高槻成紀のホームページ

「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

人間の偏見 動物の言い分 

2018-07-01 21:56:30 | 私の著書
2018.5.17

「人間の偏見 動物の言い分」という本がイースト・プレスから出版されました。



 私は長いあいだ動物の研究をしてきて、動物の立場から見たらこの世はずいぶん理不尽だと思うだろうなと想像することがよくありました。それが本書で言いたいことなのですが、その主張のために2つの工夫をしました。
 一つは 動物を類型したことです。「動物」というときに、ペットも家畜も野生動物も区別がされないために「動物のいのちを大切に」ときくと、多くはイヌ・ネコのイメージをして、食肉用のウシやブタのことは考えないし、野生動物の絶滅のことも考えません。そこで動物を類型しながら説明しました。
 もう一つは現代の都市生活と動物の関係を考えるために、大胆とは思いながら、狩猟採集時代、農業時代、都市生活時代という時代区分をし、それぞれの時代に人が動物にどう接してきたかを考えたということです。
 その作業をすることで、都市生活が下手をするとかなり深刻な問題を生む危険性があることにも言及しました。

イースト・プレスの関連のサイト こちら
読者からの感想 こちら

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野生動物と共存できるか

2018-07-01 08:56:04 | 私の著書
『野生動物と共存できるか』2006、岩波ジュニア新書



若い世代に書いた本で、たくさんの生態学的な事象を紹介しながら、個々の動物をみるだけでなく、環境や生き物のつながりを守ることのたいせつさを書きました。思いがけないことに、その年の「もっとも入試によく出題された本」に(養老孟司を抜いて!)選ばれました。そして、光栄なことに中学2年の国語の教科書2つに採用されました。

感想



2018年になって、8刷になりました。本が売れない時代に増刷をつづけているのはありがたいことです。

以下、読後感想
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のろのろまちこ 2018/09/26
そんなこともこんなこともあるのだと驚くことばかり。単純な対策では保全はできないとわかる本。学者、行政、生活者と一体化しないと守れないとすると、それらをつなぐために教育は必須だと思う。広く読まれてほしい。

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yamakujira 2017/07/18
中高生向けのレーベルだから読みやすいし、保全生態学の入門書として大人にも読んでほしいね。野生動物の保護すなわち棲息環境の保全については、価値観をどれだけ共有できるかが課題だろう。とにかく殺したらかわいそうと言う都市住民と、どんどん駆除しろと訴える農山村民、それぞれに殺すことと殺さないことの必要性を啓蒙しなければならないね。でも、ラッコの事例のように損得で納得できなければ共感しない人も多いんだろうなぁ。保護保全がどれだけ地域に利益をもたらすか、可視化や数値化できるといいのに。

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くろじら 2017/06/13
岩波ジュニア新書なので若い子に語りかけるように書かれているためとても読みやすい。生物多様性保全の中でも、人との軋轢の生じやすい里山の哺乳類(モンゴルのモウコガゼルにしてもスリランカのゾウにしても、それぞれの国の里地の動物だと言えるし)との関係性を考える上では、まさに入門書としてうってつけだと思う。ただし、最後の野生動物の価値についての著者の意見は、やはり甘いと思うな… 社会は損得以外では動きませんよ、残念ながら。特に爬虫両生類、魚類、無脊椎動物などを含めた多様性を守りたければね。

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ジュリ 2016/08/15
人間がヤギを島に持ち込み大繁殖し、その影響で島の植物が減ってしまった。これは人間の責任だから、責任をとって駆除する。これっておかしいと思う。責任をとる必要はあるかもしれないけれど、人間の都合で殺すのはかってすぎる。殺すのではなく、他の方法を考えてほしかった。著者は自分のやっていることを正当化するために言い訳をしているように思った。

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尾張こまき 2013/11/16
わかったようでわからなかった保全生態学について中高生向けにわかりやすく解説された本。この本を手にした「動物が好き」っていう子の考える「動物」ってなんだろう。フラッグシップ種、バンビちゃん症候群、考えるヒントに出会う若者たちが一人でも多く育ってくれますように。保全研究活動の現場の話が素晴らしくて、紹介される本を全部読みたくなります。ミソサザイのアイヌ神話は多くの示唆に富んでいます。けど、ヒグマやツキノワグマがいなくても別に困らない(いわんやアユモドキをや)って人が日本の大多数だろうなぁ。

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つん 2013/06/13
たまには難しそうで専門的なものを読みたい、と思い図書館で手に取りました。 保全生態学・・・初めて聞いた。(゜o゜) 全然わからなかったら困るなぁ、と思いながら読み始めましたが、とても分かりやすく書かれており、面白かったです。 アホウドリについては、NHKのテレビでも観ました。テレビでは分からなかった大変なことがたくさんあったんですね。 これを読んで、自然界のバランスはとても微妙で、しかもいろいろなつながりを持っていて複雑なんだということが分かりました。

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たこやきまんとまん 2013/04/20
先生に薦められて読みました。自分が野生動物対していかに無知だったかを思いしらされました。でもこれから何を見、何を考え動けばいいのか考える機会を得られました。野生動物保護とかに興味がある人には目を通して欲しいです。初めての人でも取っつき安いかと。先生の体験談から動物番組の見方など様々な視点からの書き方がされてます。

