5月。
「足を動かせ!そんなんじゃ、海南にも陵南にも勝てないぞ!!」
「こらー!!桜木花道!!ディフェンスをサボるな!!」
「シオ!流川に簡単に抜かれるな!!」
GWに入り、湘北バスケ部は、練習にもいつも以上に力が入っていた。
理由その1。
IHの県予選の対戦相手が決定したこと。
昨年、第2位で全国出場を果たした湘北は、今年はスーパーシードとなり、ベスト8からのスタートとなる。
Aブロック 海南大附属高校
Bブロック 陵南高校
Cブロック 湘北高校
Dブロック 翔陽高校
対戦相手は不確定だが、全国大会への切符は、この4強で争われると思われる。
理由その2。
GW最終日に行われる紅白戦において、ベンチ入り(Aチーム)が決定されること。
上級生はもちろん、1年生にもチャンスがあったため、
チームは最高のコンディションで練習が行われていた。
また、問題視されていた上級生と1年生との確執も概ね解消されていた。
柳は、初日以来、宮城との距離を確実に縮めている。
(あの人、ホントに速い。スピードキングも伊達じゃない・・・。)
(柳のやつ、だいぶPGらしい動きになってきやがった。ヤスもうかうかしてられねぇな。
だが、やっぱり、あいつは・・・。)
-----------------------------------------------------------------------
<<回想>>
4月下旬。
「安西先生。」
「ん。なんだね、宮城君?」
「柳はやっぱりSGをやらせたほうがよろしいんじゃないかと。」
「どうしてだね?」
「三井さんの抜けた穴は大きい。柳の実力なら、予選までには、十分スタメンで使えると思います。」
「つまり、宮城君は柳君の実力を認めた上で、自分のポジションが取られるかもしれないから、
SGにしろということですか?」
「なっ!!そういうわけでは・・・。」
「なら、彼はPGです。ドリブルのスキルは、相当高い。
あとは、味方とのコンビネーションができ、パスが出せるようになれば、いいPGになれます。」
-----------------------------------------------------------------------
(ちくしょう!安西先生は、何を考えているんだ!!)
一方。
桜木と白田はというと。
-----------------------------------------------------------------------
<<回想>>
4月中旬。
「桜木君、白田君、角田君、こっちへ。」
「ぬっ!なんだ、オヤジ?」
「はい。」
「ゴール下は、君たち3人で死守するのです。
特に桜木君は、赤木君の意思を受け継ぎ、しっかり守ってください。」
「もちろんだ!オヤジ!!ハッハッハ!」
と笑いながら、桜木は練習に戻った。
「角田君、君はジャンプシュートを強化して下さい。
練習終了後、毎日200本、打つこと。いいですね?」
「はい。」
「PFの研究も忘れないように。」
「あっ、はい・・・。」
(PF転向か・・・。)
安西の一言により、角田はPFへとコンバートされた。
全国を勝ち抜く上で、185cmの角田では、センターを務めることは困難であると判断したためである。
妥当な判断であった。
「白田君、君の実力、体格は、すでに高校生レベルといっていい。」
「ありがとうございます。」
「君は、器用なタイプのようですし、PFでも十分通用するでしょう。」
「えっ!?角田先輩みたいに、俺もPF転向ですか?」
「いや。白田君には両方やってもらいます。
桜木君は常に不安定な状態です。いつ、コートから去るかわかりません。
そのとき、ゴール下を任せられるのは、君しかいません。」
「はっはい!」
「オフェンス面においても、今のスタイルで問題ありません。
ですが、ディフェンス面となると、跳躍力や威圧感、ポジション取り、どれをとっても、
現状は桜木君のほうが上です。」
「つまり、ディフェンスの強化ですね。」
「その通りです。白田君は、PF、Cもこなせるマルチな選手になってもらいます。わかりましたね?」
「はい!!!頑張ります!!」
「それと、もう一つ。」
「もう一つ?」
「桜木君を慕ってください。今は形でかまいません。
そのうち、彼の本当の良さが白田君にもわかると思います。
そのときは、心から桜木君を慕ってください。ほっほっほ。」
「わっわかりました。」
「桜木先輩!これから、ゴール下の指導お願いします。」
「ぬっ。なんだ、貴様!いきなり、態度が変わりおって。」
「安西先生に桜木先輩の凄さを聞きました。俺も感心しました。」
「ほうーー。それは、オヤジもいい仕事したな。
ふむ。スジはいいようだな。よし、これに免じて、今までの無礼は全て流そう。」
「ありがたき幸せ。」
(こっこんなんでいいのか・・・?)
「君、名前は?」
「白田豊です。」
(覚えていないのかよ!!)
