平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

じいちゃんばあちゃんに移されないように!(2)

2024-03-31 16:28:53 | 新型コロナウイルス

新型コロナ患者数推移

上図は、20歳未満の感染者数(推計値)と65歳以上の感染者数(推計値)の比較である。
2022年の年末までは20歳未満の感染者数の方が多かった(2倍以上)。
6回目接種(2023年5月開始)以降は、ほぼ同じになっている。
「若者から老人へ移す」から「老人から若者へ移す」に変ってきている。

次表は、大阪府の年代別接種率である。
大阪府の特殊性(若者の接種率が低い)が少しあるけれど、概ね全国平均を表していると考えてよいだろう。



20歳未満の接種率と65歳以上の接種率を比較すると次図のようになる。


20歳未満は、6回目以降打っていない(ほぼゼロ)。
いっぽう、65歳以上は、6回目接種率54.2%、7回目接種率39.5%である。
ワクチンに感染予防効果があるのなら、ブースターを頻回接種している65歳以上の感染者数は減少するはずである。
しかし実際は、ブースターを頻回接種している65歳以上の方が20歳未満よりも相対的に増えており、感染予防については逆効果になっている。


嫌な言い回し

2024-03-29 15:32:45 | 雑談

追記 2024.03.29

〇〇していただいてもよろしいですか?

と訊かれたときは「よくない」と断ることにしている。
ものを頼むときに許可を求めるな!

追記 2023.11.06


えぐい

日本語はもはや言語の体をなしていない。
日本語を廃止して英語を国語にすべきだ。


追記 2023.09.27

マジでクソうれしい



何を食ったらこんなに下品になれるのだろう。

追記 2023.03.11


因果関係が否定できない

因果関係が認められる”が正しい日本語。
否定したくてたまらないのでこんな苦し紛れの表現になる。


追記 2022.10.16

〇〇でよかったですか?

スーパーレジ話法だが、なぜ過去形にするのだろう。

追記 2022.09.29



細部に渡り

亙るが正しい。
亘るでもよい。

興和の知力はこの程度か。
イベルメクチンの治験を行う能力があるのかね。





追記 2022.09.13



拝見させていただく

拝見だけでも気持ち悪いのに、させていただく
バカは敬語を使うな

謙譲語は、基本的に自分を低くして相手に優越感を覚えさせるためのものであるが、
拝見させていただくは、
頭の上にクソを乗せて「どうです、私はこんなにみじめです」と言っているようなものだ。


追記 2022.01.20




ご査収ください

嫌な言い回しというより、恥ずかしいんです。
使っている当人は気の利いたことを言ってるつもりなのでしょうが、
使い古した陳腐極まりない言い回しなのですよ、これ。
私らはビジネス現場で普通に使っていました。相当むかしですけどね。
チョベリバとか近頃のヤングはなどと書くと恥ずかしいでしょ。

 

追記 2022.01.20

すげー
やばい
めちゃくちゃ〇〇

知性の欠片も感じられない下品で汚い芸人言葉は嫌だ。


追記 2021.04.21

今朝、NHKラジオ中国語講座(8:15~8:30)をきいていたら、
番組の最後に、アシスタントの女性がこう言った。

おつかれさまでした…

朝から疲れているわけないだろ。
男の講師は「ザイチィエン」と発音しているのだがら、
「またお会いしましょう」と言え!
最近はなんでも「お疲れさま」だ。うんざりだ。

追記 2021.03.06

自分は…

藤井二冠をはじめ若手将棋指しがよく使う。
軍人や武者小路実篤や志賀直哉みたいで嫌だ。

ところで、藤井はもうすこしで卒業できるのになぜ高校をやめたのですかね。
将棋の役に立たないことは何もしたくないという気持ちは解らなくもないけれど、
それはつまらんと思う。人として魅力ないです。
仕事に直接役立たないことを身に着けることは非常に大事です。
だからこそ大学に教養課程があるわけです。
藤井は14歳のころは輝いていたけれど、成長するにつれて輝きを失って、
今は将棋が強いだけの不細工な18歳の青年になってしまった。

