トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

寒採りリンゴ

2019-01-31 | 何よりの楽しみ
 冬の寒さに合わせ甘味を増させる野菜類の貯蔵方法があるが、少年時代に山の斜面に穿った芋穴に貯蔵したサツマイモの美味しさは格別だった。当時から雪中栽培されたブランドの菜っ葉があったけれど、商品化されたさきがけではないかと思っている。

 そんなことを頭の隅っこに置きながら庭のリンゴ「ふじ」を収穫しないまま3個残しておいたのだが、裸のままのリンゴは寒入りしてから急速に萎びてきたから袋掛けした3個を収穫した。これ以上、樹上に晒しても傷むだけだろうとの判断である。
 袋を外した表皮は汚れていておいしそうには見えない。何時もの事だけれど摘果もいい加減、袋かけも時期を逸したり肥料もやらずの「捨て作り」であるがゆえの汚れでもある。

 「どれほど美味しくなっているだろうか…」と期待半分、一方では「野菜とは異なるから期待は的外れ」の思いも半分だけれど、喰ってみなけりゃ分からない。
 半分にした果肉に痛みや異常やは見られなかった。袋が掛っていたせいか多少は外皮に水分不足の徴候はあったけれど果肉の傷みは無かった。

 食感はさすがに「ジューシー」とは言い難いものの歯切れは悪くなく味も甘味は強くないけれど濃厚な味わいになっている。念のために糖度を測ったら17度だった。この樹が生産するリンゴの普通の糖度が不明だから比較の仕様もないものの「濃厚感は味わえたが敢えて樹上に置く必要はなし」が結論だ。
 まあ、インスタントで美味しいものは簡単に入手できる時代になった昨今、時間を掛け熟成させる食べ物には飽きが来ない美味しさがある。一方、時間をかけ成熟を重ねてきたおいらはどうかというと、食べてもらった事は無いし熟成と成熟とは異なるから不明で、まして老熟では品評会の不適格等外品…。

 ➡  ➡  ➡  糖度

拙速はアカン! 2

2019-01-30 | 小人閑居して憮然
 竹ボラで頓挫、「もう半日使える!」と「ガタガタ」ラトルバックに手を出した。端材であるがブナの適材がある。15㎝で10本分用意し側面に目安線を引く。サンダーで大まかに削り出しオービタルサンダーで仕上げした。
 半日の時間とは言え、これも素材は異なるが10年ほど前に制作して面白がられた玩具である。懸念は前回よりサイズが小さい事と材質の比重が軽い事だったのだが「やっぱり…」と大当たりしてしまった。

 回転を嫌がってガタガタと反転しようとする動きが少ない。前回の材は比重の大きい「輸入デッキ材」だった。磨くと黒光りする仕上がりで気に入っていたのだが細かい細工には向かなかった。拍子木にしたら好評だった材である。
 このデッキ材の残りで2本用意し削りだしてみた結果、店頭に出せる仕上がりは半分の5本しかない。おまけで大甘の試験結果でもなのだ。

 動きの要「底面稜線」は従来の「簡易線」とネットにあった「解析線」両方を作ってみたけれど、「解析線」タイプは削り出しが面倒になる割には動きに反映が見られず、研究室では良いだろうが子ども達の工作レベルにはならない。「簡易線」なら小学生でも制作可能だろう。
 この稜線の置き方で回転に由る動作の出方が反対になる。小生、理屈は分からないけれど、これも「幾何回転体」の類だろうか。

 それでも「せっかく作ったのだから…」とイベント当日に出したのだが「これは何ですか?」と言われ実演しても購入する人は現れず、結局は全てお持ち帰りの手太楽!。早い話が頓挫しなくても轟沈壁沈自滅沈である。チーン…。

 ひたすら努力して世界のトップにのし上がる大坂なおみのような人材と努力しないで旧態依然で結果を出そうとする爺材でははじめから「勝負あった!」は揺るぎない。これで小生は2連敗「二度あることは三度ある」もうプライドも埃もガタガタ、濛々だ。
 まあ、濛々は耄碌の始まりとかで、だから「明日」と言う爺は「明るい日」を欠くのね、と思って寝落ちする。この幸せな寝床、足元は暖かいのだが禿げ頭が寒い…。

