トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

安寿小石や掘~れ掘れ、獅子王小石や掘~れ掘れ・・・

2024-09-16 | 水辺環境の保全

 タイトルを読んで「!」と来た人はかなりの人形浄瑠璃通だろう。盲目になってスズメを追うしかできなくなった母君を子どもたちが発見した場面の鳥追い歌なのだ。思い返すまでも無く小学生の時、学校の体育館で鑑賞した人形浄瑠璃の一節で、この後、感激の対面を果たしながら「野に寝たり山に寝たり、軒に寝て打たれたり~」の台詞回しも記憶にあるのだ。社会人になってこの場面に会いたくて「山椒大夫」の上演があった折りに2回ほど出かけたのだがこの場面には出会えないままである。今、災の河原で小石や砂利を掘っている孤爺の予言だったに違いない。だから安寿石や獅子王石を必ず見つけねばならん!。

 まあ、しがないブログを改めるのも孤爺の日課でもあるけれど安寿石(取水升)、獅子王石(取水堰)とまあなんとピッタシカンカン照りな事よのう。この日も真夏日の予報で熱中症警戒アラートは「危険」と表示だ。しょうも無いので朝6時過ぎに出立し7時前から作業に入った。湿度の高い沢の中だから日照が届く時間になるといたたまれなくなるのである。段差工に使用したい丸太材、押し流された残りの1本を河原で運ぼうとしたのだが水をたっぷり含んだ丸太は曳く事もならず鳶口を掛け転がす事もならずで断念した。カタツムリの様な丸太曳きでは疲労困憊するだけである。

 段差工で導水堤を創る ➡  杭は仮押さえ

 とりあえず集めた2本で右岸の取水堰の在るだろう周辺から水路が逸脱しない様に護岸堤を作らねばならない。未だに砂利層の下になっている取水堰の位置は不明なのだが見当をつけた周辺の浸食を多少でも促進させて探索し易いようにするのが狙いである。ピンポイントで位置決め出来ない以上はベクトルが「探索方向」であればなりふり構わずやらねば終わらない。とは言え小型重機で行う様な土砂の量なのだからスコップ一丁では「砂場で爪楊枝を使い遊ぶ」様なものだろう。社会的関係の終わった孤爺であるからこその災の河原の彷徨である。

 洗堀用水路


流路の障壁

2024-09-14 | 水辺環境の保全

 取水堰の上流部、左岸流となるか右岸流となれるかは偏にこの場所の設えで決まる重要な場所なのである。その障壁のひとつの切株はようやく排除したものの切株に助けられ残っていた砂州、と言うより砂利溜まりと切株に連なる自然の堤が左岸流を作り出し右岸流をストップさせていたのである。今回、その自然の堤上の灌木と丸太材を排除した。これにより更なる増水の度に浸食流がこの高まりを崩してくれるはずである。この高まりが消失すれば増水流は自ら右岸流となれるし左岸側の砂利の河原は自然堤防の役割を担う事が出来て当座は右岸流が維持できるだろう。それはとりもなおさず取水堰に水路が維持できていると言う事でもある。

 今回の小作業では高まりを削ることは無かったのだが流水が日夜侵食し続け、増水すればサービス浸食してくれるだろう、小型重機の必要な作業現場だけれどそれは無理と言う事で少年金高高齢の姥捨て山の孤爺が園芸スコップをもって孤軍奮闘、頑張るのだ。銃後・従禄・獣質と孤爺の人生暗かった。明日はどんなに辛くても水はすぐ通る・・・とヒカルのお母さんも歌ったではないかい。


流路の邪魔物を水で流そう・・・

2024-09-12 | 水辺環境の保全

 この日も真夏日の予報だ。水源地の修復は始まったばかりなのにご老体には厳しい作業で疲労感が漂ってくる。それでも遅々と進まない作業であっても「雨だれ石を穿つ」の諺にあるように災の河原を爪楊枝で突っついていてもそのうちには形になるだろう。てなことで前日に用意した杭だけを運び後はお休みにする心算だったのに現地に行ったら気持ちが変わった。少しくらいなら片付けて帰ろう、と。