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銀雪 2009/07/27
大学のレポートのために読んだ。野生動物との共存そのもの以外のことでも考えさせられることが多く、ホロリとさせられた。

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ぴょこたん 2006/09/02
ネタバレ動物について考えるとき、ペットや家畜と野生動物は別なんだという事を認識させられた。 野生動物を生かすためには、増えすぎた動物を殺すことも必要だとか、人間の立場も考えてだとか非常に現実的な事を言っているのに好感が持てる。 もうちっと文章が上手ければ…。 オオカミが西洋では悪魔の動物であるのに対し、日本では神として祀られていたのに、日本オオカミが絶滅に追いやられた、つまり日本でも悪魔の動物になってしまったという悲しい理由には合点がいく。感心させられた。

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kid
環境保全の意味とその大切さについて、とてもわかりやすく書かれている。真の豊さとは、人間社会に必要のないまたは害である生き物も大切にすることではないか。100年先を考えて過ちを正す勇気を持たなければいけない。それが巡り巡って人への恵みとなるのではないか。これは確実に、私達一人一人身近な問題のはずだ。


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北に生きるシカたち

2018-07-01 08:54:18 | 私の著書
『北に生きるシカたち』(復刻版)2013、丸善出版

この本は1992年の私の処女作の復刻版です。初版はすぐに売れたのですが、出版のどうぶつ者は増刷してくれませんでした。当時は今のようにシカ問題が深刻だと思われていませんでした。「あの本が欲しい」という声をよく聴きましたが、私の手元にも余分がなくなってしまい、申し訳なく思っていたので、復刻されうれしかったです。この本は調査で明らかにしたことだけでなく、調査の過程で何を考えたかや、野外調査の息遣いが伝わるように書きました。
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動物を守りたい君へ

2018-07-01 08:52:35 | 私の著書
『動物を守りたい君へ』2013, 岩波ジュニア新書

世に動物好きはたくさんいます。子供はだいたい動物が好きで、中学生くらいになると、「守ってあげたい」と思うようになる子もいます。それは交通事故にあった犬だったりします。そのことと、たとえばホッキョクグマを守ることとはどう違うのか。あるいはタヌキならどうか。そういうことを考えてもらおうと書きました。『野生動物と共存できるか』の姉妹編的なところがありますが、野生動物に限らず、ペットや家畜の命についても書きました。

この本はおかげさまで好評で、増刷を続けています。そしてありがたいことにその韓国語訳が出て、韓国で出版されました。なんだか不思議な気持ちです。ハングルが1文字も読めないので、自分には読めません。私たちはたくさんの欧米の翻訳本を読みますが、よく著者の日本語版への「まえがき」などが書いてあります。私たちはなんとなく著者も日本語の本を見て「まえがき」などを書くように思っていますが、全く読めないわけで、今の私と同じような気持ちなのだろうと思います。それで、韓国の若い人に向けて改めて一文を書けばよかったなと思ったりしています。書くとすれば、人の持つ限界、しかし私たちは海峡を挟んで長い歴史を共有し、これからもそうであること、そこに生きる動植物はただひたすら懸命に生きているのだ、ということです。今、政治的に難しいことがあるから、よけいにそう思います。


韓国語訳の表紙 

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捕食者なき世界

2018-07-01 08:50:45 | 私の著書
「捕食者なき世界」ウィリアム・ソウルゼンバーグ著、野中香方子訳、高槻成紀解説
2010年に単行本として出たものがわりあいによく読まれたらしく、文庫本化されました。こういう本が一般の読者に受け入れられるというのは意外感があります。内容はけっこう難解で、私などからするともっとすっきりと書いたほうがよいのにと思うところがたくさんあります。しかしサイエンスライターの取材力はすごいもので、アルド・レオポルドの位置づけなどはとても興味深いものです。


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ホネホネ博物館(このは特集)

2018-07-01 08:48:37 | 私の著書
ホネホネ博物館(このは特集)2014、文一出版

表紙のサキ(サルの1種)を含め、麻布大学の標本がたくさん採用されました。

「このは」8号、骨特集

 文一総合出版という出版社があり、生物系の本を出しています。同好の人であれば「ハンドブック」シリーズの出版社といえばおわかりかと思います。そこが「このは」という雑誌を出しています。なかなか内容のある雑誌で気に入っています。
 この「このは」が骨の特集号を出すことになり、相談をもちかけられました。麻布大学には動物の骨の標本はたくさんあるので、撮影協力をし、解説文を書きました。カメラマンと編集者が来て、多少の荷物をもっていましたが、二人で運べる程度のものでした。標本室で撮影をはじめましたが、三脚にカメラをつけたのはいいんですが、白い骨だから黒いバックがよいと思いました。壁は灰色で、よくないので、暗幕をもってきていると思ったのですが、出て来たのは幅1mあまり、長さ2mくらいの黒布です。ネコの標本ならまにあいそうですが、ウシやウマもあるのでどうするのかと思っていたら、頭の部分の背後の布をおいてそこを写し、それから肩、腹、尻と動かして行きます。あとでゲラが送ってきたのをみたら、見事に合成されて真っ黒なバックに馬の骨がありました。
 その「このは」ができて送ってきましたが、なかなかの出来でした。骨についてさまざまな記事があり、これまでにない本になったと思います。骨のことを知らない人、1200円です。内容は3000円くらいはあるので、ぜひ進化の産物としての骨の魅力を味わってみてください。


