能率技師のメモ帳 中小企業診断士&社会保険労務士のワクワク広島ライフ

マネジメント理論を世のため人のために役立てるために・・・経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

世界遺産宮島 貴族気分の七浦めぐり チャーター船で宮島を一周 宮島検定でパワースポット巡り

2012年04月30日 | 旅行記

ゴールデンウィークを利用して、宮島に行ってきました。


昨年、合格した「第六回 宮島検定」のご褒美として廿日市商工会議所から招待されました。

このご当地検定は、地元の商工会議所が毎年冬に開催しているもので受験者数は約100名。

世界遺産宮島の歴史、自然、動植物などについて四択式の出題。


0点以上で合格(ブロンズ認定)。

0点以上でシルバー認定。

90点以上でゴールド認定。


今回は、ラッキーにもゴールド認定をいただき、無料招待いただいた次第です。


昨年、今年のNHK大河ドラマ「平清盛」にちなみ、一人プロジェクトである「キヨモリ・プロジェクト」を企画。

約1か月の受験勉強を展開しました。

テキストは、廿日市商工会議所から出ている「宮島本」。

これ一冊で宮島通になること請け合いです。

宮島フリークの私としては、かなりメジャーになってきた京都検定と並ぶぐらいになれば、と願っているところです。


宮島の魅力・・・。

それは、海、山、自然、神社仏閣がコンパクトにまとまっているところです。

京都、奈良も素晴らしいですが、宮島の場合は、全てが徒歩圏内に集中しているところ。

箱庭的な感覚で楽しむことが出来ます。

特に、海の存在は神秘性を高めるための舞台装置となっており、宮島に渡る際のフェリーに乗った時点からワクワク感が高まります。


今回の企画は、宮島検定の認定者を対象に、船をチャーターし、宮島を一周しようというもの。

これは、平安時代から続く1000年以上の歴史があるとのこと。

当時の貴族や皇族の方々が船に乗り、宮島を一周することにより、宮島パワーを獲得しようというものです。

高倉宮などの日記が残っています。


安芸の宮島廻れば七里 浦は七浦七恵比寿


宮島の海岸線には、七つの神社が建立されています。

中には、船でしか参拝できない神社もあり、海と神社が密接に結びついているのです。


貴族気分で、宮島をクルージング。

楽しい一日でした。

Img_0404_2

聖崎灯台。宮島の最北端。

この灯台は、今ではソーラー発電で船の安全を守っているとのことです。

Img_0407

神秘的な雰囲気。

海からしか参拝できない海の神社です。

Img_0413_4

この船でクルージング。

子供のように船長さんの横に乗りました。

Img_0415_2

宮島の大鳥居。

この間の爆弾低気圧の影響で破損。

六月中旬まで修復作業が続くとのことです。


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「年金」論争を楽しむ 定年後、会社にしがみつくべき人・・・60歳以降を、どう生きるか?

2012年04月30日 | 本と雑誌

このゴールデンウィークは久々の読書三昧。

前半は、ずっと関心のあった年金関連の書籍を新書を中心に多読しました。


「年金は本当にもらえるのか?」鈴木亘著 ちくま新書


「定年後 年金前」岩崎日出俊著 祥伝社新書


「いま、知らないと絶対損する年金50問50答」太田啓之著 文春文庫


少子高齢化が進む日本社会の中で、かなりのムリがきている年金制度。

高齢者の多くが老後の生活の基盤としている年金制度をいかに存続させ機能させていくか?というテーマです。


個人年金的な運用をすべきだという積立方式論者、いや世代間が支えあう賦課方式を継続すべきだという賦課方式論者。

前者は、新進気鋭の学者、鈴木学習院大学教授の説。

後者は、朝日新聞の太田氏の意見。

積立方式では、勤労層の二重負担問題が発生する、運用を間違えるときわめて低額な年金になってしまう、デフレに弱いという問題点・・・、そして、賦課方式は少子高齢化に耐えられない、勤労層に多大な負担が増加し続ける・・・といった課題。