「ふむ。ジャイアント白田!長すぎるか?ホワイト!外人みたいだな?」
「桜木さん、何を?」
「君のあだ名だ。いいのをつけてやる。ハッハッハ!」
(白田でいいよ・・・。)
5分後・・・。
「決まったぞ!白田君。」
「・・・。」
「ハクタスだ!」
「ハクタス???」
「しろた・・・。はくた・・・。ハクタス・・・。我ながら、ナイスネーミング。ハッハッハ!」
「ハクタス・・・。」
(まぁ、キツネよりはいいか。)
こうして、白田のあだ名が決まったのであった。
-----------------------------------------------------------------------
続く。
「足を動かせ!そんなんじゃ、海南にも陵南にも勝てないぞ!!」
「こらー!!桜木花道!!ディフェンスをサボるな!!」
「シオ!流川に簡単に抜かれるな!!」
GWに入り、湘北バスケ部は、練習にもいつも以上に力が入っていた。
理由その1。
IHの県予選の対戦相手が決定したこと。
昨年、第2位で全国出場を果たした湘北は、今年はスーパーシードとなり、ベスト8からのスタートとなる。
Aブロック 海南大附属高校
Bブロック 陵南高校
Cブロック 湘北高校
Dブロック 翔陽高校
対戦相手は不確定だが、全国大会への切符は、この4強で争われると思われる。
理由その2。
GW最終日に行われる紅白戦において、ベンチ入り(Aチーム)が決定されること。
上級生はもちろん、1年生にもチャンスがあったため、
チームは最高のコンディションで練習が行われていた。
また、問題視されていた上級生と1年生との確執も概ね解消されていた。
柳は、初日以来、宮城との距離を確実に縮めている。
(あの人、ホントに速い。スピードキングも伊達じゃない・・・。)
(柳のやつ、だいぶPGらしい動きになってきやがった。ヤスもうかうかしてられねぇな。
だが、やっぱり、あいつは・・・。)
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<<回想>>
4月下旬。
「安西先生。」
「ん。なんだね、宮城君?」
「柳はやっぱりSGをやらせたほうがよろしいんじゃないかと。」
「どうしてだね?」
「三井さんの抜けた穴は大きい。柳の実力なら、予選までには、十分スタメンで使えると思います。」
「つまり、宮城君は柳君の実力を認めた上で、自分のポジションが取られるかもしれないから、
SGにしろということですか?」
「なっ!!そういうわけでは・・・。」
「なら、彼はPGです。ドリブルのスキルは、相当高い。
あとは、味方とのコンビネーションができ、パスが出せるようになれば、いいPGになれます。」
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(ちくしょう!安西先生は、何を考えているんだ!!)
一方。
桜木と白田はというと。
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<<回想>>
4月中旬。
「桜木君、白田君、角田君、こっちへ。」
「ぬっ!なんだ、オヤジ?」
「はい。」
「ゴール下は、君たち3人で死守するのです。
特に桜木君は、赤木君の意思を受け継ぎ、しっかり守ってください。」
「もちろんだ!オヤジ!!ハッハッハ!」
と笑いながら、桜木は練習に戻った。
「角田君、君はジャンプシュートを強化して下さい。
練習終了後、毎日200本、打つこと。いいですね?」
「はい。」
「PFの研究も忘れないように。」
「あっ、はい・・・。」
(PF転向か・・・。)
安西の一言により、角田はPFへとコンバートされた。
全国を勝ち抜く上で、185cmの角田では、センターを務めることは困難であると判断したためである。
妥当な判断であった。
「白田君、君の実力、体格は、すでに高校生レベルといっていい。」
「ありがとうございます。」
「君は、器用なタイプのようですし、PFでも十分通用するでしょう。」
「えっ!?角田先輩みたいに、俺もPF転向ですか?」
「いや。白田君には両方やってもらいます。
桜木君は常に不安定な状態です。いつ、コートから去るかわかりません。
そのとき、ゴール下を任せられるのは、君しかいません。」
「はっはい!」
「オフェンス面においても、今のスタイルで問題ありません。
ですが、ディフェンス面となると、跳躍力や威圧感、ポジション取り、どれをとっても、
現状は桜木君のほうが上です。」
「つまり、ディフェンスの強化ですね。」
「その通りです。白田君は、PF、Cもこなせるマルチな選手になってもらいます。わかりましたね?」
「はい!!!頑張ります!!」
「それと、もう一つ。」
「もう一つ?」
「桜木君を慕ってください。今は形でかまいません。
そのうち、彼の本当の良さが白田君にもわかると思います。
そのときは、心から桜木君を慕ってください。ほっほっほ。」
「わっわかりました。」
「桜木先輩!これから、ゴール下の指導お願いします。」
「ぬっ。なんだ、貴様!いきなり、態度が変わりおって。」
「安西先生に桜木先輩の凄さを聞きました。俺も感心しました。」
「ほうーー。それは、オヤジもいい仕事したな。
ふむ。スジはいいようだな。よし、これに免じて、今までの無礼は全て流そう。」
「ありがたき幸せ。」
(こっこんなんでいいのか・・・?)
「君、名前は?」
「白田豊です。」
(覚えていないのかよ!!)
「ふむ。ジャイアント白田!長すぎるか?ホワイト!外人みたいだな?」
「桜木さん、何を?」
「君のあだ名だ。いいのをつけてやる。ハッハッハ!」
(白田でいいよ・・・。)
5分後・・・。
「決まったぞ!白田君。」
「・・・。」
「ハクタスだ!」
「ハクタス???」
「しろた・・・。はくた・・・。ハクタス・・・。我ながら、ナイスネーミング。ハッハッハ!」
「ハクタス・・・。」
(まぁ、キツネよりはいいか。)
こうして、白田のあだ名が決まったのであった。
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続く。