 
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唱歌「ふるさと」の生態学

2018-07-01 08:45:58 | 私の著書
『唱歌「ふるさと」の生態学』2014、山と渓谷社


読後感想
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in medio tutissimus ibis. 2018/04/12
頗る面白い本である。抑も兎はなぜいたのか。それはそもそも戦中の過剰伐採により禿山が広がっていた状況による。丁度唱歌「故郷」の生まれた、日露戦争後も似た様であろう。恰も昔々からの風景と思われた兎の存在は、その実時代の産物であったのだ。都市化した今の日本には里山の必要が乏しく、兎の棲み処もない。それに伴う問題を解決するヒントを過去に求めるのは結構だが、解決策は飽く迄も今日の知恵であるべき。他所から思想を仕入れればそれで足れりとするのは、批判する所の安易な近代化と同様。これ喜劇也。面白く、以て青山の石とすべし。

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ヨハネス・フェーリクス 2017/11/23
ウサギがいなくなったのは人間が自然を破壊したからでしょうか? 本書では唱歌「ふるさと」の歌詞を1フレーズずつ取り出し、それに沿って日本の自然環境の変化とその背景を記述していく、という面白いスタイルが取られています。筆者自身は「あの時代はよかったと懐古的に言うつもりはない」とおっしゃってるもののやや懐古的な印象を受けますが、冒頭に書いたような「一般常識」への疑問の提示とデータや文献に基づく環境変化についての考察は興味深いものでした。

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リュウジ 2017/10/05
この歌が生まれた頃、この歌詞が当たり前の光景で誰もが共感する人生観だった。それが今どう変わったのか。なぜ変わったのか。「兎追いし(里山の状況)」「小鮒釣りし(川の状況)」「山は青き(林業の状況)」と歌詞を読み解きながら、自然、社会、経済環境、家族制度、幸福の価値など歴史的な変化と衰退を明らかにしていく。特に農村の変化と今のあり様は心の一部が痛くなった。豊かになるとはどういうことか。自然と生きるとはどういうことか。本の内容を丸のみするつもりはないが、考えるための引出しがいくつもできた。

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MOKIZAN 2016/09/15
前に読んだ著者本のあとがきが気に入ったので、他著も読んでみる。ちと、一般受けし辛いかな。私らの世代なら皆、「ふるさと」の歌詞イメージは己なりに持てるでしょうが、現代(いま)や川はいたる箇所で構造物が囲う水路の体となり、山は碧いけど常緑樹の人工林、景観の変容は痛々しく思う程である。だけど、世間様を見渡せば、それらに負けることなく人々の気質も変容したね。「♪いつの日にか帰らん...」この想いを前向きに抱き続けて、郷を離れている方々はどれ程おいでなのだろうか「お盆には」「リタイヤ後には」ばかりでは淋しいわな。

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イグアナの会 事務局長 2015/10/12
「うさぎ追ひしかの山。こぶな釣りしかの川。」里山から茅場がなくなり、そこに棲む野生動物が減る。化学肥料により家畜はいなくなった。人の減少、森林伐採で里山にはいなかったサルとシカが増えた。コンクリートの川になり、農薬が川に流れ、メダカが絶滅。化学肥料でミミズが棲めない枯れた畑。守り繋げていく家が無くなり、家の恥が問われなくなる。里山は、昔から変わらない風景、、、、ではない事がわかります。昔から、人は自然の風景を変え続けてきたようです。自然環境破壊への反対運動も、所詮、人間のえごなのかも、、、

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のぶ 2015/09/02
英語の諺で言えばアウトオブサイト、アウトオブマインド。ビフォアとアフターの図を横に並べて「何がなくなったでしょうか」という問題でも結構難しいのに、私達にはそのビフォアの図が手元にありません。この50年ぐらいの間に日本の国土や社会から人知れず姿を消してしまったもの、それをウサギやコブナという生物の種の話に限定せずに、人間の暮らしや社会のありようから再考するための、鍵となる情報がこの唱歌の歌詞(1~3番)に一通り収められている、という主旨です。喪失感をたっぷり味あわせてくれる哀しい本ですが、でも読んでよかった。

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えくりぷす 2015/05/23
本書が昔を懐かしむという主旨でないことは重々承知していますが、いなか育ちのアラ還世代の私には昔の記憶が蘇りました。川でハヤを手掴みした時の感触、カブトムシをとるために木を蹴りまくったこと等々。ただ、確かに当時でも野ウサギを見たことはなかった。以前、NHKの「ダーウィンが来た!」でウサギ(アナウサギ)が跳ねまわる英国の野原を紹介していましたが、日本にそのような光景が戻ることはあり得ないのでしょうか。