本当は、どちらが正解なのかを考える上で、この2冊の新書は大変参考になります。


また、これとは少し違う観点から書かれたのが「定年後 年金前」。

副題にあるように「空白の期間にどうそなえるか」について書かれた岩崎氏の著作です。

男性の場合、1961年以降に生まれた人は65歳からの老齢年金の支給となります。

60歳定年が主流を占める現在、この空白の5年間をどう過ごすかというテーマです。


岩崎氏(スタンフォードMBAホルダー)は、定年後は再雇用か個人事業により収入を稼ぐことを推奨。

働き甲斐やいきがい獲得のためにも、わたくし自身もそうあるべきだと思います。


この書籍の最終章で、定年後に個人事業をやるべきでない人、つまり何が何でも再雇用で会社にしがみつくべき人を例示しています。

でも、そんな人が同じ職場にいたらイヤだなあ!?と感じたリストアップでした(笑)。


1.腰が重い人

2.批評家 評論家

3.権力につがみつく人

4.仕事の話しかしない人

5.ゴルフと麻雀の話しかしない人

6.テレビと週刊誌しか見ない人

7.同期や同僚が気になって仕方ない人


組織に属する社員の平均年齢があがり、こんな再雇用社員ばかりになると大変です。

会社としては、経営としては、個人事業を起こせるぐらいの気概と実力をもったシニアを雇いたいものです。


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パンとサーカス 日本の自殺」を読んで・・・日本はローマ帝国の衰亡から何も学んでいない???

2012年04月29日 | 社会・経済

朝日新聞の記者が1980年代に書いたとされる「日本の自殺」という論文。

わたしのクライアントから、このコピーをいただき一読しました。


同論文によると、日本の現状が、崩壊したローマ帝国の末期にあるというロジック。

国にたかり、自分の権利だけを主張し、パンと見世物だけに価値を見出したローマ市民。

国家は、外敵や自然災害によって崩壊するのではなく、内部の諸事情によって倒れていくという事実が、この論文の主旨です。

テレビを見れば、安いタレントを使ったパライティやクイズ番組、将来なくなるかもしれない国民年金を払わないで最後は生活保護に頼ればよい・・・。

義務よりも権利主張を重んじる風潮、打つ手打つ手が空回りする政治、国際競争から取り残されつつある日本経済・・・。

まさにモラルハザードに直面している現代日本・・・。

ホントーに大丈夫なのでしょうか?


古代のギリシャ人、ローマ人からの教訓が生かされていない・・・。

そんなことを考えながら、ゴールデンウィークの喧噪を避け、河岸で読書を楽しむ一日です。


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社長の発信力ランキング 日経ビジネスの挑戦・・・言葉の力が企業を強くする

2012年04月28日 | 本と雑誌

最近の日経ビジネスは、なかなかチャレンジング。


4月30日号は、「社長の発信力ランキング-言葉の力が企業を強くする-」。

なかなか定量化できない定性情報をいかにランキングするか?

今回の特集では、半年にわたる同編集部の葛藤が「前例なき調査に挑む」と題し2ページにわたり掲載されています。

編集部員の疲労、いらだち、葛藤などがリアルに伝わってきました。


また、孫社長や柳井社長への突撃インタビューは、経済誌にありがちな建て前論ではなく、ややもすると芸能リポーター風の突っ込みがあったように思います。

一読者としては、大賛成です。

経営者のホンネトークは、まさに「発信力」そのもの。

それを社会部記者や芸能担当記者のような突っ込みインタビューで引き出ししていく・・・。

これは、アリだと思います。

今週号の社長インタビューだけでも十分読み応えありです。


ランキングは、ほぼ想定の範囲内でした。


「社長の発信力ランキング」

第1位 ソフトバンク 孫社長

第2位 ユニクロ 柳井社長

第3位 日銀 白川総裁

第4位 トヨタ 豊田社長

第5位 楽天 三木谷社長

第6位 日産 ゴーン社長

第7位 スズキ 鈴木社長

第8位 関西電力 八木社長

第9位 ホンダ 伊東社長

第10位 日立 中西社長


ランキングでは、100位の東電西澤社長まで100名がランキングされています。


総合得点という指標があり、孫社長が2位の柳井社長の倍の6万ポイント強。

ダントツの発信力です。


組織力のトヨタ社長と個人芸のスズキ社長との対比では、結構笑わせていただきました。

日経ビジネスの挑戦に拍手!です。


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リーダーの条件 それはフォロワーがいること・・・管理職は大変です・・・

2012年04月26日 | マネジメント

リーダーはつらいものです。

特に、下降局面に入った場合、そのストレスは大変なものです。

責任は重いし、最後はすべて自分が引き受けることになります。


逆に、部下の身分はある意味、チョー楽です(でも、いろいろと悩みはありますが・・・)。


上司は選べませんが、自分自身の態度は自由自在です。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない・・・」みんなで無視すれば、リーダーはリーダーでなくなります。


