
「!!!」
「!!」にっ。
「まただーー!!!」
「牧のキラークロスオーバーを止めたーー!!」
「藤真が凄いーーーー!!!」
「やるな。」
止められた牧は、なぜか嬉しそうであった。
「簡単にはやられるわけにはいかないからな。」
なおも、牧を攻めさせない藤真のディフェンス。
観客席で観戦している三井らも驚きの表情を浮かべている。
「藤真のやつ・・・。」
「凄いディフェンスです。」
「気合十分だ。」
攻められない牧。
だが、焦りの表情はない。
(これでお前を抜けるとは思っていない。だが、これでどうだ。)
『ダム!』
『ドン。』
「うっ。」
牧がパワードリブルで、藤真に接触。
藤真の体が、わずかに後方へ退いた。
「ファウル!」
慶徳ベンチが叫ぶ。
だが、審判は、笛を鳴らさない。
「牧が強引に攻めてきたーーー!!」
「パワー勝負だ!!」
「いけーーー!!牧ーーー!!」
「ファウルのラインを引きましたね。」
と中村。
「ったく、専門的なこというようになったのはいいけど、その勝ち誇った顔は余計よ。」
「はっはい。」
「牧め、パワー勝負に出たか。」
「深津にも、藤真にもない最高のアドバンテージ。」
「止められるPGは、そうはいない。」
と観客席の花形ら。
牧のパワードリブルが、藤真の体をわずかに退けた。
「抜いた!!」
「藤真のディフェンスを破ったーーー!!」
「牧のペネトレイトーーー!!」
(牧!!)
『ダムダム!!』
牧は、トップから果敢にリングを襲う。
並走する藤真。
神が、3Pライン外で構え、土屋が牧にあわせるような動きを見せる。
だが、牧は一人で突っ込んだ。
ゴール下の赤木を睨む牧。
(いくぞ!赤木!!)
(入れさせん!!)
『ダン!!』
フリースローライン、牧が跳んだ。
赤木は、牧のシュートを叩き落すべく、タイミングを計っている。
オーバーハンドレイアップの体勢。
『ダッ!』
牧と接触せぬように跳ぶ赤木。
牧のシュートコースに右腕を伸ばした。
完璧なブロックのタイミング。
(もらったぞ!!)
「!!」
「!!」
『グッ。』
牧は、再びボールを胸に持っていく。
「止められたーーー!!」
「赤木が止めたーー!!」
下降する牧は、跳んだ赤木の脇にわずかなスペースを見つけ、
無理な体勢からレイアップシュートを放った。
「なに!!」
(その体勢で打つか!!)
赤木は、牧のボディバランスに驚き、改めてその巧さを感じた。
「無謀だ。」
と宮城。
(いや、ぎりぎり。)
と仙道。
ボールは緩やかな回転をし、リングへ。
「打ちやがったーー!!!」
「すげーーー!!」
「さすが、牧!!!」
『コロ・・・。』
だが、ボールは、リングの根元を通り、逆サイドに流れた。
「おしい!!」
「外したーー!!!」
『バチン!!』
リバウンドは、野辺。
牧のシュートは、失敗に終わった。
『ダン。』
牧、赤木が同時に着地。
「そんなシュートは入らんぞ!」
「バスカンを狙ったつもりだったが、交わしてなおブロックにくるか。
かなり成長したようだな。赤木。」
「フン!昔の俺だと思うなよ。」
(その貪欲さ、変わらんな。牧。)
(ゴール下の威圧感は健在か。赤木。)
お互いに睨みをきかせる。
そのやりとりを後ろから見ていた藤真。
(牧のパワーとボディバランス。
やはり、この試合、あれをどこまで抑えられるかが、勝負の大きなポイントになる。
そして、準々決勝では見せなかった攻撃性。要注意だ。)
(今日は、随分と積極的やないか。)
(珍しいですね、スロースターターの牧さんが、試合早々飛ばしていくなんて。)
(「白金が勝つには、120%の牧さんが必要ですよ。前半からね。」 )
仙道の言葉を再び思い返す牧。
「土屋!神!ガンガン攻めるぞ!」
「おう!」
「はい。」
両校、最初のオフェンスで、得点をあげることはできなかった。
そして、ここから3分。
電光掲示板の0の数字は、変わることはなかった。
続く。
慶徳も白金同様、マンツーマンで対応する。
マークマンは変わらない。
(「白金が勝つには、120%の牧さんが必要ですよ。前半からね。」)
仙道の言葉が、脳裏をよぎる。
(いくぞ!)