 製図 ➡  粗挽き ➡  底面のカーブ

 底面稜線を決める ➡  上簡易線、下解析線 ➡  成形完了

拙速はアカン! 1

2019-01-29 | 小人閑居して憮然
 予定は予定のまま時間切れで、残り少しばかりの時間をみて簡単なものなら間に合うと手を出したのが「竹ボラ」だった。10年ほど前に初めて制作し「里山祭り」で販売して好評だった楽器?だったのだが、会友のMさんが制作するようになって小生は手を引いていた玩具である。

 今回、Mさんの奥さんが得意の手芸品を出すのでMさん自身の出品はしないと承知していたから急遽制作に入った。使える時間はこの日1日だけである。早めに拠点に行き節の長い孟宗竹を切り出して10本ほど素材を用意した。
 自宅庭でカセットコンロで焙りながら油抜きをしつつ表面の汚れも拭きとる。これで艶やかな深緑が現れた。もう勝手知ったる作り方なので作業を進め、最初の一本の吹き口を形成して吹いてみたのだが音が出ない。上手に作れば「ほら貝」風の良い音が出るはずだった。不調の理由が分からずもう1本削ってみる。これも吹く息の音だけしか出てこない。

 初めて作った時には、このような事態は無く順調に仕上がったのに竹は真っ青、頭は真っ白になってしまった。それでなくても展示の種類が少ないのだ。傷心の心を抱え「まだ半日は準備できる。明日、拠点でMさんに不調の原因を尋ねよう」と思いつつ寝落ちしたのだが、深夜に目覚めた折りに「ビビビッ!」と降臨したのは「吹き口の位置が節に近すぎて共鳴を阻害しているのではないだろうか?」という思い。

 翌朝に素材用に新たに5本用意し吹き口の位置を従前より離して削ってみたが全く結果は変わらなかった。お手上げ状態のところにMさんが上ってきたのだがMさんも根本解決の理由は解明できず、結局は時間切れで頓挫となってしまった。
 悔しいからイベント終了後に再チャレンジじて結果を出そう。大坂なおみに「負けてたまるか」。まあ、結果は「年寄りの冷や水」、非を見なくても分かるか…。悲を見る事になるのか…。

 油抜き ➡  穴あけ ➡  リーマーで孔を広げ吹き口を形成

1月定例会

2019-01-28 | 月例会
2019/01/19(土)9:30~13:00

会員 7名
活動 シイタケホダ木作り

 間引きを兼ねてシイタケのホダ木を作った。従前に伐採玉切りしていた分と今回の4本でホダ木20本程度出来たから十分な量だろう。本来は伐採しそのまま乾燥させるのが正解なのだろうが「葉枯らし」する葉もない時期なので直ちに原木化させる。
 菌打ちは2月の定例会で行う予定だが、年間12回の定例会の内、2回がシイタケのホダギと菌打ちに費やされるのは少々残念でもあるが、会としての活動である以上はしょうがない。
 小生的には見通しが良く入り込みやすいこの時期に辺縁部の刈り払いを済ませたかったのだけれど、そこは引きどころでもある。辺縁部はどうしても手入れが行き届かず、会員が減少する一方の現実下では威之志士様の跋扈蹂躙お休み処を提供していく形になってしまう。これを防ぎたいけれど、ここにも高齢化、人手不足の波…。

 食草園の外周に植えたクヌギが大きくなり、他の食樹への日照を妨げる程になったから伐採した。人数が揃うと仕事は早く、片付いたら明るくすっきりした。これでトチノキや他の食樹の生育が促されるだろう。

                        これは拠点斜面  

幾何回転体を作る

2019-01-27 | 何よりの楽しみ
 アクション機構付きのプルトイを作る時間が無くなったものの手持無沙汰もなんなので「その日限り」の工作を寄せ集め展示の種類を増やす算段をする。

 幾何回転体は昨年は展示しなかったような記憶があるから作る事にしたのだが間に合う板材が少なく10点も制作できなかった。簡単な作りでも加工の手間暇は必要で、動きの良しあしは加工精度が直結する。