船江六段が公認会計士試験に合格したようです。いいニュースですね。

追記 2020.12.13

接待を伴う飲食店

って、すごい言語感覚だな。
戦時中、カレーライスを
辛子入り汁掛け飯
と呼んでいたが、同じくらいの言語破壊力だ。

追記 2020.12.11

させていただきます

永遠にしてろ。

追記 2020.12.11

存じ上げません

を聞いたときはいつも日本人をやめたくなる。

追記 2020.07.11

三密

日本人はこういう語呂合わせ好きなんですよね。

他には、

報連相

無理にこじつけてしゃれたことを言った気になっている。


追記 2020.07.10

命を守る行動をとってください

66年生きてきて、これほど無意味かつ有害な日本語を聞いたことがない。
意味のない煽情的な単語の羅列で冷静な判断力を奪い、
やってはいけないことをさせて被災民を殺したいのだろう。

追記 2020.07.01

弊社が嫌だ。
自分の会社を貶めてなにがうれしい。
謙譲の気持ちなどまるでないくせに形だけの謙譲語を使うな。
御社も嫌だ。
「私の会社はクソだがあなたの会社は素晴らしい」
こういうことを平気でいう下品な人間を信用できるか。

追記 2020.05.07

サセテイタダクが嫌だ。

追記 2020.05.06

メッチャが嫌だ。
ヤバイが嫌だ。

追記 2020.05.06

将棋の藤森五段が桂馬を「この子」と呼んでいた。
路上の糞を踏んだような気がして半日気分が悪かった。
こういう言い方が流行っているのだろうか。
高見七段も使っていた。
当人は洒落た言い回しと思って使っているのだろうが、
頭の悪さを曝け出しているだけなのでやめた方が良いと思う。

追記 2020.01.26

ホッコリが嫌だ。
モフモフも嫌だ。

追記 2020.01.25

れいわは参議院なら面白いが衆議院はダメ。
衆議院選に100人擁立など悪夢でしかない。
立法府を壊す気か。
素人れいわ100人よりも玄人自民100人のほうがまだ良い。
会社でも社員の2割を新入社員が占めたら会社は潰れるだろ。
仕事できんから。

 

追記 2020.01.25

夫を旦那とよぶバカ女が嫌だ。
妻を奥さんと呼ぶバカ男も嫌だ。

追記 2020.01.22

参院選後、れいわ新選組のツイッターを見なくなった。
MMTは通貨を紙切れにする危険な政策なので絶対反対!という表向きの理由もあるが、
山本代表の

やめてもらっていいですか?

こういう物言いがたまらなく嫌なのだ。
「やめてください」
となぜ言えない。

追記 2020.01.21

7年ぶりに書く。
7年の間に嫌な言い回しが増えた。

桜を見る会の野党ヒアリングで、
立憲民主党の石垣のりこが、
「〇〇を提出していただいてもよろしいですか?」
と官僚に訊いていた。
最近のアンポンタンはこういう言い方をする。
不愉快極まりない。
「〇〇を提出してください」
とストレートに言え。

出してくれと頼むときに、
なぜ許可を求めるのだ。

初回記 2013.02.23

パラメータを変えてあげると応答が…
こういう言い方は嫌だ。
大学の教員がよく使う。

「真逆」も嫌だ。

「何だろう」も嫌だ。
自分の頭の中にあるモヤモヤを他人に訊くな。

「了解です」も嫌だ。

「してもらっていいですか」も嫌だ。

「~になります」って、はじめからなっている。

「確かに」も嫌だ。
矢内理絵子が多用する。
将棋のNHK杯戦は音声を絞って観ている。

1ミリ以上の雨の降る確率「ニジュッパーセント」…
ニジッパーセントが正しい。
統一しろ!NHK。

ガッツリも嫌だ。

「山本のほうからご連絡します」
「ほう」って何?
とても嫌だ。

「永遠の0」を読んだ。
面白くなかった。
描写が甘ったるくて。
>「少し休ませていただけますか」
>井崎はそう言って体をベッドに横たえた。
ゼロ戦の搭乗員が「いただけますか」というようなオカマ言葉を使うか!

