準々決勝 第1試合
愛和学院 102
浦安工業 73
【愛和学院】
諸星 大 43P 3R 9A 3S
【浦安工業】
市原 朝日 26P 5R 3A
実力伯仲とみられていた愛和学院と浦安工業の準々決勝 第1試合は、愛和学院が圧勝した。
29点差・・・。
予想外の得点差に会場にいた他校の選手、関係者、観客たちはただただ唖然としていた。
「愛和すげーぞ!」
「諸星がヤバすぎる!」
愛和の勝因は、何といっても愛知の星、諸星の活躍であった。
前半に奪った得点は、11点。
市原に抑えられる形であったが、後半に入るとギアチェンジ。
瞬く間に、試合の主導権を握り、試合終了までに積み重ねた得点は、43点となっていた。
かたや、浦安の敗因は、市原の犯した2つのオフェンスファウル。
勝負どころで勢いを失うこととなった痛恨のオフェンスファウルを演出したのは、愛知の虎と翼の2年生コンビであった。
チームの勝敗、個人スタッツ、試合における存在感、どれをとっても
『将来の日本No.1SG前哨戦』は、諸星に軍配があがる形となった。
だが、No.1SGの勝負は続く。
更なるライバルが現れ、大学バスケ界というステージに舞台を変えて、なお一層の混戦模様となっていく。
第1試合の興奮さめやらない東京体育館が、更にヒートアップする。
優勝候補の最右翼といわれる山王工業の登場である。
「1!2!3!連覇ーーー!!!」
「1!2!3!ノオーーー!!!」
「1!2!3!連覇ーーー!!!」
「1!2!3!ノオーーー!!!」
ベンチさえ座れない山王選手のユニークな応援が会場に響き渡る。
「山王待ってたぞーー!!」
「沢北!今日こそ、出て来い!!」
「今日も100点ゲームだ!!」
観客の声援は、9割以上が山王を応援する声である。
「どいつもこいつも山王、山王ってうるさいんじゃ!なぁ、公平?」
「あー全くじゃ!観客も山王も俺たちがだまらしたる!!」
先にコートに現れたのは、延北商業高校。
全国大会初出場の宮崎県の新鋭校であったが、九州大会では、九州の雄・博多商大附属と対等に渡り合ったとして、
また、3回戦で強豪校常誠を破ったとして、その評価は、鰻登りとなっていた。
先頭を歩くのは、#4をつけた200cmのC真壁香。
香という女性らしい名前とは違い、猿人系の顔をしている。
「どうして、センターの人って、あぁゴリラ系が多いんでしょうか?
河田君でしょ?赤木君でしょ?えーっと魚住君でしょ?洛安の瀧川君もそうでしたね?あと・・・。」
記者席の中村は、ゴリラ系のセンターを指折り数えている。
「類人猿最強センター決定戦ってゆうのは、どうや!姉ちゃん!!」
「却下よ。」
「ええーと思ったんやけどな・・・。」
少しだけしょんぼりする彦一の横で、弥生がノートに書き留める。
(類人猿最強センター・・・。使えそうやな。)
真壁の後ろを歩くのは、171cmのスピードガードことポイントガードの三浦公平。
茶色い髪を流し、大きな眼をしている。
「三浦君は女性ファンが多そうですね。」
「真壁君とは正反対やな。」
そして、なお一層の声援が沸いた。
「キターーー!!山王だ!!」
「沢北がすでにユニホームだ!」
「今日は沢北を見れるぞ!!」
会場にいる多くの人が見つめるその先には、背番号9の数字。
ジャージを履き、上はユニホーム姿の沢北栄治を見つめている。
「やっぱり、気に入らないワン。」
「あぁ。」
深津と河田は、声援を一身に受ける沢北に嫉妬している。
(仕方ないっすよ。山王のエースであり、日本のエースですから。)
にやける沢北にボールが飛んでくる。
「いてっ!」
「何が日本のエースだ。」
「うっそっ!俺は何もいってないっすよっ。」
「顔に書いてあるワン。」
(なんなんだ、この人たちは・・・。神通力にも磨きがかかっている。)
いやな汗を流す沢北であった。
両校がベンチで作戦の最終確認をしている。