 板材に製図し、それを糸のこ盤で切り抜く。パンケーキ状の円盤が欲しいのだが、ボール盤でくり抜く工具だと中心にドリル孔が入ってしまう。車輪などなら利用価値があるけれど中心孔を開けたくない部材なので結局は手間で補うしかない。
 糸鋸で切り抜いただけでは外周が荒い。これを木工旋盤で円滑な外周に加工し面取りと磨きも済ませる。この旋盤加工の前に中心に2φの穴あけをして心出しと治具への装着を容易にする加工も必要だ。

 旋盤加工が終われば再度、糸のこ盤で組合す溝切りを行いパーツの加工は終わる。ここは手鋸の方が直線精度は上がるけれど面に対して直角の精度が落ちるので糸のこ盤を使う。後は木工ボンドで接着し固定出来たら蜜蝋ワックスを塗布して完成である。

 切り出し  外周加工  対A    対B 

     オロイド     スフェリコン     完成品

 製作は円盤を直交させ接合するだけであるからホームセンターで円盤を購入すれば簡単に作れるはずだ。オロイドの動きは「コロコロ」と言う感じで、二枚の円盤中心の距離は√2rにすれば良く、スフェリコンは中心まで切込みを入れ差し込まれた方の肩を切り落とせば済む。半円二つを直行し接合して済ます手もあるけれど強度が不足するので写真の様にした。

 蛇足だがオロイドは不等高重心で「ツーサークイルローラー」とも言うが重心位置が変わるとの事で揺らいで移動する理屈だが視認は難しい。しかしながら、このタイプの転がりはコロコロと滑らかで、床に置いてあっても室内に風が入ってくるだけで動きだす。
 スフェリコンは等高重心体なので重心の上下は無いけれど移動は「コロリンコロリン」と言う感じ方をする動きで、動きの速度と方向が変わっていくのが面白い。

 今回は制作しなかったものの参考のために同類の幾何回転体「ヘキサ・スフェリコン」の作品を写真で添付した。間にあるアクリル板は半円形の接合だけでは強度不足になるし位置の確定も難しくなるから補助的に用いた物で、これを外し4か所の接合で勿論良いのだが、ともかく難しくなる。位置と強度を両立させるためにホゾを入れてみたが角度を一定に固定する事が難しかった。簡易的には分度器4枚で制作できるはずなのだが試みてはいない。
 試作段階ではひし形の立方体を中子として制作してみたが、恐らく回転方向に対し中心からの質量が変動するのかどうか動きに精彩が無かったが解析出来る脳みそはもっていない。ちなみに大坂なおみは持っている。

 動きは変則的に見えガタコンと大きくコースが変化する。転がすには慣れが必要と思うのだが、遊ばせてみると皆がみんな、ボールを転がすように送りだしてしまったり投げたりする。やはり先入観として「ボール」のイメージは大きいようだ。
 ちなみに展示時の表示は幾何回転体では無く「コロコロ、コロリン、ガタコン」で、別掲するがラトルバックは「ガタガタ」と表示してきた。

水鳥が飛来したのか…

2019-01-26 | 感じるままの回り道
 イベントまで数日、追い込まれつつも拠点道具小屋に材料や工具を取りに行くついでに水見回りも済ます。この時期は構造補修もしないので水位の確認と隣沢からの送水が滞っていないかどうかだけである。
 昨季は正月早々に断水復旧作業を強いられたが今季は今のところ順調に吐水してくれて有難い。吐水口に上がる途中に泥水池など水辺を通るのだがこの日の泥水池は全て濁り切っていた。これには記憶がある。恐らく水鳥が飛来し採餌した結果なのだろう。
 時間的にも大きさからも居続ける環境ではないけれど、今期は氷結していないから着水してくれたものと思われる。
 以前はコガモの群れが上の池にいたのを2回ほど見た事があるが、周囲の立ち木が高くなった現在、着水できても飛び立つ障害になるのだろう、降りる事は無くなった。小生的には周囲の高木を除伐して空間をすり鉢状にしたいけれど勢力圏では無し、当事者グループにそのような意思も無いから飛来環境は悪化する一方だ。

