トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

トンボのお宿は谷田の里

2008-10-31 | 小父のお隣さん

Sn3d0318Sn3d0172『しっとりと 露を含んで糸トンボ』

『糸トンボ飛び様淡し朝の霧』

『尾根影はトンボ稼いで蝶は留守』

『蝶トンボ人為欠ければ棘の藪』

谷地は自然であって自然でない 刈り休んだだけで藪に戻っていく

その逞しさと速さは驚嘆に値するが その中で

か弱くも敏なのは 遷移を奏でる彼女達だ 舞台ごとの役者に似ている

草地は敏感肌の様でもあるし 胎盤の様でもある

かくも里山とは手が掛かる

生活との係わりが切れているから 意図してやるが これも危険因子だ


故郷は遠くなりたり

2008-10-31 | 感じるままの回り道

『均じれば齢過ぎたり六十路森の中でも老老支援』

『竹粗朶の山で跳び舞うガキ翁』

『秋の雨降れば小父の背三尺に』

『菱の実の渋さそのまま殻のしわ」

菱の実を頂いた 何十年ぶりのご対面だ

沼で遊んだ夏の日が思い出される

古代 菱の実は美女を形容したとも記憶にあるが

それにつけても 職を離れてはや数年

こんな顔で勤務をしていなかっただろうか


心読むのは

2008-10-30 | 今はうたかた

Sn3d0427_3 『遷延性意識障害とは言えど音楽輪声和みたる顔』

『浴槽の台が登りし湯上りに水仙見ては春だなとボソ』

『萎えたれば指を這わせて腕を上げ窓の施錠を外したる君』

『親方と呼ばれて今は脚も無く始末頼むが辛いと漏らし』


高嶺寒空 遠あかね

2008-10-30 | 小父のお隣さん

Sn3d0332 『七色の秋の木の実のとりどりは実りの秋のカーニバルかな』

『カネタタキコオロギも去り長き夜気づけば霜降はや立冬』

『派手な実は酸いて残りし地味な実が先に食べらる木の実面白』

秋の実は 赤色が多い気がするが アケビ クサギ ヤマブドウなど

比較的地味な色合いの実が先に食べられていくように思える

ガマズミ タチバナモドキなどは美味しくないのだろう 主張は強烈だが

同じ赤でも フユイチゴは美味しいが アキグミは渋いから

必ずしも当てはまらないだろうが 自分ではそう感じている


溢れる息吹をなんとしょう

2008-10-30 | 遊び子は

Sn3d0428 『戸を開けて庭に散り出る遊び子よ我慢の一刻既に出来たり』

『五体曲げ溢れる笑顔奈の瞳苦悩は何処動けぬ日々の』

『陽を浴びて清拭受けし遊び子に桜吹雪と芝の眩しき』

『にじり寄る眼差し強く物追いば更に燃えたる同僚おかしき』


登り降りも里のうち

2008-10-29 | 今日は真面目に

Sn3d0339『林内に立ち入る人に尋ねれば引率下見うれし汗の日』

『道普請子等が通ると知りたれば拳握りし僅かに上げて』

『涼やかで身体は楽になりたれど努めて憩うリズム守りつ』

Sn3d0338

『無残なり民有なりし竹やぶは見るも拒絶し荒れるに負かせ』

このフイールドで活動3年目になった

ようやくトレイルを歩こうとする活動に出会った

まだ十分とは言えない状態だが 両脇も見通しもそれなりに安心できるようになってきた

まだ常時 歩く人たちが居るという状況ではないので

夏場は踏み跡さえ見えなくなるほど 草が生い茂る所も有る

刈らねば人は入らないし 刈っても入らないし 夏はジレンマの季節だ

今日 やっとメインルートの人工林内の整備が一段落した

地下水路穴が見つかったので それを避けてルートを移し

斜面に手摺を付けて ルートを明瞭にした 倒木処理が多くて堪えた


渋い花の華

2008-10-29 | 小父のお隣さん

Img_9674 『夏半鐘落葉の秋はかざぐるま』

ハンショウヅルは大好きだ この秋初めて種子を見た

かざぐるまの様でもあり 回転するスプリングクラーのようにも見える

チングルマもこんなようだった記憶があるが 随分と昔の記憶だ

花と同じで控えめだ 気がついた人はいるのだろうか

薄暗い葉陰で凛とした風情が又いい

『なんとまあハンショウヅルだだあい好き』

目立たないけど 目にすると見入ってしまう

手に取ってみたい誘惑があるが やはり野に置けと思い直す

それにしても 低いところで咲いて欲しい まだ手が届いた事はないのだ


あっち向いてチョン こっち向いてガブッ

2008-10-29 | 小父のお隣さん

『迷い蟻パン屑落とす鼻の先』

『何時の間に首に登りし山蟻よ』

『この蟻は何たる無頼噛みに噛む』

『今日もまだ何日続く蟻の列』

卵なのか繭なのか 蟻の行列が何日も続いている

狩りか引越しか知らないけれど 天文学数字に思える行列だ

昼夜を問わずやっているのだろうか


夜も目覚め 朝も早い

2008-10-28 | 今日は真面目に

『寝入りつつ明日の段取りつらつらと思えば目覚めてトイレに立てり』