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たけちゃん〜自然体験エンタティナー〜
P204-206 (要約)日本の自然は豊かで美しいが、同時にまことに恐ろしい。日本列島が火山帯のただなかにあり、山は火山で、国中に温泉があらは、地震は日常茶飯事、夏の豪雨山は台風は洪水をもたらす。農業は自然との戦いでもあった。私たちの祖先はそれを知り尽くし、自然に立ち向かうのではなく、自分を自然の中の小さな存在と感じ、かわしてきた。自然に寄りそい、生き物を敬愛し、物やエネルギーを大切にしてきた。我々祖先の素晴らしい生きる知の深さにそろそろ氣付きたい。

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シカの脅威と森の未来―シカ柵による植生保全の有効性と限界

2018-07-01 08:44:19 | 私の著書
『シカの脅威と森の未来―シカ柵による植生保全の有効性と限界』前迫ゆり・高槻成紀(編) 2015、文一出版

専門書です。充実した執筆陣による力作になりました。

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たくさんのふしぎ 食べられて生きる草の話

2018-07-01 08:39:23 | 私の著書

たくさんのふしぎ 食べられて生きる草の話』2015、福音館

「子供に動植物のすばらしさを伝えたい」という長年の思いの具体的な作品ができたと思っています。画家さんが実際に金華山まで行って取材をしてくれて感激しました。「子供だまし」という言葉は大嫌いです。子供のほうが透明な眼差しをもっているし、おもしろくなければ読んでくれないに違いない、子供だからこそ真剣に書かなければいけないと自分に言い聞かせながら書きました。

href="http://blog.goo.ne.jp/takahome12/e/2ace6b9e19907f13657c3d41d1e37182">感想
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となりの野生動物

2018-07-01 08:36:53 | 私の著書
となりの野生動物』2015、ベレ出版

この本では少し挑戦的なことをしました。野生動物の解説を書いてほしいという申し出があったのですが、ただそれだけでは物足りないと思ったので、動物に対して我々がどういうイメージをもっているか、それはどこから来るのか、それが実像を見る目を曇らせてはいないかということを書きました。そして最後で動物たちの言い分を語らせることにしました。

朝日新聞 2015年12月28日 夕刊


感想
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シカ問題を考える

2018-07-01 06:06:03 | 私の著書
シカ問題を考える』2015, ヤマケイ新書, 山と渓谷社


 最近、シカが増えており、野生動物管理あるいは自然の保全シーンでも重大な問題になっています。本書ではシカが増えると何が起きるのか、その何が問題なのか、そもそもシカはなぜ増えたのかといった問題を広い読者層に知ってもらうために書きました。そのために動物学的、植物学的、生態学的に重要な項目をできるだけ具体的に解説しました。シカの増加の背景には温暖化、森林伐採、オオカミの絶滅、ハンターの減少などさまざまな要因が考えられていますが、そのどれもシカの増加とはタイムラグがあり、うまく説明できません。こういう解析を通して、私は農山村の人口減少による土地管理など農業形態の変容がキーポイントになることに気づきました。そしてシカ問題の解決はこのことの解決なしにはありえないことを指摘しました。

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タヌキ学入門-かちかち山から3.11まで

2018-07-01 05:57:02 | 私の著書
タヌキ学入門-かちかち山から3.11まで』2016, 誠文堂新光社


 タヌキのポンタといえば愛らしいキャラクターですが、「かちかち山」に出てくるタヌキはおばあさんを騙した上に鍋にしておじいさんに食べさせるというひどいことをする動物と描かれています。この違いは何を意味しているのでしょうか。いずれにしてもタヌキはわれわれになじみの深い動物で、里山だけでなく大都会にでも生きています。私たちはタヌキの食性や種子散布について調べ、タヌキのおもしろさに気づきました。玉川上水という都市緑地での群落利用や東京近郊での交通事故の実態も調べましたし、東日本大震災で津波で全滅したはずの仙台の海岸に2年後にはもどってきたことの意味も考えました。こうした体験を通じて、タヌキと私たちがこれからどういう関係を築いていけばよいのかを考えてみました。この本を読むと分類学、形態学、生態学、動物と植物の関係、保全生態学などが学べるように工夫しました。

以下もくじです。
序章
1章 タヌキの基礎知識
2章 タヌキのイメージを考える
3章 タヌキの生態学
4章 東日本大震災とタヌキ
5章 タヌキと私たち
タヌキのQ & A

