山王 6
延北 15
『ドン!』
パワードリブルで、山王ゴールを襲う真壁。
(この人、凄い力・・・。)
『ザシュ!』
美紀男の上から、ゴールを決める。
「こらー!美紀男!もっと、腰を落とせ。力で負けるな!!」
「ごむぇん。兄ちゃん。」
「河田。はよ、出てこんかい。取り返しのつかないことになるぜ!」
「・・・。」
「焦るな。もっと美紀男に経験させてやろう。」
「はい。」
普段は余裕に構えている河田だが、美紀男のことになると、平常心を失うことが度々あった。
そのせいもあり、河田はイライラが募っていた。
だが、
『ザシュ!』
松本の鋭いパスを美紀男がゴールに押し込んだ。
「くそ!1年坊が!!」
「よし!いいぞ!美紀男!!」
「ごむぇん。兄ちゃん。」
「謝るな!さぁ、ディフェンスだ!!」
「うん。」
『バシ!』
SG東山から、C真壁にボールが渡る。
「また真壁さんや!」
「延北は、真壁君で押してきているわ。河田君を引きずりだすつもりね。」
(この人は、パワータイプ。腰を落として、構えれば、僕だって負けやしない。)
『グッ!』
(こっこいつ、力負けしなくなった。)
「いいぞ!美紀男!!」
河田が叫ぶ。
「毎日、お前を相手にしているんだ。そこらへんのやつに、負けてもらったら困るな。」
「えぇ。美紀男のパワーに勝てるやつもそうはいません。」
だが、
「だから、あめぇんだよ!1年坊は!!」
(えっ!?)
「何!?」
「巧い!!」
延北ベンチからも声が飛んだ。
『スポッ!』
C真壁の綺麗なフェイダウェイが決まった。
「あいつ、口だけじゃないっすね。」
「顔に似合わず、堅実なプレイヤーだな。」
「ナイッシュ!真壁!!真壁!!」
この真壁のフェイダウェイをきっかけに、延北が一気に勢いにのる。
「ダメだ!河田弟は、完全に真壁に押さえられている!!」
「河田を出せ!!」
「行けーーー!真壁!いいぞーー!!」
「沢北だ!沢北も出せ!」
「河田。準備はいいか?」
「えぇ。美紀男もよくやりましたが、真壁は、その上をいくセンターです。」
「よし。手本を見せてやれ!!」
『パン!』
河田の腰を叩き、堂本がコートに送り出す。
「ぶしっ!!!」
「キターー!!河田兄だーー!!」
「高校最強センター登場だ!!」
「きたで!きたで!猿人類最強センター河田さんのおでましや!!」
カチカチカチカチ、意味もなくシャーペンをいじる彦一のテンションは、最高点に達しようとしている。
「さぁ。真壁君にとって、ここからが本当の戦いね。」
「美紀男!」
「ごむぇん・・・。」
「よくやった。また出番があるから、試合から眼をそらすなよ。」
「うっうん。」
「けっ、ようやく出てきやがった。」
「ふー。」
少しだけほっとした表情を見せる深津。
「河田、ゴール下は任せたワン。」
「おう!さぁ、仕切りなおしだ。」
山王 11
延北 23
第1Qも残り2分をきったところで、堂本は河田を投入する。
「美紀男、兄のプレーをよく見てろよ。」
「はっはい。」
山王のオフェンス。
柳葉から、ローポストの河田にボールが渡る。
「来い!河田!!」
「・・・。」
真壁が河田にへばりつく。
PF鮎川も河田に詰め寄る。
『シュ!』
「なっ!?」
ボールは、ノールックでフリーの野辺に渡る。
『シュパ!』
「いいぞ!野辺。」
「ナイスパス。」
「こらぁー!河田、何逃げとんじゃー!勝負しろや!!」
「・・・。」
河田は、真壁を一瞥し、ディフェンスの位置につく。
延北のオフェンス。
SF島田がシュートを外した。
野辺がPF鮎川をしっかりスクリーンアウト。
河田は真壁とのリバウンド真っ向勝負を選んだ。
「とってやるぜ!!」
「ふん!!」
『ガシィ!!!』
ボールを奪ったのは、河田。
「ぶはっ!まだまだだ。」
「何だとーー!!」
ボールは、河田からオーバーハンドで前を走る柳葉へ。
『シュパ。』
レイアップを決めた。
続く、延北はターンオーバー。
河田の出場により、リズムが狂っていた。
山王のオフェンス。
再び、河田にボールが渡る。
真壁が構え、鮎川は河田と野辺両方をケアしている。
『キュ!』
河田は、真壁を背に高速スピンムーブを繰り出す。
(それは、研究済みだ!)