「実力は未知数だが、博多と競った実績は評価できる。油断できない相手だ。」
堂本が選手に気合を入れる。
「スタメンは、昨夜のとおり。三浦と真壁には注意していけ。」
「はい!」
「さぁ、山王をぶっ倒すぞ!いくぞ!!」
「おう!!」
両校のスタメンが、コートに現れた。
「なんだよーー!やっぱり、沢北はいねぇーじゃねーか!!」
「おいおい、河田までいねぇぞーー!!」
「せっかく、山王三銃士を見にきたのにーー!!」
「ナメてんのか!?深津!」
真壁の機嫌は悪い。
「なめてないワン。」
「俺たちをなめてたら痛いめみるぞ!すぐに河田と沢北を引き吊り出してやる!!」
山王のスタメンは、深津、松本、野辺、そして1年生の柳葉と河田弟であった。
-----------------------------------------------------------------------
<<回想>>
全国大会の始まる1週間前、山王工業体育館。
「9割9分治ったとはいえ、1分の不安があるのなら、監督として沢北に負担をかけるわけにはいかない。
選抜の全国大会における沢北の出場時間は、準決勝の10分と決勝の20分のみだ。」
「もう大丈夫っすよ!!練習を見ていて、監督もわかるでしょ!?」
「あぁ。わかっている。だが、日本の将来を背負うお前に、何らかのトラブルがあってはいけない。」
「お前がいなくても、俺たちは優勝する。」
「そっそんな河田さん・・・。」
「柳葉も成長した。もうお前の出番はないワン。」
「ふっ深津さんまで・・・。松本さん、何かいってくださいよ!」
「安心しろ。俺たちは、必ず決勝までいく。」
「勝負どころで、お前の力が必要になる。そのときに、爆発してくれればいい。」
「野辺さん・・・。嬉しっす。おい!柳葉!どこか痛くなったら、すぐ俺にいえよ!!」
『ドガァ!』
「後輩に当たるな!」
「俺、怪我人っすよ!蹴らないでくださいよ・・・。」
(大切にされているのか、されていないのか、わからないよ、まったく・・・。)
沢北の眼には、涙がたまっていた。
IH終了後、3ヶ月間のアメリカ短期留学をしていた沢北は、
屈強なアメリカ人高校プレイヤーを相手に果敢に1on1をしかけ、スキルを磨いていた。
スキル、スピードでは、地元の選手に勝ることもあったが、唯一どうしても勝てない部分があった。
それが、体格であった。
1年生より、河田を相手にプレーをしていたこともあり、体格差を克服できる自信はあったが、留学して改めて感じた。
(筋肉の張りが違う・・・。)
ドライブでディフェンダーを抜こうが、ゴール下では、幾度となく、吹っ飛ばされた。
負けず嫌いの沢北は、体格差を克服するために、ウェイトトレーニングにも力を入れた。
1on1同様に、がむしゃらに肉体改造を行った。
その結果が・・・、大腿部の肉離れであった。
幸い軽度ではあったが、過度のトレーニング、言葉の通じない、
コミュニケーション不足のなかで起こった予期せぬトラブルであった。
現地でも治療も行い、帰国後も治療に専念、12月上旬には、8割の回復を見せていた。
だが、堂本が選択した答えは・・・
選抜は30分間のみの出場であった。
日本の至宝を守るために。
-----------------------------------------------------------------------
河田をスタメンから外した理由は、今後の山王工業を支えることになるであろう
1年生の柳葉と河田弟の試合の中でのみで生まれる連携プレーの経験値向上であった。
深津や松本らとともに出場すれば、多少のミスもカバーできる。
堂本はそう考えていた。
そして、第2試合のジャンプボールが、放たれた。
準々決勝 第2試合
山王工業 × 延北商業
続く。
愛和学院 102
浦安工業 73
【愛和学院】
諸星 大 43P 3R 9A 3S