リーダーの条件 それはフォロワーがいること」。

これは、ドラッカー博士が残した言葉。

ある意味、管理職は大変なポジションです。


ついてくる人がいなければ、それはリーダーとはいえません。

リーダーとフォロワー、それぞれが自分の役割を今まで以上に演じなければならない時代になったような気がします。


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自由が丘の日々 愛と青春の旅立ち・・・初めての一人暮らし・・・オカジューで得た自由と独立

2012年04月22日 | 日記・エッセイ・コラム

十代の最後、親元を離れ一人暮らしを始めました。

不動産情報を調べ、選んだ地が「自由が丘」。


当時は、インターネットもなくアパマン誌などで探したのだと思います。


夢と希望にあふれ何でも出来そうだった、あの頃。

「自由」というキーワードがココロをとらえたのだと思います。

1980年代の自由が丘は、今以上に若者の街で、ファッショナブルな男の子、女の子が闊歩する街でした。

ジョージタウンと呼ばれた吉祥寺、シモキタと呼ばれた下北沢と並び、自由が丘は、オカジューなどと呼ばれていました。


この街は、東急電鉄が中心となって形成された山の手のターミナル。

お隣は高級住宅が立ち並ぶ田園調布です。

自由が丘駅の西口は、都市銀行、証券会社、信金などのビジネス機能とアパレルショップ、セレクトショップ、スイーツ系、ケーキ屋、カフェといった女性ターゲットのファッショナブルゾーンで構成。

歩くだけでも楽しいエリアです。

いっぽうの東口は、ガード下文化が根付いており、居酒屋、飲み屋、牛丼屋、立ち食いソバ屋などが林立しています。


自由が丘らしさは、自由が丘1丁目~3丁目に立ち並ぶ高級住宅街。

歩くと、本当に「丘」であることを実感できます。

一軒一軒がオリジナリティに溢れ、ガレージにはBMWやメルセデスが止まって

います。バブル経済に向かう日本経済・・・。

土地は高騰し、ビジネスパースンも皆イキイキと働いていた時代。

4時間戦えますか?

自由が丘もアンナミラーズに代表される華やかなる輝きに満ちていました・・・。

わたしは蚊帳の外・・・。


友人と飲みに行くのもガード下系。

歌舞伎町と変わらぬ煩雑さと庶民パワーがそこにはあります。

今は天然記念物のようになっていますが、当時の自由が丘はかなりの喫茶店が存在していました。

そこで働くウエイトレスの女性は、東京の中でもトップレベル・・・。

学生の憧れでもありました。


当時、住んでいたのが、この高級住宅地に隣接する老朽化したアパート。

老夫婦が大家さんの学生相手のオンボロアパートでした。

四畳半、トイレ共同。

家賃は一万円程度だったと思います。


初めての一人暮らし・・・。

夕刻になるとホームシックにかかったことを覚えています。

お世話になったのがガード下の牛丼屋や蕎麦屋。

自由が丘デパートという不思議な商業空間、武蔵野館という映画館、洋菓子モンブランを初めて作ったというケーキ屋さん・・・。

オカジューは、とても面白い街でした。


当時はコンビニもなく買い物に行くのも大丸ピーコック。

インスタントラーメンを買いに行ったところ、いわゆる袋メンはなく、高級インスタントラーメン「中華三昧(ハウス食品)」しか置いてなかったことを覚えています。

ここは山の手、生活も結構たいへんです。


持つものと持たざる者・・・。

生まれて初めて「格差」を認知したのです。


高級住宅と四畳半ボロアパート・・・フレンチレストランと立ち食いソバ・・・高級外車と満員電車・・・。

自由が丘は、そのギャップを認識できる「場」だと思います。


中原中也ではありませんが、「思えば遠くへ来たもんだ。今では女房子供持ち・・・」。

よくここまでやってきたよな~と自分で自分をほめてあげたいと思う今日この頃です。

マンションのローンも終わったし、それなりの車もあるし、適度な貯蓄もあるし・・・。

あの時の憧れや焦り、嫉妬心が自分自身を押してくれたのだと思います。


あの時、自由が丘で感じたこと、考えたこと・・・。

基本、あまり変わっていない自分に、少し安心する1日でした。


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スタッフだって大変だ!もう「会社ごっこ」はやめにしませんか?スタッフのボヤキとラインのマゾ化・・・