 そのために最適な作業は何かと思案した結果、流路を安心できる方向に制御する障害になっている切株周辺を撤去する事にしたのだ。河床の右岸側中ほどにある切株が増水時の流れを左岸方向に向ける元凶なので昨年に大変な思いをして高さを減らした結果、今回の大奔流でも左岸側に突破流が発生することなく済んだのだった。それでもたかだか30cm程度の突起なのに邪魔になっていてこの周辺に溜まった土砂にウツギなどが育ってさらに流出出来難くなったのだ。

 そこでこの日は切株の残りを河床の高さで切断して抵抗体を排除、と目論んだ訳である。しかしスコップやツルハシでは根が絡み合っていてはかどらず、ここに流路を誘導して浸食させながら洗い流す事にした。まずは既存の流路を堰き止め切株の上部側に誘導してそこから切株の脇に流れるようにした。これで流れの中にツルハシを打ち込み動かせば苦も無く土砂は流れ去り切株が露わになったのだ。ここで一旦水の方向を変えて切株の残りを切断する。後は再び流路を戻して流れるままにしておけば根洗いを続けてくれる。そうこうしているうちに増水流が発生すれば流路の障害になっている畳4枚分ほどの面積の砂州を流し去ってくれるはずだ。

 流路の付け替え ➡  切株の洗い出し ➡  切除

 ここに至れば左岸方向への突破流の発生確率は俄然低下するから取水堰周辺の沢止め作業は急がなくても良くなったのだ。とは言え取水堰も取水升もその位置が分からないままなので浸食流の助けを借りながら復旧を目指さねばならない。


ハァ!災の河原の二度童にござんす

2024-09-08 | 水辺環境の保全

 この日、午後からはゲリラ豪雨の予報だった。隣り沢の取水升を見出して流路を繋げないと河床が下がってしまえば取水できなくなる状態になっている。取水堰の高さより河床を下げる訳にはいかないのだが700mmを越える雨量出水で早春に苦労に苦労を重ね河床流出させない段差工を施したのだが全て流出した。しかし幸いなことに流出はしたけれど上流部から下流部至るまで1mほども砂礫で河床を上昇させたから危うく復旧できない河床低下は免れたのである。

 しかし、流量は減ったとはいえ流路は取水堰と反対の左岸を流れているし沢幅半分にもなった左岸の段差工、正確には沢止め工を行った構築物は流出している。このままだと侵食流でおっつけ左岸側が低下して、それは河床全体の流出に及び遂には取水不可能になるのは自明の理なのである。故に昼頃から豪雨の予報が出た以上。なんとか防護策を講じなくてはならず早めに自宅を出発し7時頃から作業開始した。

 喫緊・早急の処理課題は流路を右岸に誘導する事と取水升の位置を探り掘り出す事にあったのだが、長さ6尺の金梃子を河床に突き刺し探っても先端部は一尺ほどしか入らなくて探れなかった。「このあたりか?、ここか⁉」と見当をつけようにも河原幅が埋まって広がり座布団1枚分程度の位置を拾えなかった。早い時間なので沢に日差しは届かず、それはそれで助かったのだが湿度は90%近くなので誘導する水路を掘り進めるだけで水に入ったように汗で濡れた。迷惑なのは眼鏡が曇って視界が悪くなる事だが「曇り止め」なんて商品は役に立たない。

 取水堰の上流部、苦労して大径木で突進流を押さえていたコーナーは突破されて一番大きく重い1本だけが外れて残った。6尺の金梃子で元の位置に戻そうとしたもののビクともしないし、我が腰がギクッともすればあとは奔流に破壊されるがままになる。牽引器が必要だった。

