インビジブル・ターゲット

2008年07月05日 | 映画（あ行）

（原題：男兒本色／INVISIBLE TARGET）
【2007年・香港】試写で鑑賞（★★★★☆）

３人の警察官が凶悪な爆破強盗団に挑んでいくポリス・アクション映画。

香港の繁華街で白昼堂々現金輸送車が襲撃され、１億USドルが奪われる事件が起こる。爆弾を使った大胆な手口。その現場近くにいた、香港警察のチャン刑事（ニコラス・ツェー）の婚約者は爆発に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。それから半年。彼女のことを忘れられず、抜け殻のようになりながら武器密売人を追いつめるチャン刑事。一方、過激な捜査で知られるフォン警部補（ショーン・ユー）は、不振なバンを発見し、職務質問をかける。そのバンに乗っていたのは、半年前に現金輸送車を襲った一味だった。ボスのヨンサン（ウー・ジン）らは、軍隊経験を積んだ戦闘のエキスパート。圧倒的な強さを見せるヨンサンらに打ち負かされるフォン警部補。しかも拳銃の弾丸を飲まされるという屈辱的な仕打ちを受けてしまう。プライドの高いフォン警部補は、汚名を晴らすために行動を開始する。そして、心優しいワイ巡査（ジェイシー・チャン）は、潜入捜査で行方不明になった兄のタツ（アーロン・クォック）の帰りを待ち望んでいた。ある日、特捜のロー警視（マーク・チェン）から、半年前の襲撃事件の容疑者としてタツが疑われていることを知らされる。兄の無実を信じるワイ巡査。そんなワイ巡査の元にヨンサンの行方を訪ね、チャン刑事とフォン警部補が現れる…。

どことなく80年代の香港映画を彷彿とさせるポリスアクション映画。
やばいくらいにカンフー・アクション満載。
「WHO AM I？」「香港国際警察／NEW POLICE STORY」「プロジェクトBB」などで、ジャッキー・チェンと組んでアクション映画を撮ってきたベニー・チャン監督の本領発揮です。

フィアンセの仇を討つため復讐に燃えるチャン刑事。
犯人に弾丸を飲まされるという屈辱を晴らそうとするフォン警部補。
兄の無実を証明しようとするワイ巡査。
３人の警察官がそれぞれの想いを胸に秘め、協力して凶悪犯に挑んでいく。
この３人のコンビネーションがまたいいのですよ。
ジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンのコンビを彷彿とさせてくれます。

しかも３人ともハンパないアクションを魅せてくれます。
ニコラス・ツェーとショーン・ユーは、「かちこみ！ドラゴン・タイガー・ゲート」でものすごいアクションを見せてくれたけど、今回はちょっと違ったベクトルのすごいアクション。
ヤマカシを思わせるビルからビルへの逃走劇。
バスに撥ねられる危険なスタント。
ジャッキー全盛期の香港映画を観ているよう。
そして、「ツインズ・エフェクト２／花都大戦」でデビューを果たしたジャッキー・チェンの息子、ジェイシー・チャン。
歌手として活動し、父親とは別の道を歩んでいるジェイシーだが、今作ではジャッキーさながらのアクションにチャレンジしている。
とにかく男だらけの"漢祭り"映画！
ワッショイ！　ワッショイ！

そして圧倒的な強さを見せる強盗団。
「ドラゴン・スクワッド」でも警察を凌駕する戦闘のプロフェッショナルが出てきたけれど、悪役が魅力的な作品はワクワクします。
強盗団のボス・ヨンサンを演じるのはウー・ジン。
武術のエリートを養成する機関・北京武術隊の出身で、４度に渡り中国武術チャンピオンになったことのある人物。
「SPL／狼は静かに死ね」でも、ドニー・イェンと壮絶なアクションを繰り広げてました。
次回作が楽しみな俳優さんです。

ともやが80年代の香港映画を彷彿とさせると言うには、もうひとつ理由があります。
とにかくアクションでガラスが割れまくるんです。
これって香港映画の伝統なんですかね？（笑）

監督＆脚本はベニー・チャン。

2008年８月公開
公式ＨＰ：インビジブル・ターゲット