              泥水池3         沈泥池より望む

ダラダラと動物積み木

2019-01-25 | 何よりの楽しみ
 動物積み木で脱線し日数が不足したから「アクション機構」を装着したプルトイは断念したのだが点検・積載の時間を省いても多少は工作出来る暇が出来た。
 そこで「動物積み木」に家畜の種類が皆無なので仔馬と子犬を加える事にした。数は作れず1日限定作り限の工作である。朝食後に形を決め、材料が無かったから拠点小屋まで取りに行き、ついでに水見回りも済ませた。1級河川は瀬切れが発生していて沢水も枯渇の懸念があったものの送水状態はOKだった。

 途中、ホームセンターで糸鋸刃を購入したりしたため帰宅は11時過ぎ。庭の縁台で切り抜きを行うので日照の届く正午過ぎまでに作業を終えたかったものの無理だった。12時半頃には日陰になり、こうなると急に風の冷たさが増す。
 昼食を挟み17時頃まで面取りと仕上げの作業を縁台で行ったけれど、今日は季節風が強くなり寒い事寒い事。それでも何とか17体を仕上げた。

 荷作りする前に種類と数を数えてみた。仔馬6、子犬11、猪25、象17、イルカ10、キツネ14、ワニ10、クマ15、カバ19、キリン22、ヘビ10、デディベア10の13種173体になっていた。これにムーミンシリーズの11種81体を加えると24種254体となる。
 我ながらよくもまあ切り抜いて仕上げたものである。これではアクション機構など制作している時間は取れるはずもない。

 仔馬のデザインがうまくいかず「まあ、ええや…」と切り出したのだが、思った通りの仔馬もどきで、どちらかと言えばテリア種やシュナイザーとか言う犬種に見えてしまう。露店で訊かれたら「はて、何だっけ…いっぱい作ったもんで」とボケる事にしよう。こういう事は高齢者の特権である。
 後付けの理由や言い訳などいくらでも可能だが、あの大寒国の様にそもそもの現場行動を隠したいための虚言や方便は必要ない。自ら寒くならないのだろうか。まあ、経緯を見聞きしている限りに於いては、その懸念さえないのは耄碌していても感じる。

 この積み木一種にしたって、いったん出したからには拡散して、そこここに残ってしまう情けないデザインなのだ。まあ、「へたくそ!」と思われるのと信頼や信義を失う事とでは雲泥の差があるけれど…。くどいようだが高齢者の特権は儒教思想では小生が思う以上に強固なのであろう。何に由らず頭と手足の関係は切り離せない。

                   洗濯籠いっぱいの量になってしまった

積み木「ムーミン」を増産

2019-01-24 | 何よりの楽しみ
 雛段飾りを完成してみたものの、雛段飾りは女児向きだから喧嘩にならないようにもう1セット分を用意する事にした。イベントとは直接の関係は無いのだがアクションプルトイを制作する時間も無くなったので丁度良い。ついで、と言うより趣くままにフルセットにはしなかったけれど人気キャラ5体づつで6セット作ってみた。兄妹でも個人所有したい玩具もあるだろうし仲良しのご近所にプレゼントもどうかなとの労爺心ではある。
 結果的には56体だった内容を81体まで25体増やした。並べてみると壮観と自己満足、爺我自賛も極まれりというところであろう。見栄を切ってもヤンヤと言う観衆はゼロ、季節風だけが粉塵を巻き上げてくれる。紙吹雪にならないところが高齢者の行く末を暗示しているかの様だ。

 このムーミンシリーズを「動物積み木」に加えるのも惜しい気がして前述の「別シリーズ仕立て」にしたから数が増えてしまったのであるけれど、ずるずると横滑りやダッジロール、はてまた道草紛いの脱線は吾が業であって「業に入れば業に従え」との先人の教えを傾聴した結果でもある。
 また「ん拾にして耳従う」と言う先哲の教えも忘れてはいない。

 興に乗ってと言うか必要以上の数を作ってしまった結果、セット以外に動物積み木に組み込む必要がありそうで何とか算段を考慮しなくてはならないだろう。
 ホント、業とはアリ地獄のようなものであることよ。「そいつは業気だね、そいつは業気だね」なんて歌謡曲があったような無かったような、長期記憶も拙くなっている…。

            