 結局、過去もそうしてきたように水の流れで砂礫を押し流し流路を下げながら取水堰を露わにする事にした。そうはいっても下流側も平坦になっているから大量の砂礫を侵食させるのは無理だけれど一昼夜経過すれば少しは兆しが得られるかも知れない。そんな微かな希望を思いつつ帰宅した。下の写真は到着時に取水堰の在るあたりから上流部を写した。右側の草の有るあたりが段差工の上部なのだが高低差は小生の身長ほどあったけれど埋没した。写真右側が付け替えたい流路だ。小さい写真はともかく右岸に誘導したが堰の所在は不明のままである。


取りあえずは応急手当…

2024-09-06 | 水辺環境の保全

 台風10号の影響で降り始めから700mmを越える雨量を記録したフイールドは散々な手太楽である。気分的には「散々」では足らず「惨惨」とした方がしっくりする。青色吐息、溜息吐息していてもらちが明かないのであって雲行きは相変わらず妖しいのだが手当てを急がねば水域は崩壊し干上がる台本が出来てしまった以上は何よりも応急手当が肝要なのだった。

 フイールドも隣り沢の砂礫で埋め尽くされた水源地もそうなのだが、どこも急ぎの復旧をせねばならないがわが身ご老体はひとつだけである。孫悟空のように頭髪を抜き息を吹きかけ分身を作れれば申し分ないけれど、既に頭髪は無くてこの手は使えない。結局はご老体にお灸を打って励まねばならんのである。では「どこから開始するか⁉」と言えば越流で漏水地下トンネルが露わになった分水池と放水路がやはり先だろう。開口面積は一輪車の大きさで深さはスコップの丈がすっぽり入ってしまう深さで、穴の縁と放水路との堤幅は60cmしかない。ここに再度の越流が襲えば堤そのものが消失してしまいその復興労力は孤爺には無理な現場になる可能性が高いのだ。

               ➡  浚渫し水勾配を正す

 隣り沢の埋没した取水升まで水路を形成したいのはやまやまで「断水」は目前なれど、そこは後回しでも今以上に状況悪化は少ないはずだ、と判断し放水路の僅かに残った堤を補強した。まずは丸太で護岸し盛り土が崩れない様にしてから放水路への入り口幅を広げ放水路のカーブの部分も拡幅し水が流れ下る勾配を確認して終える。この時の気温は29℃で孤爺には快適温度なのであるが湿度が85%あり、これは動かずとも汗が滲み出たままになる。こんな中で短時間と言えどスコップで泥上げや土堀り、はてまた胴突きで地固めしなくてはならず、これはまさしく侠気の沙汰なのである。この案件でとりあえずフイールドの水域は後回しとして翌日からは隣り沢の水源地復旧作業をせにゃならん。作業強度は今回とは比較にならず労力日数は想定も出来なく全ては成り行き次第なのだ。まあ、成り行き任せは我が人生も同じで、その点では何も変わらない。


前立腺の肥大、肛門の痔瘻

2024-08-27 | 水辺環境の保全

 尾籠なタイトル言葉だが恐縮は無い。これは単なる例えで表現の自由であるが我ながら立派な例えだと悦に入っているし爺我自賛の境地でもある。まあ、何と言っても芸術は爆発!なのであるし、それは超高速の腹下しにも似てほとばし出る。さて23日未明のゲリラ雷雨の被害を見回って緊急処置があれば即対応の覚悟だったのだが最大の懸念「取水地の被害」は表面上は通水維持が出来ていたのでとりあえず水系の取水堰だけ水抜けの補修をして済んだのだが上の池にオオカナダモの姿が見えている。「早速、抜き取らねば…」と思いつつ帰宅した翌日、雷予報は出ていたものの予想最高気温は32℃だったから作業に出かける事にしたのだ。