2012年04月21日 | マネジメント

ニッポンの会社。ラインは大変で、スタッフは天国だ、という話を書いたところ、友人から抗議のメールが届きました(笑)。


「スタッフだって、大変だ!」


彼は、大手企業の内部監査室に勤務している会計士の資格を持つ友人。

小職と異なり、緻密な分析やロジカルに何事も構造化し説明できるというスゴ腕。

「人間らしくやりたいな、人間なんだからなあ」をポリシーとするわたしに対して「甘い!」と決めつける厳しい会計マンです。


彼曰く・・・

「株主から預かった資本、組織が正常に機能するよう、またコンプライアンス上の不正が絶対に起こらないよう我々は日々努力しているんだよ。朝7時から23時まで、セブンイレブンのように仕事しているんだ。ほとんど勉強しないラインの社員を正しく導いていく、よりより会社にして株主価値を高めていくことが私のミッションだ。でも、もうクタクタだよ。飲まないとやってられないよ。」


アメリカの大学で行われた有名な実験があります。

無作為に人を募集。

それを刑務所の看守役と囚人役に分けて、それぞれの仕事の内容を説明。

刑務所を舞台にルーティンワークを進めていくと、それぞれが看守として、囚人として立ち回り始めるということです。

それぞれが「看守らしく」「囚人らしく」なってくるというのです。

ここまでは、何となく分かるのですが、問題はここから。

看守役が、囚人役に虐待や暴行を加えるようになり、囚人役もそれを甘んじて受けるようになるというのです。

結局、この心理実験はリスクが大きすぎるとして中止になったとか・・・。


今の日本の会社も、これと似たようなことが起こっているようにも思います。


コンプライアンス、内部統制、稟議、セクハラ防止、個人情報保護、パワハラ防止、何でも文書化・・・の御旗のもと、「看守」役が任命され、彼彼女は自分自身のミッションを果たすために半端じゃない努力を始めます。

何でもフォーマット化、文書化・・・今までなかった書式がイントラ上にアップされ、囚人役のライン、現場は翻弄されます。

当初は、ブーブー不平不満を言っていた反乱分子も、半年も立てば、本業を横に置いても、完全なる社内文書を作ることに専念をし始めます。


ここまで来ると、楽しい「会社ごっこ」が始まります(笑)。


何の生産性も上がっていないにもかかわらず、社内では膨大な事務処理、文書作成が行われるようになります。

そこには、わたしの友人にように有能な社員が文章や書式の一字一句までチェック、一つでも見つけると鬼の首を取ったような態度でラインに迫ります。

ここまで来ると会社も末期症状。

チェックする人間が、その存在を否定するわけもなく、この「会社ごっこ」は永遠に続いていくことになります。


大手企業にも内部統制やコンプライアンス、ISOといったマネジメント手法が入り、イノベーションやチャレンジが起こりづらくなっているように思います。

社員としてのリスクを背負って無謀な挑戦をするよりも、減点を避けて現状維持、保身のための仕事をしたふりをし続ける・・・。

サラリーマンとして賢明な選択だと思います。

かって世界を席巻した日本の家電メーカーが韓国の製造業に追い抜かれた背景には、こうした社員力、組織力の要素が大きいように思います。

しかしながら、韓国や中国の製造業もグローバル化、規模の拡大が進むにつれて日本と同じ運命をたどるようにも思えます。


このままでいくと、やがて「会社」という形態も次第に機能せず、滅んでいくようにも思えます。

かっての恐竜のように・・・。


最後に、「会社ごっこ」にまつわる小噺を一つ。


実弾が飛び交う戦場にて・・・

兵士「もう弾がありません。このままじゃ戦えません。」

隊長「分かった。すぐに作戦本部に銃弾の補給を要請する。」

無線で

隊長「最前線では、もう弾薬が残されていない。早く補給してくれ!」

本部「了解した。至急、稟議書を書き、ファックスで送れ!書式は規程の第16条に従え。」

隊長「・・・」

隊長は無線を切った後、兵士に対し、

隊長「すぐに稟議書の文案と書式をまとめて提出してくれ。早くしないと作戦本部の決裁が下りない。」

兵士「了解しました!」

兵士が文書を作成している戦場・・・まさにそこへ敵の爆弾が飛び込んできて、炸裂・・・。


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スタッフ天国 ニッポンの会社は、どこへ向かうのか?本社スタッフになるというリスク・・・

2012年04月17日 | マネジメント

ニッポンの会社に横行する事務手続文化。


稟議制度、コンプライアンス、各種申請、個人情報保護、ISO手続、セクハラ・パワハラ対策・・・。

数え始めたらキリがない会社内の手続文化。

専属の社員を付けて、文書のチェックや重箱の隅をつつくようなアラさがし・・・。

最前線に立つ現場の人間は、書式チェックで大混乱に陥ります。

何も生産性をあげないスタッフの担当者は、「わたしが法律」とばかり社内を跋扈しています・・・。


日本は、いつからこんな国になったのでしょうか?


