追記 2018.02.09
つっかえ棒で支えるのは効果がなさそうだし危ないのでやめたほうがよいですね。
作業中に倒れてきたらたいへんです。
引張側の柱が切れて浮き上がってますね。
このような破壊形態を見たのは初めてです。
主筋がほとんど入っていないんじゃないかな。
追記 2018.02.09
主筋は入っていました。しかし、イモ継手でした。
イモ継手にするとこんなことになるんですね。
地震の多い花蓮で今まで何十年も倒れなかったんだからある意味充分強かったと言える。
たまたま目にしたツイートにこんなことが書いてありました。
まだよく調べていないのであまり言いたくないですが、間違いを正すのが専門家の役目でもあるので少し書きます。
断層の上にあったから倒れたかのように書かれていますが、そんなことより耐震性が悪すぎます。
つぎの写真は1層と2層がつぶれた統帥大飯店の倒れる前の写真です。
こんな滅茶苦茶な建物は日本にはまず存在しません(熊本の宇土市庁舎は例外)。
これじゃ仮設構造物ですよ。ホテルに使っちゃいけません。
耐震性ゼロです。立っているだけで精一杯の建物です。
大きくオーバーハングしているのに貧弱な鉄骨柱だけで上層部を支持しています。
鉄骨柱には水平力に対する抵抗力が全くないので他の耐震要素で抵抗しなければなりませんが、
開口を大きく取っているので壁が少なく、柱も足りない部分を補うだけの耐力はなさそうです。
「中層の建物は耐震要素をバランスよく配置し須く剛にすべし」。これは建築構造設計の鉄則です。
ニュージーランドのCTVビルは全層にわたって剛性と強度が不足していたのでパンケーキ状破壊を起こしました。
統帥大飯店の場合は3層より上で壁量が十分にあるのでパンケーキ状にならず、潰れた1層2層の上に載るように壊れたと思われます。
地盤も悪そうですね。構造物に影響を与える長周期のキラーパルスが発生したかもしれません。