以下は本文の最後の部分です。

タヌキに関する情報をまとめてみて、タヌキという動物の存在は、我々日本人にとってなかなか大きいものだということことが改めて確認できた。同時にタヌキが時代、時代で違う動物になってきたこともわかった。もちろん動物学的な意味でのタヌキは不変であり、変わったのは我々のほうだ。憎き害獣とみた時代もあれば、人を化かすあやしい動物をみた時代もあり、平和な現代はかわいい動物とみるようになった。その意味で動物に抱くイメージそのものが、人間社会を投影しているといえる。
 タヌキの持ついくつかの性質があるから、現代の都市でも生息が可能になっている。トキやコウノトリの復活に一喜一憂し、ゴリラやホッキョクグマなどの絶滅を心配する私たちは、一方でタヌキを珍しくもないありふれた動物だとみなし、その将来のことを思うこともない。だが、私はそういう姿勢が、あれだけいたメダカを絶滅危惧種に追いやり、気づいたら雑木林がなくしてきたのだと思う。
 本書でながめてきたように、タヌキは実におもしろく、またすぐれた動物でもある。私は植物にしても動物にしても、貴重だから守るのではなく、ありふれたもの、身近なものの存在意義を考えて大切にするということのほうがよほど大切だと思う。それは災害があって初めて平凡な日常のありがたみがわかることと似ている。今ありふれていると思われているタヌキも決して安泰ということではない。その未来は我々がいかなる社会を作ろうとしているかにかかっている。私がこの本を書きながら到達した思いは、私たちはタヌキの生活を思いやる程度にはゆとりを持ちたいということであった。

感想

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けん 2018/08/22
個人的に狸ブームが来てるので、勉強のつもりで買った。うーん、読みやすかったけど、ちょっと物足りない感も。だって、「狸の神社なんて聞いたことない」とか「ぽんぽこは見てない」なんて言われたら、おいおいおいおい!と思うしかないじゃない?だったら、せめて著者の専門である生態学的な部分をもう少し充実させてほしかったかなあ。

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紺 2018/07/06
Q&Aページの「タヌキに出会ったらどうすればいいですか?」に対するキレ気味の回答がなんだか良かった。

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ラルル 2018/05/26
里の獣と書いて狸。まさにその通りに我が家ではお馴染みの野生動物です。本書での調査地が日の出町や玉川上水といったとても身近な所であった為、更に興味深く読めました。年間を通した狸のロードキル(自動車事故)の数に仰天しました。そうか羽村にはテンも居るのか〜。我が家にもいつか来るかな(´`)

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ちょろ 2018/05/25
たぬきの生態についての本かと思いきや、たぬきをとりまく環境(ゴミ埋め立て地や3.11についての話など)がメインの本。 専門家は専門書を読むだろうし、素人には面白みが弱いしでどの層を狙った本なのか不明。 何枚か載っているたぬきの写真はかわいい。

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うーちゃん 2018/03/17
多摩動物公園で1月半ば、タヌの講演会があった。その時の講師が、この本の筆者、高槻先生。面白かったので、より知識を深めたいと読んでみた。タヌキは都心でも津波被災地でも生き抜いていることが証拠に基づいて説明されている。その証拠というのが糞だ。糞を採取して水で洗い、内容物を分析していくという地道な研究の結果、実にいろんなモノを食べることが判明していく。好き嫌いなく食べることは、どこでも生きていける秘訣なんだなあと、改めてタヌキのしぶとさに感心した。なお、多摩動物公園には「たぬき山」がある。こちらも必見。

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dani 2018/02/20
タヌキの学名は「ニクテレウテス・プロキオノイデス」で「アライグマに似た夜にものを探す動物」という意味。漢字だと「狸」が示す通り里の獣で、今では東京都内にも生息している身近な野性動物。食肉目イヌ科タヌキ属。生態学から文化的なところまで、読みやすく面白い本でした。『タヌキに出会ったらどうすればいいですか?』というQに対するちょっとキレ気味なAとそれをなごませるかのような挿絵がツボ。

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ぜんまい 2018/02/15
思ったより浅め広めの薄口だった。キツネとタヌキの体系比較とかまじめに描かれたイラストがかわいくて笑える。アメリカで狼を導入するにあたってイメージ改善を行い、市民の賛意をえたくだり。イメージが現実の施策行動に影響するというのはつつけばもっと面白くなるネタだと思う。糞から種数えるの紙漉きみたいね? ため糞つぶして防波堤作るところとか、原種が根付いた工場跡地つぶして自然公園作る話に似てる。

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mitakau_r
メモ。◆「高速道路の野生動物の交通事故死亡ではタヌキが一番多く、40%にもなるという」◆「タヌキの事故死亡数は高速道路だけで年間1万頭になり、一般道を含めれば11万頭から34万頭にもなると推計されている(佐伯、2008)」◆「東京都町田市と隣接する神奈川県相模原市では毎年300頭もの動物が犠牲になり、そのうち47%がタヌキ、39%がハクビシン」
ナイス★1
コメント(0)
2018/02/03

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なし 2018/01/21
タヌキはイヌ科。イヌ科は走りやすいように四肢が長いものが多いが、タヌキは短足(ついでに小型)。その点はネコに近い。学名はニクテレウテス・プロキオノイデス。意味としては「アライグマに似た夜にものを探す動物」となる。タヌキの自然分布は東アジアだけであり、世界的にみれば珍しい動物。日本のタヌキは植物食中心であるが、状況によってなんでも食べる。環境への順応性も高い。その証拠に、毛皮目的でヨーロッパに移入されたタヌキは、日本のタヌキに比べると肉食性が強い。寿命は6~8年。飼育下では14年という記録も。