 さてこの日、出掛ける前にフイールドの沢にするか水源地の沢にするか作業を決めなくてはならない。そこで例えたのがタイトルの表現だったのである。「前立腺の肥大」は上の池のオオカナダモの繁殖力に例えたものだし「痔瘻」に至っては水源地の始末に例えたのである。オオカナダモは抜去消滅させない限りは水域を圧倒し在来生物を駆逐してしまう厄介者である。一方、水源地の出水による機能停止はその度に排砂作業と流路の補修が欠かせない。つまり痔瘻のように放置すればお通じどころか崩壊に繋がってしまう恐ろしい未来がある。ましてや取水升から送水管部については胎盤と臍の緒に例えられるくらい、フイールドの水辺生物にとっても生命線なのだ。

 そんな思案の末にオオカナダモの撤去を選択したのは「送水は維持されているし、近々台風の襲来が予想されるから補修はその後にする」判断だったのである。で、オオカナダモの抜去を選択し胴長を装備、足浴バケツに長柄の貝掘り熊手と転倒水没を防ぐ真竹の杖を頼りに抜去を始めたのだが、あと少しと言う段階で雨が降り始めほどなく本降りになった。撤退も考えたけれど後日、残りを片付けるために同じ轍は踏みたくなくて「どうせ沼に嵌ったこの身じゃもの!」と叱咤激励して濡れそぼって終わった。抜き取ったオオカナダモは足浴バケツに8割ほどだった。今回で今期5回目の抜去になるのだがメモを見れば概ね二週間程度で抜去をしている。これを繁殖が衰える水温低下までの時間を思うと後、5~6回は行わねばならないだろう。それを思うと前立腺の肥大と言うより痔瘻に例えた方が相応しい。


コナギの抜去

2024-08-22 | 水辺環境の保全

 とんぼ池のコナギ、ようやく抜去する事が出来た。「抜去せねば…」と思いつつ八月も中盤になってしまったが思わぬ取水地の連続埋没で後回しせざるを得ないのであった。この日も35℃予想の猛暑日で、まあ、お勧めのように「野外活動中止・冷房を使って!」なんて事に二つ返事で受け入れていてはにっちもさっちもいかない事情など掃いて捨てる程、世間にはあるのだ。高温と豪雨に責め立てられても「温暖化防止のために・・・」なんて具体的行動は聞こえてこない。

 それはともかくコナギ抜去のために7時前には出立し駐車場でしばしアブの捕獲を行ってうるさ方の始末をして抜去に入る。水域のコナギはほぼ駆逐したと思っても思わぬところで発生して来るのが何ともやりきれないのであるが休眠種子の量は半端ではないのだろう。とは言えコナギなどはオオカナダモやヌスビトハギ、ヤブジラミ等々に比べれば可愛い抜去対象だ。周囲と調和を保ってくれる様な植物なら何も厭う事も排除する事も無いのだけれど…。

 しかし、繁茂して来るコナギを見ていると「❓」が浮かんできた。「ミズアオイはオンブバッタやヨトウムシに食い尽くされる被害を受けるのにコナギの被害は見たことが無い!」のである。種としては近い存在なので「食い尽くされれば抜去の手間なし」と大歓迎だけれど、そうは問屋が卸さない。昨季のミズアオイは小さく二番花を復活させたが種子にまで至らなかったようで発芽しなかった。「これは⁉」と思った株はコナギであって、この猛暑下なのにガックリさせる事ばかりで悪くすればポックリさせられる猛暑の中、作業を今日も行った。こんな日々で孤爺の歓びは冷たいシャワーを浴びアイスキャンディーを齧りキャンディーズの「暑中お見舞い申し上げますぅ」をヘッドフォンで聴くだけである。

 


猛暑日は吐水量測定し水見回りで終わり、頑張らない…

2024-08-21 | 水辺環境の保全

 前夜の雷雨で朝方の最低気温は28℃と涼しさを感じたのだが予報は35℃超えの猛暑日である。こんな日は屋外活動禁止、と言ったところで必要な活動はあるのであって、この日は前日の強制通水排砂作業の結果を確認しなければならないのだった。