ちなみに
も嫌だ。

「永遠の0」の続き。
>「どういうことだ!」
>殴られた男は血相を変えて怒鳴りました。
>「写真は、この男の奥さんだった」
>宮部さんは振り絞るように言いました。
ゼロ戦の搭乗員が戦死した敵兵のポケットから出てきた写真に写っていた女性を「奥さん」というか!!

「わたし的には」も嫌だ。

「あいにく担当の者がお休みを頂いておりまして」
あんたの会社の就業規則にしたがって休んでるんだろ?
うちが休みをやった覚えはないぞ。

リスペクトも嫌だ。

ガッツリも嫌だ。

若い女性が、
すごーい、すごーい
というのが嫌だ。

人前で「オレ」という芸能人がいる。
とても耳障りで嫌だ。

うんうんうんうんうんうんうんうんうん(相槌)
延々と言い続けるのがいる。
嫌だ。

倶楽部を
平坦なイントネーションでいうのが
嫌だ。

「彼氏」を「枯死」のようにいうのも
嫌だ。

かわいい~かわいい~
と連呼する馬鹿女が嫌だ。

朝生の録画を観ている。
「指導」を「士道」のように発音している。
嫌だ。


日本の大豆発酵食品である納豆エキスは試験管内でSARS-CoV-2を含むウイルス感染を直接阻害する

2024-03-28 14:06:50 | 新型コロナウイルス


Natto extract, a Japanese fermented soybean food, directly inhibits viral infections including SARS-CoV-2 in vitro

概要

日本の伝統的な大豆発酵食品である納豆は、栄養価が高く、健康に有益であることがよく知られている。
本研究では、納豆が重症急性呼吸器症候群(SARS-CoV-2)や牛ヘルペスウイルス1(BHV-1)などの
ウイルスによる感染を阻害するかどうかを調べた。
興味深いことに、納豆エキスで処理したSARS-CoV-2およびBHV-1は、いずれも細胞への感染を完全に抑制した。
また、BHV-1の糖タンパクDはウェスタンブロット分析で分解されることが示され、
組換えSARS-CoV-2受容体結合ドメイン(RBD)は納豆エキスとインキュベートするとタンパク分解されることがわかった。
さらに、点変異(UK変異体N501Y)を有するRBDタンパクも納豆エキスで分解された。
納豆エキスを100℃で10分間加熱すると、SARS-CoV-2およびBHV-1の細胞への感染能力は回復した。
熱による不活化の結果と一致して、セリンプロテアーゼ阻害剤は納豆エキスによる抗BHV-1活性を阻害した。
したがって、今回の結果は、納豆エキスがウイルスタンパクのタンパク分解を通じて
ウイルス感染を阻害するプロテアーゼを含んでいることを初めて証明するものである。

1.はじめに

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によるパンデミックが終息する兆しはない。
1年以上前に最初の感染が報告されて以来、SARS-CoV-2に関する報告は世界中で劇的に増加している。
最近の技術の進歩により、ワクチンはかつてないスピードで開発されている。
しかし、ワクチンを必要とするすべての人に免疫をつけるには時間がかかる。
さらに、ワクチンの標的エピトープが変異した株も報告されている。
ワクチンだけでは予防できないかもしれない。
したがって、SARS-CoV-2感染に対する他の対策や治療法を開発することが重要である。
本研究の目的は、納豆がSARS-CoV-2および牛ヘルペスウイルス1(BHV-1)を含む抗ウイルス活性を有するかどうかを調べることにある。
BHV-1はウシの呼吸器疾患を引き起こす。納豆は、蒸した大豆を枯草菌で発酵させたもので、
日本で最も伝統的でユニークな食品の一つとして知られている。
伝統的に、日本人は納豆が健康に有益であると信じてきたが、近年、研究によってこの信念を裏付ける科学的根拠が明らかになってきた。
しかし、納豆の抗ウイルス特性は、環状リポペプチド抗生物質であるサーファクチンを除いてはあまり研究されていなかった。
本研究では、納豆エキス中のプロテアーゼ活性がSARS-CoV-2受容体結合ドメイン(RBD)とBHV-1の糖タンパクDを分解し、
細胞へのウイルス感染を阻害することを示した。