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myc0 2018/01/13
私はいつも、気になった本を大して見もせずに借りたり買ったりする。今回は、「戌年だから犬本を!」と思って借りたのに、家に帰って見たらタヌキ本でびっくり!タヌキというキャラクターイメージの変遷は、人間とタヌキの関係の変化に由来していると知り面白かった。野生キツネは東京23区にはもういないそうだが、タヌキは20区で今も確認されていている。「ケモノ偏に里」と書いて狸と読む様に、里=人のいる場所でこそタヌキは生きる。しかし車に轢かれて死ぬタヌキが年間1万匹以上もいるというのはなんだか遣る瀬無い気持ちになるなぁ。

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ユカ 2017/08/31
狸、ラブリー。会わないけどすぐそばにいるなんて。彼らの動物学と生態学がよくわかる本でした。そういえば昨夜、TVで猫のマダニ寄生例の増加・猫からヒトへのSFTS感染について、危惧を抱かせる報道がされていました。まるでマダニや野生動物が人間の暮らす地域に侵入してきたかのように語られていたけれど、もともとここにいたのはマダニや野生動物で、むしろ人間が侵入して追いやったのだと思う…。人間が快適な生活を望むのも、大きな視点で見れば自然の摂理ではあるけれど、私たちは過剰なところがあれば抑制できる能力ももっている。

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ユカ 09/01 14:04
はい~。マダニも野生動物も,悪者のように言われているけれど。私たちももう少し謙虚になってもよいと思うのです☆

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ヘビメタおやじ 2017/08/23
タヌキがまだまだ都市にいることに、なんだかホッとします。しかし、確かに野生動物であることは間違いないということも実感できました。筆者のいうように、この野生動物に対してどういう態度を取るかで、日本社会の進む道も決まってくる気がします。

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ぐだぐだ 2017/08/14
ニクテレウテス・プロキオノイデス…。タヌキなどと呼ばれていなかったらこの動物に対する、間抜け等のイメージはつかなかったんじゃない?個人的には名前がタヌキでよかったけれど。

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mick 2017/07/19
タヌキのイラストがなんともかわいい。子供の頃友人の家で飼われていたタヌキは臭いがきつかった覚えがある。今なら違う見方ができるのに。

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佐助(ふー) 2017/06/07
ネタバレタヌキ可愛いなぁ。うしろを振り返る姿なんて、ひーかわいいっ お父さんにタヌ吉と呼ばれるので、こうなったらタヌキの知識をひけらかそうという目論みで読み始めたが、タ‥タヌキなかなかイカすじゃないの! 四肢は短い。秋になるとよく太り、お腹が地面につきそうになるほど。‥なんて最初に説明されて苦笑 本物のタヌキはこうでなくっちゃ 愛らしくてね◎

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鯖 2017/06/02
日本ではありふれているけれど、世界的には珍獣とみなされるタヌキ。2014年にもいしかわ動物園にこびとカバが来るかわりに、交換に所望されたのはタヌキだった。東日本大震災によって住み処を追われ、二年後海岸添いに戻り、住み処をようやく作ったところで人々が作った防潮林によって、二度追われることになったエピソードには切なくなった。自然災害は宿命であり、自然に立ち向かうのではなく、自然を正しく知り、人の力には限界があることを認めた上で被害を最小限にすべきだと論じる筆者。私もそう思うけれど、線引きはやっぱり難しい。

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チヨコン 2017/04/05
生態学から見るタヌキだけでなく文化的な側面からもタヌキを読み解いてるのが面白い試みの本だなあと思った。タヌキとキツネ、どちらも同じイヌ科の動物なのに日本人の持つイメージは全然違う。タヌキを祀る神社は見当たらないがキツネは色んなところで祀られてる。東京都内にも生息し都市部でも生き抜くタヌキたち。どう共存し生きてくのかは私たちの未来にも大きく関わってく大切なことでもある。上手に生きてく方法が見つかればいいな。

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in medio tutissimus ibis. 2017/03/29
タヌキとムジナがごっちゃになっていた(る)という話があったけれども、そもそも「狸」という字は中国では「ヤマネコ」あるいは人里近くに生息する中型哺乳類一般を指す語なので、明確にタヌキが意識されたのがいつどこでなのかというのがまずありますね。翻訳って難しい。ただまあ、中国では化ける動物といえば古今通して圧倒的にキツネなそうで、伝奇小説の類への登場率もダントツ。次いで蛇とか猴とか鼠とか……タヌキは影が薄いみたいです。等ということを思い出しつつ調べつつ書いてたらタヌキの歌の元ネタの元ネタが讃美歌という衝撃の事実が

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八鬼 2017/01/04
以前、街中で狸学云々との会議開催の看板を見たことがあり、図書館で思わず手に取った。入門の名に恥じず親しみやすい昔話の解釈からQ&Aなどすんなり読める。狸のふんからの食生活の季節変化などは学問の本筋なのだろうが読み飛ばす。あー面白かった。

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タヌキチ 2016/12/05
狸のイメージはどこから来たのかを出発点に小学生でも楽しめる内容。狸の糞の調査について同じ所に糞をするので調査が容易であること。糞の組成から近隣の植生がわかること。種子散布の役割を担っているのでさらに大きな自然の循環を知る資料になるということから魅力的なテーマであることはわかった。狸は里山で暮らす生き物である。人間と共に暮らすことである程度の変化には適応出来る種なのだと思うが、それが姿を消したのならばそれはもう他の野生動物よりも自然環境にとっては深刻で手遅れだである指標になると感じた。