 そこでいつも通りフイールド到着し、まずは我が愛車に群がる俄か季節ファンのウシアブちゃんたちの整理をしてから吐水量を測定しに行った。計測値は20ℓ/分で期待値の25ℓより少なかったけれど、だからと言って「やり直し」の活力は無い。戻るついでに水見回りをしたのだがゲリラ雷雨の出水で林接池への導水パイプが埋まって減水していた。これを知らないままだったとすれば数日でヤゴは全滅するだっただろう。携帯スコップも無くゴム引き手袋も用意していなかったし、素手で掘り除くのは瓦の破片などが多くて危険でゴム長の踵で処理して塩ビ管まで水を通したのだった。これで干上がりから守られる。残りは孤爺が干上がらない様に「梅干し紫蘇ジュース水」をチビチビ飲みながら早い帰宅だ。猛暑日の予報だしリビングに閉じこもって一日を過ごそう。今期はクーラーを使っているのだが、暑さはともかく体力気力も落ちたかも…体重だけは増してしまった・・・。

 取水部埋没    林接池減水   通水させた


四回目のオオカナダモ抜去

2024-08-11 | 水辺環境の保全

 オオカナダモの抜去は正確には五回目なのだが前回8月3日は水見回りしたついでにゴム長で立ち入る事の出来る範囲だけだったから胴長を装着して本気の抜去は四回目なのである。三回目は7月26日でこの日は8月9日だから二週間目にして抜去しなければならないほど成長をしている、と言う事になろう。この晴天・暑さだし水深も浅くなった大池では光合成も進むのだろう。目に見える程の繁殖・成長ぶりなのだ。熱中症警戒アラート出ずっぱりの今日日、胴長の蒸れを敢て身に処すなんて馬鹿げていると思わぬ訳でも無いのだが「手が付けられない状態」にならない様に抑制だけは続けなければ一季で上の池はオオカナダモで満たされてしまうだろう。まあ、勝ち目のない戦を孤軍奮闘しているだけの老後なのであった。

 早い話、「侵略と抵抗」のせめぎ合いであるけれど侵略側に信義は無く抵抗する側には戦力も無いのは歴史の現す処であって弱者の被害だけが増す。そして千年の怨念が再生産されるのである。それは今なお鳴りやまぬ大陸各地の破壊と殺戮の焦土を見なくても自明の理であって、そこが自然災害の惨禍は子々孫々に残すことは望まず戦争の惨禍は遺伝子レベルにまで達してしまうようになるのだろう。そこには新たに生じる「約束の血」がたぎるだけだ。

 さて既に月初めには「抜去せねば!」と言う段階だったのだが思い切りが無いと胴長を装着できる暑さではないのだった。だが大和男は無言実行が生き様であるからして高温ななる前にと何時もより1時間早く出立した。ところが上の池に注ぐ吐水口からの水量がチョボ水になっているではないか。二日前と三日前にエンジンポンプで強制排砂したばかりなのに…と恨めしい。が、まずはオオカナダモの抜去を済ませねば、と池に入ったのだが一昼夜前の雷雨で濁っていてオオカナダモの位置が判明し難い。それでも全周囲を見渡しつつ水色に多少の陰りを認める箇所に行きつつ抜去を済ませた。前回は足浴バケツに満杯状態で、今回は3日の分と合わせて半分超位だ。こんな成長ぶりだと盆明けにもまた抜去に入らねばなるまい。

 自宅を出て吐水量を見るまでは「抜去を済ませて帰宅」の予定だったのにそうはいかず徒歩で尾根越えして取水地まで行った。ありゃりゃー、惨状だった。


連日の強制排砂

2024-08-10 | 水辺環境の保全

 大雨出水による送水管内の排砂でも無ければ立て続けに強制排砂など行わないので今回のように連日の強制排砂は異例中の異例である。それは前日の排砂作業を行った後、吐水量を計測に行ったのだが水色は濁りがあるし黄土色の浮遊物も混入している状態で「菅内壁に水垢が厚く付着している!」を想像させたからである。回復水量の正しい数値は翌日にならないと反映されないのは承知なのだが「再度の強制送水による内壁洗浄」が必要だと判断したのだ。水垢でポンプに負荷がかかっていると考えると理屈も通るからである。