2.材料と方法
2.1 納豆エキスの調製

以下に示す方法で納豆エキスを調製した。
市販のS903納豆(タカノフーズ株式会社、茨城県、日本)10gを50mLの遠沈管に入れ、室温で5分間ガラス棒で攪拌した。
その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)10 mLを加えた。
50回転倒混和した後、混合物を3500 rpmで10分間遠心分離し、上清をφ0.45 μmフィルター、続いてφ0.22 μmフィルターでろ過した。
得られた可溶性画分(以下、納豆エキスと呼ぶ)は、使用するまで-30℃で保存した。
この納豆エキスを、100℃で10分間加熱する処理と、加熱しない処理を行った。
こうして、加熱納豆エキスと非加熱納豆エキスの2種類の試料を調製した。

2.2  ウイルスと細胞

BHV-1石川株(ウシ/日本/1988)はMDBK細胞を用いて培養した。
SARS-CoV-2は、2020年2月に日本のクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号でCOVID-19を発症した患者から分離された株
(SARS-CoV-2/Hu/DP/Kng/19-027、LC528233)を神奈川県衛生研究所から入手した。
SARS-CoV-2は膜貫通型プロテアーゼセリン2(TMPRSS2)を発現するVero E6細胞を用いて培養した。

2.3 プラーク形成アッセイ

上記の2種類の納豆エキス各90μLとBHV-1またはSARS-CoV-2ストック液10μLを混合し、37℃で1時間インキュベートした。
その後、最小必須培地(MEM)で10000倍または5000倍に希釈し、その500μLを12穴または6穴プレートに入れたBHV-1ではMDBK細胞に、
SARS-CoV-2ではVeroE6/TMPRSS2細胞に接種した。
1時間の吸着後、細胞を滅菌PBSで1回洗浄し、カルボキシメチルセルロースを含むMEMで重層した。
37℃で3日間培養した後、感染性を可視化するためにクリスタルバイオレットを用いてプラーク形成アッセイを行った。
基本的に、各試験について少なくとも2回の独立した実験を行った。
試験した納豆エキス単独では、細胞に対する細胞毒性作用は見られなかった(データは示さず)。

2.4  プロテアーゼ阻害剤

PBSで10倍に希釈した納豆エキス80μLを、ハルトプロテアーゼ阻害剤カクテルEDTAフリー(サーモフィッシャーサイエンス株式会社、東京)
1μLおよびPBS 19μLとともに37℃で1時間インキュベートした。
阻害剤カクテルには6種類の阻害剤が含まれている。
アプロチニン(米国ミシガン州ケイマンケミカル)、AEBSF塩酸塩 (AdipoGen Life Sciences, Inc.サンディエゴ、米国)、
ペプスタチン A (Merck KGaA、ダルムシュタット、ドイツ)、ロイペプチン (ペプチド研究所、大阪、日本)、
E-64 (Cayman Chemical)、ベスタチン塩酸塩 ( シグマ アルドリッチ、東京、日本)を用いた。

2.5 ウイルスタンパクの分解解析
2.5.1 BHV-1の糖タンパクD

67.5μLのBHV-1ストック溶液を7.5μLの納豆エキスと37℃で1時間インキュベートした。
抗BHV-1糖タンパクDモノクローナル抗体(1B8-F11 BHV-1/IBR gD-gIV; Veterinary Medical Research and Development, WA, U.S.A)
を用いてウェスタンブロット解析を行った。