こけら版「花を看 還た花を看る」 2 日本原産種

2019-01-23 | 旅行記
 寄宿先の近所に八重桜が1本咲いていた。緯度も異なるから日本とは1カ月近くも遅い。まさか桜を見るとは思わなかったけれど「庭木」としての植栽だったので「趣味か」と納得したのだった。
 しかしながらその後、湖水にトンボを尋ねて行った先に桜の列植があったのには驚いた。一重の桜だったから花期は過ぎていて花は見る事もなかったのだが道路沿え20本ほど植えてあった。

 公園でもなく人々の往来する場所でもないところに植えた根拠は分かりかねるが、湖水に灌ぐ渓谷に火薬の原料を水力粉砕する工場跡があり、昔は軍の管理下にあったと言うから「史跡整備」の一環なのだろう。
 桜は現地の人達もそれなりに楽しめるし環境被害を発生させるようなことは無いだろうが、寄宿先の周辺や名所の山域にイタドリの大繁殖が見られた。イノコログサも侵出しているようだったけれど英国の席巻振りのように「あれまっ!」と思えるほどでもなかった。しかしながらイタドリは草丈2mを超え株元の直径も握っても指先が合わぬ程の育ちぶりで、よほど環境にあったものと見える。

      敷地内の八重桜        火薬工場跡の桜列植

            庭の周囲のイタドリ群落

                      シャクナゲ、説明は日本産とあったけれど…      

   


干支のプルトイを作る 3

2019-01-22 | 何よりの楽しみ
 猪のプルトイは車輪を付ける直前でストップしたままであった。動物積み木がムーミン積み木に脱線し雛段飾りへとまたまた脱線してしまった結果でもある。
 ここまでくるとイベントまでの日数はお尻に火が付いたカチカチ山、いぼ痔に切れ痔の花咲き山状態になっている。躍動感を出すための偏芯輪はジュータンなどの上での動きは良いけれど固い床やテーブルの上では荷重の変動に車輪の摩擦が伴わずスリップしてしまう。アクションを維持するにはスリップしないように摩擦係数を上げる工夫がいる。

 これを防ぐためにゴム製のオーリングを装着せねばならず、そのために新たな車輪を成形途中で木工旋盤の治具が壊れてしまった。芯孔を開けたくなかったから、これが無いと加工が出来ない。そのうえ必要なオーリングが1セット分しか店頭に無く、やむを得ずアクションは取りやめにした。通常の同心軸での回転車輪にする。

 しかしながら車輪へ軸を通す穴は穿ってあるからダボを埋め込み新たな軸芯孔を開けなければならない。こういう結果をもたらすのはひとえに前回の経験値を忘れての準備不足、計画性のなさ、泥縄式、脱線好調に由るもので、まことに遺憾であると言わざるを得ない。お寒い仕事ぶりは大寒のせいばかりでは無い。

 偏芯軸孔を埋める   ➡   アクション無しの普通のプルトイになって、おまけの瓜坊

 ようやくの完成を見たが勿論、歓声など起きるはずもない感性状態で、このオーリングを装着しないだけで原価が500円やすくなる。材料費は廃材でただ、サンドペーパーや糸鋸などは消耗品で原価に入るが、オーリングを組むと採算割れである。客筋は加えた価格では購入しないのが経験則としてある。
 早い話、凝った玩具で高くなるより、安くてそこそこの物、数百円がご希望と理解するが、作り手としては創作意欲減退の結果が見えるイベント出品でもあり、適正価格だと売れ残るので、そんなこんなで残りは施設へ直行がお約束。「廉かった!」と思われるよりストレートで喜ばれる方が良い。
 まあ、人のために作るのではなく己のために制作するのだ…。

ムーミン谷の段飾り

2019-01-21 | 何よりの楽しみ
 イベントまで指折り数えて足りる日数しか無くなったと言うのに、脱線はもうしないと固くお天道様に誓ったというのにまどろみ刻とは恐ろしいもので、またまた引きずり込まれてしまった。
 深夜、用を済ませて「寒い寒いもうひと眠り」と目を閉じたところに「まだ寒の内か、春はまだ先だ」と思ったのが悪かった。春は弥生、弥生三月は桃の節句なのである。二度わらしは赤いベベ着て「春よ来い、早く来い」と呼んでいるだけだ。