現場で必死で働く社員よりも、エアコンの効いた部屋でパソコン画面に向かう人間が評価される社会になってしまいました。

顧客不在、自社利益優先、人の痛みがわからない・・・そんな社内文化が確立されつつあります。

評論家のような、学者のような立ち振る舞いをする人間が承認され、弾が飛び交う現場で働く社員に高い評価は認められません。


まさに「スタッフ天国」です。


わたくしの友人もライン部門から本社スタッフ部門に異動。

仕事量が十倍になったとのことです。

スタッフ部門は、やろうと思えば仕事は山ほどある・・・しかし、手を抜こうと思えば一日何もしなくてもよい・・・。

朝来て、何もしなくてもよい日は、禁固刑のような「ヒマ」な一日を過ごす苦悩・・・。

ネットサーフィンをしたり、ほか職場でムダなバカ話をしたり・・・慣れれば、自分が暇なことも認識できない状況・・・。

ただ、忙しいフリをし続けなければならない・・・。

ホントーにもったいない話です。


今のニッポンは、スタッフが高い評価を得られやすい「スタッフ天国」。


ただ、社員として、

充実した一日を過ごすためには、ラインへの脱出が必要だと思います。

スタッフにとどまることは回避すべきだと思います。

三年もすれば、使い物にならない人間となるリスクがあるためです。

現場視点、顧客志向、企業文化創出といった意味からも、現在のアングロサクソン文化モドキから脱することが出来ません。


最前線に立ち稼ぐ人間、お客さま貢献、組織貢献する人が評価される日は、いつの日になるのでしようか?

スタッフ天国から、お客さま貢献に直結する組織へ・・・。


今のニッポンの会社の自己変革を心から願っている昨今です。


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プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか・・・マネジメントの原点となる一冊です

2012年04月15日 | 本と雑誌

ドラッカー・ブームも少し過ぎた感があります。

しかしながら、ドラッカーファンとしてドラッカー理論は不易流行の「不易」の部分。


いつものようにドラッカー本をペラペラと紐解いてみました。

(それにしても「もしドラ」の大ヒットは凄かったですね。天国にいる博士も、さぞ驚かれたことと思います。)