2.5.2  SARS-CoV-2の受容体結合ドメイン(RBD)

本研究では、C末端にHisタグを結合した組換えSARS-CoV-2(S1サブユニットタンパク)宿主細胞受容体結合ドメイン(RBD)
(RayBiotech Life, GA, USA)を用いた。
RBDタンパクは、Wuhan-Hu-1単離株(GenBankアクセッション番号QHD43416)に基づいて合成した。
UK variant N501Y RBD-His recombinant protein (Sino Biological, PA, USA)も使用した。
各タイプの納豆エキス4.5μLとSARS-CoV-2 RBDタンパク約2μLの混合物を37℃で1時間インキュベートした。
還元条件下でSDS-PAGEを行い、電気泳動後にゲルをCoomassie Brilliant Blueで染色した。

3.結果と考察

納豆エキスに抗ウイルス活性があるかどうかを調べるため、BHV-1を納豆エキスとインキュベートし、プラーク形成アッセイを行った。
図1Aに示すように、1倍、10倍、20倍希釈の納豆エキスはMDBK細胞へのBHV-1感染を阻害した。
さらに納豆エキスを50倍、75倍、100倍に希釈すると、用量依存的にプラークが形成された。
この結果は、納豆エキスに用量依存的な抗ウイルス活性があることを示している。
興味深いことに、納豆エキスを100℃で10分間加熱すると、このような抗ウイルス活性は消失した(図1B)。
枯草菌が界面活性剤として産生するサーファクチンは、抗ウイルス活性を持つことが知られている。
予想通り、我々の追加実験では、BHV-1を非加熱のサーファクチンとインキュベートした場合、
0.1 mg/mLのサーファクチンがBHV-1の感染を阻害することが示された(データは示さず)。
しかしながら、100℃で10分間加熱したサーファクチンとインキュベートした場合、BHV-1はMDBK細胞に感染し続けた(データは示さず)。
従って、我々の手にある抗ウイルス活性を持つサーファクチンは耐熱性であり、本研究で発見された納豆エキス中の推定阻害因子は耐熱性である。
また、納豆エキスをBHV-1と4℃でインキュベートしたところ、抗BHV-1活性は認められなかった(データは示さず)。
したがって、これらの結果を総合すると、納豆エキスの抗ウイルス活性は、サーファクチンではなく、
プロテアーゼなどの酵素によるものであろうという仮説が導かれた。



図1  BHV-1感染に対する納豆エキスの抑制効果
(A) BHV-1を1倍希釈から100倍希釈までの一連の納豆エキスとインキュベートし、プラーク形成アッセイを行った。
(B) BHV-1を1倍希釈の加熱納豆エキスまたは非加熱納豆エキスとインキュベートした。
その後、プラーク形成アッセイを行い、プラーク数をグラフに示した(平均±SE、n=3)。

我々の仮説を確認するため、納豆エキスをプロテアーゼ阻害剤で処理した。
図2に示すように、納豆エキスをプロテアーゼ阻害剤カクテルで処理したところ、BHV-1は明らかに細胞に感染することができた。
この結果は、納豆エキス中のプロテアーゼが熱感受性阻害因子であることを強く示唆した。
さらに、不可逆的なセリンプロテアーゼ阻害剤であるAEBSF HCl(4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩)を処理すると、
プラークが観察された(図2)。
この結果から、納豆エキス中のセリンプロテアーゼが抗ウイルス活性の候補の一つであることが明らかになった。

図2  納豆エキスによる抗BHV-1活性に対するプロテアーゼ阻害剤の効果
BHV-1を、プロテアーゼ阻害剤カクテル、アプロチニン、AEBSF HCl、ペプスタチンA、ロイペプチン、E-64、
ベスタチンHClで処理した後、10倍希釈で加熱または非加熱納豆エキスとインキュベートした。
その後、プラーク形成アッセイを行い、プラーク数をグラフに示した(平均±SE、n=3)。