 桃の節句なら段飾り、ムーミンで作ってみるのも面白いか…と目が冴えてしまった。全く変な時間に魔がさすものである。全く深夜に逢魔が時とは・・・。
 三段飾りにするには上段はムーミンとスノークのおじょうさんで決まり、三人官女は女性ばかりだからムーミンママとリトルミイにミムラねえさんで決まる。五人囃子はムーミンパパ、スナフキン、スノーク、トゥーティッキまでは揃うが1人不足する。ニョロニョロは橘と桜の飾り代わりに立たせるのでもう一体キャラが必要になった。あれこれひっくり返してヘムレンに落ち着いた。

 そんなことで朝から形を決めて二体だけ切り抜いた。何とかそれらしくは見えたが雛段が残っている。家には板材が無いので拠点道具小屋まで出かけた。端材ばかりでも小物だから十分に間にあった。直線部分は拠点で加工し組み立ては自宅で行う。
 上段の背後は雛段らしく金屏風にする予定だったものの組み立て途中で変針して大樹風のシルエットにしてみた。この方が物語には調和しそうに思える。樹冠部分と雛段はフェルトを張る心算だったけれど手芸店に出かける時間が惜しくて塗料もあったから塗装で済ます。

 これでイベント直前の貴重な1日が終わってしまった。更にそのうえ、またまた深夜に逢魔が時がご来臨して「童話や童謡の世界観」なんて大層なフレーズを耳に残してくれたから、またまた半日を潰す羽目になった。この泥沼悪癖はどうしょうもない。
 とりあえずの爺我自賛、得心の一品は「大きな栗の木の下で」の歌の世界とムーミン谷での「大きなカブ」曳き抜きの物語を抱合しイチゴサッテモウシタモウシタ、鍋の底ガーラガラ・・・。

 三歳児にキャラクター一体づつ見せたら名前を言い当ててくれた。とりあえずは「それらしく見える」事が確認できたものの、二度わらしの吾輩としてはやる事成す事、幼児チックになってしまうのは致し方ない。相変わらず肩は痛いのだし…痛む肩を抱えての工作はホントにウントコショ、ドッコイショであるのだ。この段飾り、小生的には展示して拍手喝采やんややんや途切れる事無し、のもくろみだが孤老はチヤホヤされる事に飢えているもんで、まあ、独り木を植えていると飢えや渇望までも育ってくる。

 余談も余談、全くの蛇足なのだが我がフイールド辺縁部の南向き畑跡は刈り払いを続け植栽予定地になったままだ。ここを地場産業を支える意味でウルシを植えたいと思っていた。苗木は50本単位なら調達してくれる団体がある。しかし小生はウルシにかぶれるので躊躇していた。
 たまたま県の担当者が見学に来た折りに話しに出したのだが、後日「県と市で地場産業支援の方途を協議中なのでストップしてください」のメールがきて、少々おかんむり、なにも不都合など存在しないし先送りすれば立ち消えになるだけなのに…。ウルシを採取出来るのに10年かかるし…。
 我が姥捨て谷は公とかかわると鬱憤がニョロニョロと生えてくる。 

動物積み木、ようやく完成

2019-01-20 | 何よりの楽しみ
 「森の市」に出品予定の動物積み木の仕上げが終わった。拠点道具小屋のコンプレッサーで細かい埃を吹き払って清掃する。見た目にほこりなど付着していないように思えてもエアーガンで圧縮空気を吹き付けると一体一体は小さくても埃が吹き飛んでいく。

 この中から材質の悪いブロックを外さなくてはならないが大まかに数えても10体程度に収まりそうである。最終的に作った数は「動物積み木」として156体、「ムーミンシリーズ」として56体だった。ムーミンシリーズは10種作ったが2体しか作らない種類もあるから、これらを10体で揃えれば総計で250体にはなるだろう。
 どちらにしろムーミンシリーズの56体はバースデープレゼントに使う予定で、セット展示をし対象年齢の興味の程度を観るためで、いわばアンテナショップの展示品に近い。

