そーすから
日本と“大違い”、じつは韓国の「カーナビ」「道路事情」「ドライバーマナー」がヤバすぎる!
日本人は知らない「韓国自動車業界」の意外な現実
韓国は自動車普及率が世界の最上位に属している。実際、日本より人口はかなり少ないが、自動車保有率はほぼ同水準だ。
その韓国では、一方で、ドライバーからすると理解しがたいような自動車関連法規が多い。旧態依然のままで現実にそぐわないものが非常に多いうえ、なかには時代に逆行するものもある。
たとえば、韓国の道路交通法規に「30-50」というものがある。 昨年4月に施行されたもので、都心の最高速度を時速50キロ、住宅街や裏道は30キロに制限するというものだ。
韓国の交通事故死亡者がOECD加盟国の最上位に属する状況で、スピードを落とせば死亡者が減るという短絡的な考えから制定されたものである。
一見、問題なさそうな規制に見えるが、道路の状況や交通の流れを考慮せず一律に適用されているために多くのドライバーが苦しめられている。
たとえば、人通りが多い住宅街の30キロ制限は理解できても、高速化道路や都心の4車線以上の道路の50キロ制限は不満が多い。通勤時間帯は渋滞するために仕方がないにしても、通行量が少ない深夜や夜明けも同じルールが適用されるのはたまったものではない。
片道4車線区間が多いソウルや大都市の循環道路などでも、時間帯などに関係なく時速50キロの制限速度が適用されている。一方で、高速道路は不揃いだったりもする。 筆者が通勤に利用していたオリンピック大路の制限速度は時速80キロだが、理由もなく60キロになったり、80キロになったりする……という始末だ。
そこへきてインターチェンジ区間の制限速度は20キロで不必要な減速をしなければならず、むしろ事故につながる危険性が高いと感じることは少なくない。 当然、ドライバーからの不満が噴出している。
なかには不足する税収を補うための規制だと指摘する人たちもいる。休日前後に集中する飲酒運転の取り締まりと同様、制限速度を下げて違反を増やし、税収を確保しようということらしい。
「IT強国」なのに…
それだけではない。 韓国は国際社会では「IT強国」と呼ばれているらしいが、じつはその道路交通体系は1990年代の古い水準にとどまっているものが少なくない。これがまた問題だ。 たとえば交通の流れを反映していないような信号体系、あまりにも容易な簡易的運転免許の取得など、韓国の道路交通関連法は先進国レベルなのかと疑うようなものがある。 また、OECD加盟国で交通事故死亡者が上位にランクされている通り、韓国は歩行者が自動車に十分に気をつけなければならない国でもある。信号違反や一方通行の逆走行、さまざまな違反に明け暮れるバイクやキックボードなど、道路はそれこそ戦場さながらだ。 余談ではあるが韓国は走行車線にUターン専用車線があり、当然、その標識、信号のない場所でのUターンは違反である。だが、自治体職員を名乗る男がUターン禁止路線で違反する車を待ち構えてお金を払わなければ警察に申告すると脅して金銭を巻き上げていた事件が数年前にあった。そんな先進国ではありえないような“古さ”が残っているのが韓国の自動車業界なのである。
韓国の「カーナビ」がヤバすぎる…!
自動車メーカー大国でもあるが…
韓国の主要道路は日本やヨーロッパと比べると道路幅が広くて車線も多いが、古い交通体系のため効率的な利用ができていないという側面もある。
たとえば、渋滞区間と渋滞しない区間で同じように運用されている信号体系、守られない停止線、気が短い国民性、警察官が見ていないときの割り込みによる交通渋滞などがあるが、一番の問題は信号システムだ。
「IT強国」と呼ばれながらリアルタイムで変化する交通状況をきちんと反映しないのではないかと疑いたくなる信号体系が、効率的な流れを妨害し、ドライバーらは不必要に道路上で多くの時間を費やさざるを得ない状況になっている。
道路の中央に設置されたバス専用車線は途切れ途切れで、専用車線があるところは中央車線を走行するが、ないところは一番外側の車線を走行するため、車線を行ったり来たりするバスの曲芸運転も渋滞の原因になっている。
高速道路の乗り入れ口から進入するバスが5車線を跨ぎ一番内側に進入する光景は危険この上ない光景である。 そんな韓国では、じつはカーナビゲーションでスピード違反を取り締まるカメラの位置やスクールゾーン、駐停車違反区間などさまざまな取締り情報を知らせてくれる。
ドライバーが違反をしないように助けてくれるおそらく“世界唯一”のシステムだ。 これでは取り締まりの意味があるのかと疑問を投げかける人もいるが、韓国のドライバーはカーナビのおかげで、取り締まりを避けることができる。
フロントガラスに「携帯番号」…!?
さらに外国人が驚くことのひとつが、自動車のフロントガラスに表示されているドライバーの携帯電話番号だろう。
駐車スペースが足りないことから違法駐車が多く、邪魔になる自動車が停まっていたら、表示されている番号に電話をかけて移動してもらうという仕組みだ。
現実に、8割以上のドライバーが携帯電話番号を表示しているとも言われている。 ドライバーの電話番号が不特定多数に露出されているため、一時期、電話番号の露出を防止するサービスが登場したが、わずらわしいという理由から長続きしなかった。
携帯電話番号の流出は犯罪にさらされる危険があるが、犯罪にあうリスクより、自身の便宜を選択しているわけだ。
最近では、古い車の所有が難しくなっていることも問題になっている。環境規制を強化するための法規で、キャブレターエンジンやディーゼルエンジンを装着した古い年式の登録自動車も最新の排出ガス基準に合わせなければならない。
輸入車も同様だ。個人が引越しにともなって輸入した自動車や販売のための並行輸入車も該当する。
日本では一定の年式が経つと税金が割り増しになるし、米国は地域によっては25年以上経過すると排出ガス検査や税金が減免されるが、韓国は違っている。
多様な車や歴史的な意味のあるクラシックカーなど古い車が見られない要因にもなっている。 韓国の自動車関連法規は生産量や保有台数と比べて立ち遅れている。ドライバーの大半が不便を訴えるが、改善されることはほとんどない。
根本的な原因を調べて解決をはかるべきだが、韓国の自動車法関連機関は新車を中心に改正するだけだ。現実に即した法規を考えることをいち早く実現してほしいものなのだが……。