推定されるプロテアーゼがin vitroでBHV-1粒子の表面タンパクを分解するかどうかを調べるために、
抗BHV-1糖タンパクDモノクローナル抗体を用いたウェスタンブロット解析を行った。
糖タンパクDはウイルスのエンベロープと細胞膜の融合に重要な役割を果たしている。
BHV-1を加熱した納豆エキスとインキュベートすると、糖タンパクDは約45-77 kDaのブロードバンドとして現れた(図3、レーン2)。
一方、BHV-1を非加熱納豆エキスとインキュベートすると、糖タンパクDのタンパク分解が誘導された(図3、レーン3)。
糖タンパクD抗体によって検出されたバンドは、レーン3のものと比べて明らかに低値(約30 kDa)であった。
したがって、これらの結果は、推定プロテアーゼが糖タンパクDを分解することによってBHV-1感染を阻害することを示唆している。


図3.  納豆エキスで処理したBHV-1の糖タンパクDの分解
BHV-1を加熱または非加熱納豆エキスとインキュベートした。
抗糖タンパクDモノクローナル抗体を用いてウェスタンブロット解析を行った。
レーン1:タンパクマーカー
レーン2: PBSで処理したBHV-1
レーン3: 非加熱納豆エキスで処理したBHV-1
レーン4: 加熱納豆エキスで処理したBHV-1
レーン5: 非加熱納豆エキスで処理したPBS
レーン6: 加熱納豆エキスで処理したPBS

次に、納豆エキスがSARS-CoV-2のVero E6細胞への感染を阻害できるかどうかを試験した。
SARS-CoV-2と非加熱納豆エキスを混合した後、プラーク形成アッセイを行った。
図4Aに示すように、SARS-CoV-2を非加熱納豆エキスとインキュベートするとプラークが形成されたが、
加熱納豆エキスではそのような能力は失われた(図4A)。
これらの結果はBHV-1を用いた場合(図1B)と一致しており、納豆エキス中の推定阻害因子は熱感受性プロテアーゼであることが示唆された。
SARS-CoV-2のスパイクタンパクの受容体結合ドメイン(RBD)は、感染初期に宿主細胞のACE2受容体に結合するために重要な役割を果たしている。
図4Bに示すように、33 kDaの組換えRBDタンパクは、非加熱納豆抽出液とのインキュベーションにより明らかに分解された(レーン3)。
一方、加熱納豆エキスを用いた場合、RBDタンパクは無傷であった(レーン4)。
これらの所見を総合すると、図4Aに示した細胞に対するSARS-CoV-2の阻害は、納豆エキスによるRBD分解に起因するという考え方が支持される。
近年、変異型SARS-CoV-2の出現が大きな脅威となっている。
イギリスではRBDのN501Y変異体が優勢になっている。
図4Cは、点変異N501Yを持つRBDタンパクが分解されていることを示している。
さらに、SARS-CoV-2 RBDタンパクの進化的解析から、V367FはACE2受容体への結合親和性を高める重要な変異の一つであることが示された。
V367Yを有するRBDタンパクも納豆エキスで処理することにより分解される(データは示さず)。
これらの結果は、納豆エキスが現在起こっている。
そして、将来起こるであろう多くのタイプの突然変異を分解する可能性を強く示唆している。



図4.  納豆エキスによる抗SARS-CoV-2活性
(A) SARS-CoV-2を加熱および非加熱納豆エキス(1倍希釈)とインキュベートした。
プラークアッセイは3回行った(実験1、2、3)。各プラークアッセイは二重に行った。
実験1と2はパネルAに示した。実験3でも同様の結果が得られた(データは示さず)。
各試験におけるプラーク数は二重測定の平均値である。
(B)SARS-CoV-2の組換えRBDタンパクを加熱または非加熱納豆エキスとインキュベートした。
サンプルはSDS-PAGE用のゲルにロードした。
レーン1:タンパクマーカー
レーン2: PBSで処理したRBDタンパク
レーン3: 非加熱納豆エキスで処理した RBD タンパク
レーン4: 加熱納豆エキスで処理したRBDタンパク
レーン5: 非加熱納豆エキスで処理したPBS
レーン6: 加熱納豆エキスで処理したPBS
(C)点変異(N501Y)を有するSARS-CoV-2の組換えRBDタンパクを加熱または非加熱納豆エキスとインキュベートした。
サンプルはSDS-PAGE用のゲルにロードした。
レーン1: タンパクマーカー
レーン2: PBSで処理したRBDタンパク(N501Y)
レーン3: 非加熱納豆エキスで処理した RBD タンパク(N501Y)
レーン4: 加熱納豆エキスで処理したRBDタンパク(N501Y)
レーン5: 非加熱納豆エキスで処理したPBS
レーン6: 加熱納豆エキスで処理したPBS