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綾 2016/11/25
図書館で目にして気になっていた『タヌキ学入門』。天皇陛下が皇居に生息するタヌキの食性について執筆された論文(共著)が、国立科学博物館研究報告に掲載されたとニュースで知り縁を感じた(どんな?)。昭和天皇の雑草への想いといい、相通じるものがある(おこがましい)。「タヌキは人がまったくいない自然ではなく、人が暮らす里山のような環境で、人といっしょに生き延びてきた野生動物」コンクリートで固めただけの都市に負けないでほしい。『平成狸合戦ぽんぽこ』が現実になる日も、いや、もうその日が来ているのかも。

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mouchan 2016/10/18
高速道路だけで年に1万頭(一般道路も含めると11~34万頭と推定)ものタヌキが交通事故死してるなんて・・

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Doughnut 2016/10/04
なぜたぬきは化かすのかァ~文章がたぬき化してゆくゥ~ポンポコポ~ン

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(・ω・) 2016/07/12
ネタバレタヌキだけでなく、野生生物との共存について考えさせられる本でした。3.11で津波の被害を受けた自然は、意外と早く立ち直りつつあった。けれども、復興工事でせっかく生えてきた植物や戻ってきたタヌキがいなくなってしまったそうです。物事は、いろいろな側面から正しく理解して、考えないとダメですね。

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迷亭 2016/06/05
「けものへん」に「里」と書いて「狸」ってくらい、タヌキは人里に近くないと生きられない野生動物。アライグマでもアナグマでもハクビシンでも無いから注意。野毛山動物園でみんな並んでるから見比べると吉。糞の山から生態を研究するのは、好きでも大変そう…

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小鳥遊小鳥 2016/05/26
まず、巻頭の写真が可愛いです。秋のタヌキってこんなに太るのね…… 著者は生態学の専門家ですがタヌキのイメージについての説明もわかりやすかったです。

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ムージョ 2016/04/19
タヌキの生物学的説明からイメージの変遷。そして今日の生息環境の問題と一通りが学べる本。タヌキに関するイメージが実物とはずいぶんかけ離れていることが興味深い。身近な動物でありながら実はそれほど人と接触してこなかったということか。信楽焼きのタヌキがわりと最近個人が作ったというのも驚き。タヌキが食べる果実がどれも美味しそうでちょっと食べてみたくなった。著者は交通事故に対策がなされていないというが、町田には20年以上前からタヌキ道が作られている。使用状況は不明だけど。事故調査の際その話は聞かなかったのかな。

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とりぞう 2016/04/13
「タヌキは同じイヌ科のキツネに比べると四肢が短く、太っている」なんていうあたりまえ(?)のことから、「アナグマはタヌキに似ているが、実はイタチ科」なんていうちょっと使ってみたくなるフレーズなど。「タヌキ学」があるのかどうか知らないけれど、タヌキのみならず動物好きには必ず得るものがある本。

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みそ 2016/03/31
可愛い挿絵に惹かれて手に取った。中盤以降は調査記録的な記述が多い気がした。今日のタヌキのイメージがどう作られていったかという推理は興味深かった。

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ソラ 2016/03/18
タヌキには、どこか惚けていて親しみがわくイメージがある。本作では、昔話でお馴染みのタヌキを、食性や生態を分かりやすく述べられており、筆者のタヌキ愛が伝わってくる。以外だったのは、環境への適応力で、大都会でも生息していける種としての強さに驚いた。人間が生活範囲を広げていくにつれ、動物たちの棲家はどんどん狭められていったが、上手く生き残る術を身に付けた、まさにタヌキ親父的な立ち回り方は自分が持つタヌキの印象とはかなり違っていた。環境破壊が進み、これ以上タヌキ達が住む場所を追われる世の中にはなって欲しくないなあ

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tall_hemlock 2016/03/16
シカが専門の方のタヌキの本で、生態学的なことだけでなく文化にも結構触れていて興味深い。東日本震災の後にタヌキが戻ってきた話も。  読み終わった翌日にロードキルされたタヌキ…通り過ぎざまにちらっとしか見てないからタヌキかハクビシンかわかんないけど、に遭遇してちょっと見につまされる思い。でも、「タヌキのための道を作った話は聞いたことがない」とあったけれど、「平成狸合戦ぽんぽこ」の頃にどっかでタヌキ道(車道の上だか下だかに設けたタヌキ横断用の通路)作ったという話はあった気がするなあ。

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ayukaeru 2016/03/16
タヌキ愛にあふれている! イラストが非常にかわいらしい。 タヌキ好きだ〜なんて健気なんだろう。 そんな思惑なんて意に介さず、タヌキたちは淡々と生きているのだ。