真壁が後ろからシュートブロックに跳ぶ。
『ビュン!』
河田は、松本とスクリーンプレーによってフリーとなっていた柳葉にパスを放つ。
『シュパ!』
「柳葉の3P!」
「河田が入って一気に7点取ったぞ!!」
「さすが、河田だーー!!」
結局、河田は自らが得点を奪うことなく、スクリーンや囮となって、
味方のオープンスペースを作り出し、試合を支配した。
第1Q 出場2分 0得点ではあったが、河田雅史の圧倒的な支配力に、
会場は河田の存在感の凄まじさを感じることとなった。
山王 24
延北 25
続く。
延北 15
『ドン!』
パワードリブルで、山王ゴールを襲う真壁。
(この人、凄い力・・・。)
『ザシュ!』
美紀男の上から、ゴールを決める。
「こらー!美紀男!もっと、腰を落とせ。力で負けるな!!」
「ごむぇん。兄ちゃん。」
「河田。はよ、出てこんかい。取り返しのつかないことになるぜ!」
「・・・。」
「焦るな。もっと美紀男に経験させてやろう。」
「はい。」
普段は余裕に構えている河田だが、美紀男のことになると、平常心を失うことが度々あった。
そのせいもあり、河田はイライラが募っていた。
だが、
『ザシュ!』
松本の鋭いパスを美紀男がゴールに押し込んだ。
「くそ!1年坊が!!」
「よし!いいぞ!美紀男!!」
「ごむぇん。兄ちゃん。」
「謝るな!さぁ、ディフェンスだ!!」
「うん。」
『バシ!』
SG東山から、C真壁にボールが渡る。
「また真壁さんや!」
「延北は、真壁君で押してきているわ。河田君を引きずりだすつもりね。」
(この人は、パワータイプ。腰を落として、構えれば、僕だって負けやしない。)
『グッ!』
(こっこいつ、力負けしなくなった。)
「いいぞ!美紀男!!」
河田が叫ぶ。
「毎日、お前を相手にしているんだ。そこらへんのやつに、負けてもらったら困るな。」
「えぇ。美紀男のパワーに勝てるやつもそうはいません。」
だが、
「だから、あめぇんだよ!1年坊は!!」
(えっ!?)
「何!?」
「巧い!!」
延北ベンチからも声が飛んだ。
『スポッ!』
C真壁の綺麗なフェイダウェイが決まった。
「あいつ、口だけじゃないっすね。」
「顔に似合わず、堅実なプレイヤーだな。」
「ナイッシュ!真壁!!真壁!!」
この真壁のフェイダウェイをきっかけに、延北が一気に勢いにのる。
「ダメだ!河田弟は、完全に真壁に押さえられている!!」
「河田を出せ!!」
「行けーーー!真壁!いいぞーー!!」
「沢北だ!沢北も出せ!」
「河田。準備はいいか?」
「えぇ。美紀男もよくやりましたが、真壁は、その上をいくセンターです。」
「よし。手本を見せてやれ!!」
『パン!』
河田の腰を叩き、堂本がコートに送り出す。
「ぶしっ!!!」
「キターー!!河田兄だーー!!」
「高校最強センター登場だ!!」
「きたで!きたで!猿人類最強センター河田さんのおでましや!!」
カチカチカチカチ、意味もなくシャーペンをいじる彦一のテンションは、最高点に達しようとしている。
「さぁ。真壁君にとって、ここからが本当の戦いね。」
「美紀男!」
「ごむぇん・・・。」
「よくやった。また出番があるから、試合から眼をそらすなよ。」
「うっうん。」
「けっ、ようやく出てきやがった。」
「ふー。」
少しだけほっとした表情を見せる深津。
「河田、ゴール下は任せたワン。」
「おう!さぁ、仕切りなおしだ。」
山王 11
延北 23
第1Qも残り2分をきったところで、堂本は河田を投入する。
「美紀男、兄のプレーをよく見てろよ。」
「はっはい。」
山王のオフェンス。
柳葉から、ローポストの河田にボールが渡る。
「来い!河田!!」
「・・・。」
真壁が河田にへばりつく。
PF鮎川も河田に詰め寄る。
『シュ!』
「なっ!?」
ボールは、ノールックでフリーの野辺に渡る。
『シュパ!』
「いいぞ!野辺。」
「ナイスパス。」
「こらぁー!河田、何逃げとんじゃー!勝負しろや!!」
「・・・。」
河田は、真壁を一瞥し、ディフェンスの位置につく。
延北のオフェンス。
SF島田がシュートを外した。
野辺がPF鮎川をしっかりスクリーンアウト。
河田は真壁とのリバウンド真っ向勝負を選んだ。
「とってやるぜ!!」
「ふん!!」
『ガシィ!!!』
ボールを奪ったのは、河田。
「ぶはっ!まだまだだ。」
「何だとーー!!」
ボールは、河田からオーバーハンドで前を走る柳葉へ。
『シュパ。』
レイアップを決めた。
続く、延北はターンオーバー。
河田の出場により、リズムが狂っていた。
山王のオフェンス。
再び、河田にボールが渡る。
真壁が構え、鮎川は河田と野辺両方をケアしている。
『キュ!』
河田は、真壁を背に高速スピンムーブを繰り出す。
(それは、研究済みだ!)
真壁が後ろからシュートブロックに跳ぶ。
『ビュン!』
河田は、松本とスクリーンプレーによってフリーとなっていた柳葉にパスを放つ。
『シュパ!』
「柳葉の3P!」
「河田が入って一気に7点取ったぞ!!」
「さすが、河田だーー!!」
結局、河田は自らが得点を奪うことなく、スクリーンや囮となって、
味方のオープンスペースを作り出し、試合を支配した。
第1Q 出場2分 0得点ではあったが、河田雅史の圧倒的な支配力に、
会場は河田の存在感の凄まじさを感じることとなった。
山王 24
延北 25
続く。
また今日からブログ楽しみです
まだ一年生だから、もっと強くなるんだろうな。
連休もおわり、楽しみはこのブログです。
連休あけもよろしくです
お久しぶりです。
やはり、山王は毎年優勝候補という位置付けに置くためには、各世代でエースがいないと・・・。そうなると、自ずとベンチ層が厚くなりますね。
今後も楽しみにしていてください。
ちなさん
三銃士が抜ける来年は、美紀男にかかっている!?といっても過言ではないので、彼をここで、ある程度成長させなければと思いまして。
今後もよろしくです。