『夜半目覚め出かけることも叶わずばせめて忘れじ枕メモ取る』

『朝の五時まだ明けぬ空眺むれば一人二人と散歩人過ぐ』

『陽良くてトレイル整備はかどれば夕食満ちて睡魔の襲う』

今朝は最低気温を観測したそうだ

屋外の仕事は快適で 林床保護も含めて斜面に手摺をつけた

これで三々五々 好き勝手な上り下りを防げれば 植生も回復の期待がある

この地層の特性なのか 林床に水道の空洞が出来易い

従来使っていた部分に穴が見えて 2メートルばかりの丸太を差し込んだら

全部入ってしまった

11月には子供達が入山するとの事なので 急遽ルートを付け替えることにした

径40センチを超える倒木も含め 処理でチェーンソーを用いたが

今は腰が痛い 明日は新ルートの下草を刈る それで一安心だ


青の魔力 色の魅力

2008-10-28 | 小父のお隣さん

Sn3d0247 『ノコンギク陽よわ集めて輝けり』

『青磁なる椀に射られて立ち尽くし』

『霜降や明けむらさきに星ひとつ』

『ツユクサの碧き深淵我を呑む』

ツユクサなんて ありふれた路傍の雑草だった

でも今日は違った 花びらの青が我を吸い込みそうだ

紺碧 真っ青 藍なんでもいい こんなに綺麗だったとは

それで思い出したのは

子供の頃から 青磁の飯茶碗に限って胸が妖しく躍ることだ

藍染 イスラムの青タイル 飛天の青

青の色彩には魔力があるとしか思えない 


十人十色

2008-10-27 | 遊び子は

Sn3d0425_4 『遊び子と街連れ行けばある人はもろに指差す飾りたる君』

『立ち止まり屈めて話すかの人の老いし背中の円くて温し』

『遠くから見たり半兵衛する人もどちらも同じ気に掛けたるや』

『親なれば胸の怒りは子のためと忍んで辛し救いの笑顔』


土地の違いか遺伝子か 2

2008-10-27 | 小父のお隣さん

Img_9731Sn3d0333  右は他県での研修地でみたクサギの花だ

当地のものより花びらの幅が太かった

よく見ると違いはあるものだ

「観察していますか」と講師に問いかけられたが スズメでさえ国内の4種類のうち

当地はどれかなんで気にもしなかったのが現実だ

Sn3d0331 これも研修地で通りすがりに見かけたもの

種子らしいが なんの種子か見当も付かない


蜂が来れば思い出す

2008-10-27 | 小父のお隣さん

1959595_img1959597_img_2『道それて我一瞥し飛び去りぬかのスズメバチ手間を惜しまず』

『スズメバチ刈り葉の上を飛び交えば刈り手休めてしばし休息』

『スズメバチ周回したり無視したり』

『師走だに女王何処巣に卵』

日中スズメバチの飛行が頻繁で 竹林作業区域に巣穴があった 

師走の28日 最低気温になる未明に完全防備で急襲した

専用殺虫剤5缶噴射する

地下坑内より咆哮にも似た羽音が15分ほど続いた

体温が上がらず飛行できないだろう の読みどおり

反撃飛行叶わず 沈静化した

高さ50センチ 径40センチを超える立派な巣だ

幼虫多数 働き蜂48匹回収したが 女王蜂は判別できなかった

それよりも 冬季に産卵・育すう・飛行とは何たる事と

恐れ入った次第

今もって恐ろしい存在だけど この時から感心して眺める自分がいる


起承転結 短歌の場合

2008-10-27 | 勢子、雨毒に侵されて呻く

Img_9628 『昼夜と咲き分け御免まつりごと民にはよらず物の怪による』

『出る妄言不祥事流用無駄使い出ない年金減る生活費』

『なさぬのは責の取り方成す術は異動更迭鉄壁防御』

『百薬もこのていたらく意志に水 二の山へは百厄続く』

Sn3d0155 上はイチヤクソウ 下は雲南百薬 どちらも効きません


家族点描

2008-10-26 | 旅行記

『手を引かれホーム歩きし老婦人足元見つつ黙し歩きゆ』

『子の背にはリード付きたるリュックなり去りゆく車両指して追い引く』

『舞岡の谷地に歩を向く家族等の健やか振りを想う後先』

『パークなる かのビッグ等と 異にすれば 連れ出す親の 育み麗し』

『吾吾と出す 赤子の声に 歩を止めつ バギー覗きて 声かける母』

『何事か家族の覗く小川見ゆ赤きザリガニ紅葉のごとく』

『今はまだ家族にあらじ母子と彼我に道聞き芋下げて行き』

『幸薄き母御のように見えれども彼と娘の自然さ微笑し』

近くに昼飯を食べる場所も無かったので コンビニで買った握りを食べていたら

親子4人連れがトイレを使いたいようで 母娘が駅のトイレに向かっていった

一人残った父親が「横浜方面はどっちですか」と尋ねるから

地図を示して教えたが 「家族サービスですか 大変ですね」というと

「まだ家族ではないんです 近いうちにはなると思います」とのことだった

いろいろな事情があったとしても彼と娘二人のかかわりが自然で

そんな時代はとうに過ぎた小生には いささかうらやましかった次第