私の書斎には、ドラッカー本は20冊ほど。

自分自身のマネジメント研究の原点ともいえる一連の図書群です。


仕事で何か困ったことがあれば、「現代の経営」をめくると問題が解決できる・・・


これは、先輩からいただいた言葉ですが、この半世紀以上も前に書かれた「現代の経営」には、マネジメントのすべてが記述されています。

しかも、ドラッカー流の格調高く、社会文化の香りのする書き方で・・・。

目標による管理、組織マネジメント、経営戦略などなど、そこには直接的、間接的にドラッカー流の正解が書かれています。

本当にすごい書籍だと思います。

「現代の経営」以降書かれた経営本、マネジメント本は、すべてここから派生したものといっても過言ではないと思います。


自分自身、ドラッカー博士から最大の影響を受けたのが「プロフェッショナルの条件」。

2000年に、ドラッカー研究者の上田惇生先生によって編訳された一冊(ダイヤモンド社・1890円)。


ポスト資本主義社会、ネキストソサエティを前提に、ビジネスパースンがいかにして仕事をし、いかにして生きるべきかをハウツー的に書かれています。

これは、ドラッカーとしては珍しいスタイルですが、浅学がわたしとしては、ホントーによく理解できるありがたい一冊です。


ユニクロの柳井社長も社員に推奨されている一冊だそうです。


同書の骨格となるコンセプトは、自分自身のマネジメント。


パート3とパート5に、有名なドラッカー流のノウハウが公開されます。


パート3 自らをマネジメントする

・自らの強みを知る 生き生きと働くための方法

・時間を管理する

・もっとも重要なことに集中せよ


パート5 自己実現への挑戦

・人生をマネジメントする

・教育ある人間が社会を作る

・何によって憶えられたいか


書店にあるドラッカーのムック本や入門書の多くが、この部分から多数引用しています。

それぐらい具体的ハウツーであり、ビジネスパースン共通の仕事技だと思います。


わたし自身も、プロの条件として現場発想でいろいろと考えてきました。

プロ野球選手やJリーガーやプロゴルファー・・・弁護士や医師といった専門職・・・。

共通するのは、高い専門性や成果を出さなければならないということだと思います。

しかし、それだけだと職人ということになってしまいそうです。

そこで考えたのが、以下の条件です。


1.高い使命感を持っていること

2.期待以上の成果を出し続けること

3.持ち場をキッチリ守れること


特に、3番目の「持ち場をしっかりと守れること」というフレーズは、われながら大好きで常に自分自身に言い聞かせています。


ドラッカー博士の本を紐解いて、いろいろと考えることが出来た1日でした。

これからも年に何度か、あるいは壁にぶち当たったとき、ドラッカー博士と本の中で語り合ってみたいと考えています。


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地理学の現在・・・ちょっと超マイナーな学問からの脱却、復活に向けて リベラルアーツとしての地理学

2012年04月14日 | 学問

小学校、中学、高校まで「地理」が大好き、そして、今でも地図帳や地理の本を読むのが趣味となっています。

ウイスキーグラスを片手に地図帳を眺めるのもなかなかオツなものです。

ナショナルジオグラフィックも欠かさず読んでいます。


小中学校では、山や川、農業や工業、気候や鉱業などの知識を覚えさせられます。

最初は苦痛だったのですが、自分の知らないエリアを知る好奇心・・・副読本・資料集なども精読し、いわば地理オタクの状態。

もちろん定期テストは、ほぼ100点。

模擬試験も偏差値70以上。

歴史は、山川出版ですが、地理は古今書院や二宮書店。

でも地理統計や地理統計要覧を買い続けています。

鉄道ファンの鉄チャンや乗り鉄が時刻表を好むように、地理オタクは地理統計一冊で何時間でも過ごすことができます。

しかも値段はワンコインでオツリがくるぐらいです。


また、五万分の1地図や2万5千分の1地図も大好きで自分の住むエリアを中心に地図を買ってきては、一人フィールドワークを楽しんでいました。

小学校の頃、将来なりたい職業を書く欄に「建設省国土地理院」と書いていたことを覚えています(笑)。

ちょっと大人になったような背伸び心理が、国土地理院で働こうというマニアックな感情を引き起こしたのだと思います。


高校に入ると「地理A」と「地理B」にバージョンアップ。

地理Aは、地理全般に横串をさすような学びになります。

気候、産業、文化などのジャンルで世界を縦断的に切っていきます。

一方の地理Bは、各地域ごとに学んでいくというスタイルをとります。

自分としては、地理Aファン。

比較地理学といったアプローチが大変興味深かったのです。


高校の教科書になると環境決定論や環境可能論といった欧州地理学の概念も登場するようになり、ブラージュやラッツェルといった地理学の巨匠たちの名前も登場するようになります。

当時の地理論争は面白く、大学は地理学科に行こうかなとも考えていました。

調べてみると、人文地理学と自然地理学という分野があることが分かりました。

ぶっちゃけて言うと人文地理学は文系の地理学、自然地理学は理系の地理学ということができます。

わたし自身文系だっため、進学するとなると人文地理学科ということになったと思います。

もし当時地理学科に行っていれば、今頃は中学校の教師になっていたかもしれません。

実際には、法学部に進学、地理学とは異なる分野での仕事に就くことになりました。


以前は書店に行くと、地理のコーナーもあり専門書もかなり置かれていましたが、今では観光ガイドを中心に「るるぶ」「JTB」といったレジャー、エンターテイメント本の片隅といった位置づけになっています。

地理学自体の位置づけが年々存在感をなくしつつあるように危惧しているところです。


現在の地理学、特に人文地理学は朱鷺(トキ)のような存在で、学術の世界でも相当程度隅に追いやられた学問であるように思います。

個人的には、学問というのは役立たなくても、やる価値のあるもの、という理解をしているのですが、地理学自体、地味でマイナーというイメージもあり、優秀な研究者や新たなジャンルを切り開く学者が少ないためであるような気もします。

 

放送大学教養学部の地理学は、2012年度にリニューアル。

選科履修生として申し込み受講します。

タイトルは、「グローバル化時代の人文地理学」。

大阪大学の小林先生、お茶の水女子大学の宮澤先生が担当されます。


人文地理学の生き残りをかけて、そのプレゼンスを高めるための契機になればと考えています。

がんばれ 地理学!


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