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木崎智行 2016/03/08
人間にどんなイメージを持たれるかは、その動物の生存に対して大きな影響を与えます。タヌキはどうでしょうか。ぽんぽこ腹鼓のポン太でしょうか。カチカチ山の残忍なタヌキでしょうか。人を化かすいたずらもの?やっかいなタヌキ親父?老練な古狸?タヌキ顔のおっとり優しいあの娘?たんたんタヌキのぶーらぶら?タヌキほど多彩なイメージを持たれている野生動物は他にいないかもしれません。なぜそんなにたくさんのイメージを持たれるようになったのか。日本人の暮らしの変遷や生態などから著者が考えます。他の野生動物が姿を消していく中、逞しく

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夜兎 2016/03/07
たぬきがマイブームなので読んでみた。付かず離れずの関係でたぬきと暮らしていきたい。毎日餌をもらいに訪ねてくるけど、決して触らせないし一定の距離を保ち、餌を貰ったら少し離れた場所で食べる、みたいな。自然との共生という意味でも、付かず離れずのたぬきを。

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野々ゴリラ 2016/02/26
 タヌキについての入門書であり、イラスト付きでわかりやすく説明されています。本書はタヌキの基礎データから始まり、世間でのイメージについて、自然環境との関係、人と社会との関わり、と続きます。 本書を読むと、タヌキは都会でも被災地でも生息できるたくましい生き物であることがわかります。しかし現代日本のように経済成長ばかりを優先し自然を破壊すれば、そのタヌキさえ生きていけなくなってしまうのではないかと、著者は最後に警告します。

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魚京童!2016/02/21
誠文堂新光社の栁千絵さんとは何度も議論し、ときに意見がぶつかることもあったが、よい本にしたいという思いは一致していた。

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魚京童!02/21 11:19
http://kuzirappa.blog.fc2.com/blog-entry-1820.html

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shiropiyo
タヌキに思い入れがあるので手に取ったのですが、非常に楽しく読ませて頂きました。本書の中で高槻先生のタヌキ愛(?)が想定外のユーモアを生み出しています。

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動物のくらし

2018-07-01 05:52:56 | 私の著書
「動物のくらし」玉川大学出版部, 2016.5.20
「玉川百科 こども博物誌」というシリーズの1冊で、その最初のものとして出版されました。旧友の浅野文彦さんのすばらしいイラストで、これまで日本のこの種の本ではないできばえになったと思います。小学校低学年向けということで本作りの面ではむずかしさもありましたが、内容は充実しており、大人が読んでも楽しめるものになりました。関心のある方はぜひ一度ご覧になってください。


出版案内

気に入ったページを少し紹介します。ここをクリック

執筆過程を紹介しました。習慣読書人2016.8/5

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都会の自然の話を聴く--玉川上水のタヌキと動植物のつながり

2018-07-01 05:49:15 | 私の著書
「都会の自然の話を聴く--玉川上水のタヌキと動植物のつながり」2017, 彩流社
退職後はじめたことのひとつが玉川上水の動植物の調査です。前々から興味があり、ときどき調べていたのですが、2016年から地域の知人といっしょに観察会や調査を始めました。ちょうどその頃に、彩流社の出口さんから話があり、観察会の記録などをもとにした本を作ることになりました。具体的な話題としてはタヌキをめぐる動植物の話がひとつ。タヌキの糞分析や種子散布、それに糞虫の調査の結果や、その過程でのできごとなどを紹介しました。玉川上水の群落の違いとその下生えの変化、変化にともなう訪花昆虫の調査なども紹介しました。その過程で認識を新たにしたのは、ふつうの生き物が一生懸命生きていることへの共感、それを知ることの感動ということです。国立公園の希少な動植物がすばらしいことに異論はありませんが、そうでない生き物すべてば魅力に溢れている、その気になれば、おもしろい話がいくらでも聞けるということです。
 いっしょに活動をしている武蔵美大の関野吉晴先生が過分な紹介文を書いてくださいました。彩流社のサイト



読売新聞の書評

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私の著書

2018-07-01 05:05:31 | 私の著書


『人間の偏見 動物の言い分』イースト・プレス、2018こちら

『都会の自然の話を聴--玉川上水のタヌキと動植物のつながり』 彩流社 、2017 こちら

『動物のくらし』玉川大学出版部, 2016 こちら

『タヌキ学入門-かちかち山から3.11まで』誠文堂新光社、2016 こちら

『シカ問題を考える』ヤマケイ新書, 山と渓谷社、2015 こちら

『となりの野生動物』ベレ出版, 2015 こちら

『たくさんのふしぎ 食べられて生きる草の話』福音館, 2015 こちら

『シカの脅威と森の未来―シカ柵による植生保全の有効性と限界』前迫ゆり・高槻成紀(編) 文一出版、2015 こちら

『唱歌「ふるさと」の生態学』2014、山と渓谷社 こちら

ホネホネ博物館(「このは」8号、骨特集)文一出版, 2014 こちら

「捕食者なき世界」ウィリアム・ソウルゼンバーグ著、野中香方子訳、高槻成紀解説 こちら

『動物を守りたい君へ』2013, 岩波ジュニア新書, 2013 こちら

『北に生きるシカたち』(復刻版)2013、丸善出版, 2013 こちら

『野生動物と共存できるか』2006、岩波ジュニア新書, 2016 こちら

これ以前は今後追加します。
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