【浦安工業】
市原 朝日 26P 5R 3A
実力伯仲とみられていた愛和学院と浦安工業の準々決勝 第1試合は、愛和学院が圧勝した。
29点差・・・。
予想外の得点差に会場にいた他校の選手、関係者、観客たちはただただ唖然としていた。
「愛和すげーぞ!」
「諸星がヤバすぎる!」
愛和の勝因は、何といっても愛知の星、諸星の活躍であった。
前半に奪った得点は、11点。
市原に抑えられる形であったが、後半に入るとギアチェンジ。
瞬く間に、試合の主導権を握り、試合終了までに積み重ねた得点は、43点となっていた。
かたや、浦安の敗因は、市原の犯した2つのオフェンスファウル。
勝負どころで勢いを失うこととなった痛恨のオフェンスファウルを演出したのは、愛知の虎と翼の2年生コンビであった。
チームの勝敗、個人スタッツ、試合における存在感、どれをとっても
『将来の日本No.1SG前哨戦』は、諸星に軍配があがる形となった。
だが、No.1SGの勝負は続く。
更なるライバルが現れ、大学バスケ界というステージに舞台を変えて、なお一層の混戦模様となっていく。
第1試合の興奮さめやらない東京体育館が、更にヒートアップする。
優勝候補の最右翼といわれる山王工業の登場である。
「1!2!3!連覇ーーー!!!」
「1!2!3!ノオーーー!!!」
「1!2!3!連覇ーーー!!!」
「1!2!3!ノオーーー!!!」
ベンチさえ座れない山王選手のユニークな応援が会場に響き渡る。
「山王待ってたぞーー!!」
「沢北!今日こそ、出て来い!!」
「今日も100点ゲームだ!!」
観客の声援は、9割以上が山王を応援する声である。
「どいつもこいつも山王、山王ってうるさいんじゃ!なぁ、公平?」
「あー全くじゃ!観客も山王も俺たちがだまらしたる!!」
先にコートに現れたのは、延北商業高校。
全国大会初出場の宮崎県の新鋭校であったが、九州大会では、九州の雄・博多商大附属と対等に渡り合ったとして、
また、3回戦で強豪校常誠を破ったとして、その評価は、鰻登りとなっていた。
先頭を歩くのは、#4をつけた200cmのC真壁香。
香という女性らしい名前とは違い、猿人系の顔をしている。
「どうして、センターの人って、あぁゴリラ系が多いんでしょうか?
河田君でしょ?赤木君でしょ?えーっと魚住君でしょ?洛安の瀧川君もそうでしたね?あと・・・。」
記者席の中村は、ゴリラ系のセンターを指折り数えている。
「類人猿最強センター決定戦ってゆうのは、どうや!姉ちゃん!!」
「却下よ。」
「ええーと思ったんやけどな・・・。」
少しだけしょんぼりする彦一の横で、弥生がノートに書き留める。
(類人猿最強センター・・・。使えそうやな。)
真壁の後ろを歩くのは、171cmのスピードガードことポイントガードの三浦公平。
茶色い髪を流し、大きな眼をしている。
「三浦君は女性ファンが多そうですね。」
「真壁君とは正反対やな。」
そして、なお一層の声援が沸いた。
「キターーー!!山王だ!!」
「沢北がすでにユニホームだ!」
「今日は沢北を見れるぞ!!」
会場にいる多くの人が見つめるその先には、背番号9の数字。
ジャージを履き、上はユニホーム姿の沢北栄治を見つめている。
「やっぱり、気に入らないワン。」
「あぁ。」
深津と河田は、声援を一身に受ける沢北に嫉妬している。
(仕方ないっすよ。山王のエースであり、日本のエースですから。)
にやける沢北にボールが飛んでくる。
「いてっ!」
「何が日本のエースだ。」
「うっそっ!俺は何もいってないっすよっ。」
「顔に書いてあるワン。」
(なんなんだ、この人たちは・・・。神通力にも磨きがかかっている。)
いやな汗を流す沢北であった。
両校がベンチで作戦の最終確認をしている。
「実力は未知数だが、博多と競った実績は評価できる。油断できない相手だ。」
堂本が選手に気合を入れる。