 さて翌日は1時間ほど早めに出立した。この時間だと沢内に日射は入らず立ち入っただけで冷気が身体を包んでくれて気持ちは良いのだったが行う工程は増やしたのだった。まずは沢入り口で中間地点になる排砂バルブを開放しておく。これでポンプで圧送すれば管路の半分だけなので送水圧力を上げる事が出来て結果的に管内の清掃が速やかに進むはずだ。

 現場でいつも通りポンプをセットし稼働させる。エンジン出力を僅かに上げ送水管内に差し込んだ注入ホースが押し戻されないギリギリのところで10分ほど送水して送水管路の下り半分の清掃を終わりとした。エンジンをアイドリング状態に戻し徒歩で沢入り口の排砂バルブまで行きバルブをゆっくりと閉じた。ゆっくり閉じないとウオーターハンマー現象で水を注入しているホースが抜け出してしまうからだ。バルブを閉じれば水流は吐出口へ向かう。ここから送水管の残り半分の清掃開始である。

 取水地まで戻りエンジン出力をホースが抜け出ない圧力まで高めて更に10分の送水で終了させた。隣り沢の吐水口で排出される水色など知る由も無いので全ては「これでいいだろう⁉」の正常性バイアスによる判断である。機材を車載してフイールドまで戻り機材一式は道具小屋に収納した。吐水量の正確な反映値は翌日にならないと判らないのでこの日はそのまま帰宅。これだけで下着まで汗みどろになる。何と言っても朝食時の気温は既に30℃を示し作業開始時は32℃になっている今日この頃であるから仕方がない。

 沢に入っての慰めは近くを往復しているオニヤンマの姿を見る事だった。それに加えて上流部の沢止め工を施した場所の底抜け部を「どう回復させようか⁉」と眺めていた折りにカエルを見つけたのだ。タゴガエルかニホンアカガエルのどっちかなのだけれどどっちつかずの体色で判断がつき難い。それでもフイールドではニホンアカガエルが増えた事もあって「こっちの沢筋にまで生息範囲を広げたか…」と考える方が幸せなのである。まあ、誰もやらない作業をしていれば誰も目にしない風景はあるのだった。これが「慰めの報酬」。

     

※ 翌朝、吐水量測定をしたら22ℓ/分だった。願わくば26ℓ/分程度を期待していたのだが努力が報われるとは限らないのが人生である。とりあえずは安全圏内だ。


強制排砂をすることに・・・

2024-08-09 | 水辺環境の保全

 前日に送水管路のほぼ真ん中の一番低い位置にある排砂バルブを開放して管内の砂泥排出を試みたのだが澄んだ水が出るようになっても吐出量がいつもより少なく感じた。それはそれでフイールドの吐水口まで戻り吐水量を量ったら9ℓ/ 毎分だったから作業前より1ℓだけ増えた勘定になる。経験的に吐水量が正常に戻るには一昼夜必要なので翌朝に期待してこの日は帰宅したのだった。翌日の吐水量測定値は9ℓ/分と変わらず、結論としては「強制排砂するしかないし先送りはリスクが高くなるだけ!」と急遽、予定変更してエンジンポンプなど積載して隣り沢に入った。

 しかし林道の途中に倒木が発生して終点までたどり着けないからバックで進入し倒木至近で停車、そこで荷下ろしをし抱えて運ぶ事にしたのだ。「この唐変木め!、いいえ、この倒変木め!」とビンタを張ったところで林道から避けてくれるでも無し、わが手が痛かっただけで終わる。周囲の蝉たちは「見ーん、見ーん」と鳴いていたがしらじらしいわ!このクソ暑い最中・・・。