本研究では、納豆エキスがBHV-1およびSARS-CoV-2の細胞に対する感染力を阻害し、
BHV-1の糖タンパクDおよびSARS-CoV-2のRBDタンパクを分解することを示した。
しかし、納豆エキスのこの阻害作用は加熱やセリンプロテアーゼ阻害剤で処理すると損なわれた。
この阻害効果は熱に感受性のあるセリンプロテアーゼによるものと考えられる。
このことは、プロテアーゼが糖タンパクDとRBDタンパクの複数の部位を分解することができたという証拠からも裏付けられる。
したがって、納豆に含まれる推定セリンプロテアーゼ(複数可)は、BHV-1およびSARS-CoV-2の感染機能を、
それぞれ糖タンパクDおよびスパイクタンパクのタンパク分解を介して阻害する可能性が示唆された。
今後の研究では、プロテアーゼの同定と切断部位の特定に焦点を当てる必要がある。
納豆エキス中の精製プロテアーゼは、抗ウイルス薬としてさらに研究する価値がある。
最後に、今回の研究結果は、納豆の原料としての新たな応用への道を開くものである。


酒は大関

2024-03-27 20:01:28 | 短歌・詩


酒は大関

白い花なら百合の花
人は情と男だて
恋をするなら命がけ
酒は大関心意気

赤い花なら浜なすの
友と語らん故郷を
生まれたからにはどんとやれ
酒は大関心意気

夢はひとには見せぬもの
勝負する時や馬鹿になれ
それでいいのさ男なら
酒は大関心意気

女泣かせるやつよりも
好きだといわないその背なに
女ごころはもえるもの
酒は大関心意気

花と咲くのもこの世なら
踏まれて生きる草だって
唄をうたって今日もまた
酒は大関心意気

(小林亜星)


本造り黄桜の唄

2024-03-27 19:56:16 | 短歌・詩


本造り黄桜の唄


故郷を離れた浮世の風に
親の情が身に沁みる
待っていてくれ一筋に
出世の夢を若さに賭けた
酒は黄桜本造り

打ち込む仕事が辛くても
俺も男さ負けられぬ
見せてやりたい晴姿
やるぞ人生ここ一番に
酒は黄桜本造り

(芥川隆行)


思い出のアルバム

2024-03-24 08:47:30 | 短歌・詩

思い出のアルバム

いつのことだか思いだしてごらん
あんなことこんなことあったでしょう
うれしかったことおもしろかったこと
いつになってもわすれない

春のことです思いだしてごらん
あんなことこんなことあったでしょう
ポカポカお庭でなかよく遊んだ
きれいな花も咲いていた

夏のことです思いだしてごらん
あんなことこんなことあったでしょう
麦わらぼうしでみんなはだかんぼ
お船も見たよ砂山も

秋のことです思いだしてごらん
あんなことこんなことあったでしょう
どんぐり山のハイキングラララ
赤い葉っぱもとんでいた

冬のことです思いだしてごらん
あんなことこんなことあったでしょう
もみの木かざってメリークリスマス
サンタのおじいさん笑ってた

冬のことです思いだしてごらん
あんなことこんなことあったでしょう
寒い雪の日あったかい部屋で
たのしい話ききました

一年中を思いだしてごらん
あんなことこんなことあったでしょう
桃のお花もきれいに咲いて
もうすぐみんなは一年生

(増子とし)