「スタメンは、昨夜のとおり。三浦と真壁には注意していけ。」
「はい!」
「さぁ、山王をぶっ倒すぞ!いくぞ!!」
「おう!!」
両校のスタメンが、コートに現れた。
「なんだよーー!やっぱり、沢北はいねぇーじゃねーか!!」
「おいおい、河田までいねぇぞーー!!」
「せっかく、山王三銃士を見にきたのにーー!!」
「ナメてんのか!?深津!」
真壁の機嫌は悪い。
「なめてないワン。」
「俺たちをなめてたら痛いめみるぞ!すぐに河田と沢北を引き吊り出してやる!!」
山王のスタメンは、深津、松本、野辺、そして1年生の柳葉と河田弟であった。
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<<回想>>
全国大会の始まる1週間前、山王工業体育館。
「9割9分治ったとはいえ、1分の不安があるのなら、監督として沢北に負担をかけるわけにはいかない。
選抜の全国大会における沢北の出場時間は、準決勝の10分と決勝の20分のみだ。」
「もう大丈夫っすよ!!練習を見ていて、監督もわかるでしょ!?」
「あぁ。わかっている。だが、日本の将来を背負うお前に、何らかのトラブルがあってはいけない。」
「お前がいなくても、俺たちは優勝する。」
「そっそんな河田さん・・・。」
「柳葉も成長した。もうお前の出番はないワン。」
「ふっ深津さんまで・・・。松本さん、何かいってくださいよ!」
「安心しろ。俺たちは、必ず決勝までいく。」
「勝負どころで、お前の力が必要になる。そのときに、爆発してくれればいい。」
「野辺さん・・・。嬉しっす。おい!柳葉!どこか痛くなったら、すぐ俺にいえよ!!」
『ドガァ!』
「後輩に当たるな!」
「俺、怪我人っすよ!蹴らないでくださいよ・・・。」
(大切にされているのか、されていないのか、わからないよ、まったく・・・。)
沢北の眼には、涙がたまっていた。
IH終了後、3ヶ月間のアメリカ短期留学をしていた沢北は、
屈強なアメリカ人高校プレイヤーを相手に果敢に1on1をしかけ、スキルを磨いていた。
スキル、スピードでは、地元の選手に勝ることもあったが、唯一どうしても勝てない部分があった。
それが、体格であった。
1年生より、河田を相手にプレーをしていたこともあり、体格差を克服できる自信はあったが、留学して改めて感じた。
(筋肉の張りが違う・・・。)
ドライブでディフェンダーを抜こうが、ゴール下では、幾度となく、吹っ飛ばされた。
負けず嫌いの沢北は、体格差を克服するために、ウェイトトレーニングにも力を入れた。
1on1同様に、がむしゃらに肉体改造を行った。
その結果が・・・、大腿部の肉離れであった。
幸い軽度ではあったが、過度のトレーニング、言葉の通じない、
コミュニケーション不足のなかで起こった予期せぬトラブルであった。
現地でも治療も行い、帰国後も治療に専念、12月上旬には、8割の回復を見せていた。
だが、堂本が選択した答えは・・・
選抜は30分間のみの出場であった。
日本の至宝を守るために。
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河田をスタメンから外した理由は、今後の山王工業を支えることになるであろう
1年生の柳葉と河田弟の試合の中でのみで生まれる連携プレーの経験値向上であった。
深津や松本らとともに出場すれば、多少のミスもカバーできる。
堂本はそう考えていた。
そして、第2試合のジャンプボールが、放たれた。
準々決勝 第2試合
山王工業 × 延北商業
続く。
それよりなにより、海南と大栄の試合が気になる!!牧さん、ジンジン!!毎日毎日、目が離せません
無理なく期待に応え、無理なく更新していきます。
次回は、4日(月)になります。お楽しみに!
そうですね。そちらのほうがしっくりきます。
ご指摘ありがとうございます。