 動物積み木は156体あった。それぞれ10体以上を作ったが数は揃っていない。サイズを少しだけ大きくしたブロックはヤマザクラを用いた。ブナの端材では採れないサイズで、猪だけは当年の干支なので20体を超えた。プルトイに付属させる子猪は全体を丸く削り出し立体的にしてみた。
 イベント当日まで10日となって未完成の出品物を大急ぎで完成させねばならないのだが、フイールド作業もやりたいことが目白押しで気が揉める。
 今季、表土の凍結に至っていないので水辺の保全作業が行えるし、日を空けて見回りをするたびにウズウズしてくる。この切羽詰まった時になると脱線したくなる傾向は「逃げ」なのかと思ったりもする今日この頃だ。

            

               ムーミンシリーズ     2体づつのブロック

 

南三陸町の茎わかめ

2019-01-19 | 何よりの楽しみ
 知人を通して時折手に入る塩蔵ワカメなのだが、今回は茎わかめ一袋が手元に届いた。どうして食べようか、佃煮風に作ろうかと思案の挙句、佃煮では楽しみが長く続くが思い切ってモリモリと、いいえ海の物だから「うみうみ」と食べる気になった。しかしながら「うみうみ」と駄洒落てしまっては美味しそうな片鱗も無い…。

 塩抜きをしたらどんぶり鉢に山盛りの量で、これにマイタケ二袋、鳥の胸挽き肉300gを出汁醤油と料理酒、砂糖に七味唐辛子で小生好みに味付けしてみた。いつも通りのレシピなどない料理で、要は美味しく食べれれば良いのである。それでも今回は疲労回復に胸肉、免疫力アップにマイタケ、三陸のミネラルたっぷりの茎わかめと、最近まれに見る優良副食となった。

 夕食に小鉢に盛っていただいたのだが、佃煮風でなくお惣菜風の味付けをした事もありお代わりしながら3杯も食べてしまった。
 やはり肉厚で歯切れの良い食感は美味しさ感が増す。止められない止まらないの一品になってしまった。見栄えと言えば写真の通りで「なんだこりゃー」の類であるけれど、爺我自賛、満腹安眠で日日是好日である。
 まあ、どんな高級食材、高級料理を食べたところで最後は統一規格になってしまうのだから無駄を省くのも料理の大事な要素…。

        材料を準備    ➡     出来上がり

**老々葬送

2019-01-18 | 今はうたかた
         同胞も離れ離れで歳老いて葬儀の席も生きて欠けたり

         認知症耳遠ければ弟の死も届かぬ長姉ありのまま生く

         心せど農夫症で歩けぬ身長兄拝す電話の向こう

         母浴びた産湯の沢に溶ける灰わけた御魂に安らぎ願う

         塵となり地に還りゆく三兄をいとおしむかな指の先々

         同胞の葬儀に揃わぬ歳なれば先は寂しき事ばかりなり

更に飴玉をしゃぶらせた…

2019-01-17 | 何よりの楽しみ
 動物積み木の制作が脱線したまま戻らない。単なる思い付きが主力の様な有様になった。それを元に戻すべく区切りを付けると思い立ったにも関わらず寝しなに「どうもキャラが不足だ…」と泥沼に陥ってしまった。頑張ってもギャラは発生しない工作である。

 フイールド作業に行けば玩具の制作が遅れるから、この日も自宅でわれとわが身に飴玉をしゃぶらせて泥沼から脱出を図る。既にムーミンのキャラクターは7種を作っていたから区切りの良い10種とすべく三種を用意した。
 スノーク、ミムラねえさん、トゥーテッキである。ニンジンで作ったのと飴玉として作った分は各々2体づつであるが、これらを10体づつ揃えるとなると本当に本末転倒になってしまう。出来栄えはともかくとして積み木として遊べるかどうかが大事なのが積み木だけれど、このムーミン積み木は動物積み木より組み難いだろう。

 イベントで販売は出来ないキャラだから展示して幼児の反応を参考に「お誕生日プレゼント」にでもする心算である。どちらにしろ幼児の遊びアイテムだから積み木にするにしろ見立て遊びに使うにしろ本人次第であって、要は好まれるし危なくないかどうかが肝要だ。
 仕上げの磨きを済ませ数を数えたら56体あった。「森の市」まで指の数程の日数なのに我ながら良く脱線したものだ。

 ここまでやってようやく本線に戻る気分になった、と言うよりお尻に火がついている…。