『キュ!!』
『ダム!!』
一気に駆け上がる牧。
あっという間に、ハーフライン。
だが、慶徳の戻りは速い。
相対する牧と藤真。
(牧。)
(藤真。)
『キュッ!!』
『ダムッ!!』
間髪入れない牧のドリブルに、藤真は完璧に対応した。
「おぉぉーーーー!!!」
「あれを止めたーーー!!」
「すげーーー!!!」
『キュッ!』
(次は、キラークロスオーバー!)
藤真の予測。
『ダム!ダム!』
『キュッ!!』
「!!!」
「!!」にっ。
「まただーー!!!」
「牧のキラークロスオーバーを止めたーー!!」
「藤真が凄いーーーー!!!」
「やるな。」
止められた牧は、なぜか嬉しそうであった。
「簡単にはやられるわけにはいかないからな。」
なおも、牧を攻めさせない藤真のディフェンス。
観客席で観戦している三井らも驚きの表情を浮かべている。
「藤真のやつ・・・。」
「凄いディフェンスです。」
「気合十分だ。」
攻められない牧。
だが、焦りの表情はない。
(これでお前を抜けるとは思っていない。だが、これでどうだ。)
『ダム!』
『ドン。』
「うっ。」
牧がパワードリブルで、藤真に接触。
藤真の体が、わずかに後方へ退いた。
「ファウル!」
慶徳ベンチが叫ぶ。
だが、審判は、笛を鳴らさない。
「牧が強引に攻めてきたーーー!!」
「パワー勝負だ!!」
「いけーーー!!牧ーーー!!」
「ファウルのラインを引きましたね。」
と中村。
「ったく、専門的なこというようになったのはいいけど、その勝ち誇った顔は余計よ。」
「はっはい。」
「牧め、パワー勝負に出たか。」
「深津にも、藤真にもない最高のアドバンテージ。」
「止められるPGは、そうはいない。」
と観客席の花形ら。
牧のパワードリブルが、藤真の体をわずかに退けた。
「抜いた!!」
「藤真のディフェンスを破ったーーー!!」
「牧のペネトレイトーーー!!」
(牧!!)
『ダムダム!!』
牧は、トップから果敢にリングを襲う。
並走する藤真。
神が、3Pライン外で構え、土屋が牧にあわせるような動きを見せる。
だが、牧は一人で突っ込んだ。
ゴール下の赤木を睨む牧。
(いくぞ!赤木!!)
(入れさせん!!)
『ダン!!』
フリースローライン、牧が跳んだ。
赤木は、牧のシュートを叩き落すべく、タイミングを計っている。
オーバーハンドレイアップの体勢。
『ダッ!』
牧と接触せぬように跳ぶ赤木。
牧のシュートコースに右腕を伸ばした。
完璧なブロックのタイミング。
(もらったぞ!!)
「!!」
「!!」
『グッ。』
牧は、再びボールを胸に持っていく。
「止められたーーー!!」
「赤木が止めたーー!!」
下降する牧は、跳んだ赤木の脇にわずかなスペースを見つけ、
無理な体勢からレイアップシュートを放った。
「なに!!」
(その体勢で打つか!!)
赤木は、牧のボディバランスに驚き、改めてその巧さを感じた。
「無謀だ。」
と宮城。
(いや、ぎりぎり。)
と仙道。
ボールは緩やかな回転をし、リングへ。
「打ちやがったーー!!!」
「すげーーー!!」
「さすが、牧!!!」
『コロ・・・。』
だが、ボールは、リングの根元を通り、逆サイドに流れた。
「おしい!!」
「外したーー!!!」
『バチン!!』
リバウンドは、野辺。
牧のシュートは、失敗に終わった。
『ダン。』
牧、赤木が同時に着地。
「そんなシュートは入らんぞ!」
「バスカンを狙ったつもりだったが、交わしてなおブロックにくるか。
かなり成長したようだな。赤木。」
「フン!昔の俺だと思うなよ。」
(その貪欲さ、変わらんな。牧。)
(ゴール下の威圧感は健在か。赤木。)
お互いに睨みをきかせる。
そのやりとりを後ろから見ていた藤真。
(牧のパワーとボディバランス。
やはり、この試合、あれをどこまで抑えられるかが、勝負の大きなポイントになる。
そして、準々決勝では見せなかった攻撃性。要注意だ。)
(今日は、随分と積極的やないか。)
(珍しいですね、スロースターターの牧さんが、試合早々飛ばしていくなんて。)
(「白金が勝つには、120%の牧さんが必要ですよ。前半からね。」 )
仙道の言葉を再び思い返す牧。
「土屋!神!ガンガン攻めるぞ!」
「おう!」
「はい。」
両校、最初のオフェンスで、得点をあげることはできなかった。
そして、ここから3分。
電光掲示板の0の数字は、変わることはなかった。
続く。