 それはともかく強制通水は約30分と決めスマホのタイマーを起動させ、その間、上流部の段差工部の底抜け部に玉石を運び埋めようかと考えていたのだが送水管内の圧力が高くて度々、管内に挿入したホースが抜けだしてくる。そんな事で付きっ切りの時間となった。通常は10分程度ごとにアイドルアップをして送水圧を高くし排砂効率を上げていたのだけれど今回は出来なかった。

     

 強制送水が不十分と感じつつも吸い込み口には陰圧が発生しているので「吐水状態にある」のは間違いなくフイールドに戻り吐水量の測定を行なったら19ℓ/分で通常の強制排砂後の数値が出ていない。とは言え吐水量が平常値を示すには一昼夜必要なのだが出ている水を見ると薄茶色の不純物が混じっていて水色も弱い濁りがあった。

 そこで思い至ったのは「管内壁の水垢の層が取れていない」と言う事だった。いつも通りの顛末を辿ると考えれば翌朝には26ℓ/分程度の吐水量を得られると考えられるけれど水の濁りと浮遊物の排出は露わなので翌朝の測定はせず、朝一番に再度の強制通水を行う事にして道具小屋に収納したポンプ一式を再び車載してこの日は終了。小屋のドアにある温度計は既に34℃を示していた。

 

 


排砂バルブを開けた

2024-08-08 | 水辺環境の保全

 吐水量が8ℓ/分と赤信号になったので水源地まで行って取水路や取水升の整備を行ったものの結果として9ℓ/分と僅かな増水だった。やはり4カ月間も排砂しなかったツケが廻ってきたのである。こういう事態を避けるために月に1回程度は排砂作業を行うつもりだったけれど肩の疼痛や何やらで「水は出ているからまっいいか・・・」とそ知らぬ顔の仁平さんを決め込んだのが悪かったのだが、反省しても時すでに遅し、てなもんや三度笠である。

 取水升の送水口からエンジンポンプで強制送水すれば一発で快適吐水となるのだが残念ながら林道途中にカシの倒木が発生して終点まで運べない。抱えて往復するのもこの暑さでは躊躇があるし、今回は排砂バルブを開けて排砂をすることにした。で、水が澄むまでバルブを開放していたが流出量が何となく少ない。砂泥は排出されても管内壁付着した水垢までは取れなかったのだと思っているけれど実質的な吐水量が判明するのは翌日になるから、翌日計測で所定の数値が出なければエンジンポンプを抱えて水源地まで歩くしかないのだ。やむを得ない。

                鞭打つや猛暑荷運び沢の神


水源地の水切れでなくて良かったー!一難去ってまた一難‼

2024-08-06 | 水辺環境の保全

 記事が前後してしまったが一週間ぶりの水見回りで林接池の「水切れアウト」寸前で池に導水させてから吐水口での流量測定したら6ℓ/毎分だった。これでは水域に十分な水が渡る量ではない。猛暑続きの為、水源地の流量が減少した結果だろうと思いつつ整備もかね久しぶりに尾根越えのルートで水源地へ向かった。強制排砂を実施して最大水量を得たのが4月4日だから4カ月ぶりの取水地である。

 尾根越えして沢に降り立てば流量の極度の減少は無いので取水部の埋没と送水管内に砂泥の堆積が送水量の減少になったのだろうと想定は容易だった。しかしながら沢筋を行く林道には大きなシラカシの倒木が発生していた。こんな事態を知らずして車で進入していたら帰路はバックで沢の入り口まで戻らねばならない。危ない危ないクワバラクワバラの瀬戸際だったのだ。暑い盛りに車での進入を選択せず面倒な徒歩での尾根越えルートを取ったお蔭で回避できたトラブルだった。

