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うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#84 【サプライズ】

2009-03-31 | #04 海南 番外編
全国大会を3週間後に控えたある日、高頭のもとへ1本の電話がかかってきた。


「高頭監督、電話ですよ!」

「誰だぁ?牧、このあとは、3線をやっておいてくれ。」

「わかりました。」



電話をとる高頭。



「お世話になっております高頭監督。」

「その声は・・・じゃないか。どうした、久しぶりだな。うん!?ん?うん。
そういうことか、それは牧たちも喜ぶだろうよ。で、いつだ?
・・・・・・、今だと!?」




そのとき、バスケ部の体育館のほうから、賑やかな声が聞こえた。

高頭の耳には、電話越しに牧の声が聞こえた。



「藤真じゃないか。」


「そういうことですので、高頭監督、すぐに体育館にお戻り下さい。」


『ブチッ』


「ったく、なんて強引なやつだ。」


苦笑いの高頭が、体育館に戻ると、見慣れた男たちが立っていた。




「おい、赤木!海南の体育館ってすげーな。うちの体育館が3つも4つも入っちまうぞ。」

「あぁあ。」

驚きを隠せない赤木。

(こういうところで練習すれば、俺ももっと強くなるのか?)


「あれ!?藤真や花形は、ビックリしないのか?」

「俺たちは、練習試合で何回か来ているからな。」


「落ち着け、三井。」

「お前だって、ビックリして、ゴリラ顔になっているぞ。」

「そっそんなことはない。」

慌てる魚住。


「まさか、こんな夢のようなことが起きるとはな。」

少しだけ涙ぐむ木暮。



「なんなんですか?牧さん、こいつらは?」

「わからん。だが、遊びに行きましょうっていうわけではなさそうだな。」

笑う牧。



「牧、更衣室はどこだ?」

「そこを右にいったところだ。」

「ありがとうよ。借りるぜ。みんなも行こうぜ。」


「池上・・・。」

「なんだ、魚住?」



『バサ!バサッ!』



「俺たちはいらん!!」

藤真、花形、赤木、三井、魚住が口を揃えていった。

そして、着ていた私服を脱ぐと、すでにトレーニングウェアを着ていた。



「凄いやる気だな。」

笑う木暮。

「ついていけないぜ。なぁ、長谷川?」

誰よりも後ろにいた長谷川に、池上が尋ねると・・・、



『バサ!!』



長谷川もすでにトレーニングウェアを着ていた。


「お前もかい!」




高頭が事情を話す。

「さっき、藤真から電話がかかってきてな。お前らの練習相手をやってくれるということなんだ。」

「これで彦一の最後のFAXの意味がわかりましたね?」



(『俺たちが相手になってやる!!』)



「あぁ。三井の自筆のようだ。」

「だけど、練習相手って、藤真に、赤木に、三井・・・、
このメンバーだと、うちだってかなりきついですよね。牧さん?」

「全国制覇を目標としているうちには、願ったり叶ったりだ。なぁ、神。」

「えぇ。メンバーだけみると、全国ベスト8はいけそうな気がしますけど、
チームプレーはうちのほうが上なので、いい勝負じゃないですかね。」

冷静に分析する神。




「牧、練習相手をするとはいったが、本当はただ熱いバスケがやりたいだけなんだ。こいつら、みんなな。」

「あぁ、わかっているよ。だが、言いだしっぺは、お前だろ、藤真。」

「ふん。」

笑う藤真。

「引退試合にしてやるよ。」

「んじゃ、有終の美を飾らせてもらうよ。」




藤真の強引な練習試合の申し込みによる海南対神奈川3年生混成チームの夢のような練習試合が実現する。

混成チームに参加したメンバーは、藤真健司、花形透、長谷川一志、赤木剛憲、三井寿、木暮公延、魚住純、池上亮二の引退した8名。

海南の力になるため、牧を倒すため、No.1シューターを証明するため、更に上を目指すため、
ただみんなとバスケをしたいためなど、それぞれが抱いている思惑は違えど、
バスケへの熱意が枯れぬ神奈川の猛者たちであった。



高頭、牧、藤真の話し合いの結果、試合は、10分流しを5本することとなった。




混成チームの第1戦めのメンバーは・・・、

PG藤真、SG池上、SF長谷川、PF花形、C赤木となった。


「ディフェンスは、もちろんマンツーだ。池上、神には1点も入れさせるなよ。」

「今でも神奈川県一のディフェンダーは俺だと思っているぜ。」


「一志、ドンドン攻めてかまわないぜ。」

「あぁ。」




「なんで、三っちゃんが出ないんだよ!!」

体育館の隅から太い声が聞こえた。

「そっその声は・・・。」

振り向くとそこには、堀田番長率いる三井寿応援団神奈川県本部のメンバーがいた。


「なっなんで、お前らがここにいるんだーー!!」

「三っちゃんのいくところなら、例えアメリカでも、地獄でも、応援に行くぜ!」

「どっから、情報を得たんだ・・・。」

慌てふためく三井を見て、みんなが笑った。




「赤木、俺はお前が神奈川県一のセンターだと思っている。だから、俺はPFをやる。」

「ふっ、ありがとうよ。」


『ピクッ!』


「それは聞き捨てならんな!花形!!赤木勝負だ!!」

魚住が立ち上がる。


「うっ魚住、まっ待てって。今は同じチームなんだ。赤木との勝負はあとでやればいいから!」

必死にとめる木暮。

(メンバーは問題ないけど、チームワークは・・・。)

不安でしょうがない木暮であった。




そして、練習試合が始まった。








続く。