 事のついでに水源地、と言うより上流部の沢止め工を行った部分まで見回ったのだが丸太での沢止め工部に底抜けが発生していたから、この補修のための基材運びに車は必須なものの、その前にこの倒木を処理せなばならない。台風の時期は迫っているから沢止め部の補修は待ったなしだし、その補修の前に倒木の排除に丸1日大汗をかかねばならん。足腰膝小僧様、よろしくお頼み申す。とは言え今は送水量の復活が優先事項なのである。


取水部の復旧整備

2024-08-05 | 水辺環境の保全

 一週間ぶりの水見回りの結果、吐水量が毎分6ℓでは水域の安全は保障できない。まずは水源地の状態を確認する必要があったのだが現場の状態から「取水升が埋没して水が入らない」のが最大の原因で猛暑続きで沢の水量が減ったのではないのは良いニュースである。

 まずは取水升に注ぐ流路を整え更に埋没していた取水升フイルター部の土砂を取り除き升内の砂泥も金網笊で浚い採った。使わなくなったもう一方の配水管を排砂用に作ってあるからバルブ操作で升底の砂泥を排出できる仕掛けはあるけれど菊型ハンドルを持ってこないので使えなかったのだ。取水部に来る前に配水管最低部にある排砂バルブを開けて置けば取水部の整備時間内で排砂は済むのだけれど吐水口まで水が到達するのに一昼夜必要な実態を考えると、この猛暑続きで減水している水域に送水の遅滞は許されず「バルブ操作は行わない」から菊型ハンドルの携行は無かったのだ。

 取水升への水流を復活させフイールドの吐水口での流量を量8ℓ/毎分と2ℓだけ増水していたが実際の増水量は翌朝にならないと反映しないのがお約束みたいなものである。翌日の吐水量が復活していなければエンジンポンプでの強制排砂を実施したいところだけれど林道途中にアラカシの倒木があり進入できずポンプでの強制排砂は無理だ。この暑さの中では一昼夜の断水は危険気周りないのだが降雨の見込みがない以上、送水量の増加は喫緊の課題でもありリスク覚悟で排砂バルブ開放しての排砂を講じなければならないだろう。とりあえずは翌日の吐水量測定の結果だ。


油断は水断!、隙は水漏れ・・・

2024-08-04 | 水辺環境の保全

 猛暑続きで一週間の自宅謹慎蟄居だった。この日の予報は「曇り、最高気温33℃」であったので水見回りに出かけた。高温下では少しの水切れでも被害は見えなくても甚大なのは想像がつく。何せ小さな水域にようやく定着した貴重種が多いのであるから。

 さて、フイールドの水見回り、まずは流量測定からと道具を持って林道を行ったのだが途中から見えて来る林接池に水が無い。「ありゃりゃーこれは大変しくじった!」と測定前に立ち寄ってみれば全体の水量が減ったために漏水部から漏れ出す量と釣り合って仕舞っていたのだ。これでは池に流入するはずも無い。流れを堰き止めて池に送る送水パイプの下からも恒常的な漏水があるから、一旦は掘り出して再度の埋め込み敷設を行う必要があるのは理解していても、現状の高温下では土木作業は行いたくはない。けれど水量が減少する時期こそ漏水を防止する作業は大切になるからと、近いうちに仕切りの杭も用意しながら構造変更も行わねばならない。

 今回は道具無しだったから素手で土を掘り取り堰周りの水抜けが無い様に靴で踏み固め、ようやく僅かな水量だが池に入るようになった。この量では満水にならないだろうけれど池の底を満たすだけの水量は確保できるので、まずは干あがる前に手当てが出来てホッとした。この林接池はタカネトンボやヤブヤンマにとって大切な産卵環境なのである。

 水路の水量が減少したのは送水量の減少だったので早速に水源地に行った。ここまでに至ると「猛暑だ!熱中症危険日だから!」なんて言い訳は適応できない。世間には危険日だからと言って済まない事などたんとある。孤爺は若い世代ではないので別口だがこの日、仏滅だったし三隣亡だったかどうかは暦がなかったから判らない。ともかくおっとり刀ビッショリ身体であったのは間違いありません裁判長…。