治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「本を出してもえらくない」後日談

2009-12-10 07:16:05 | 日記
大地君→浅見

もうすぐ大地の本が出来ます。パパもママも誰にも言っていないです。先生たちしか
知りません。
自慢することではないからと云いました。パパとママにとっては特別な大地だけど、
他の人には違うそうです。
大地の本が必要な人が便利に読むことが大事だと云いました。
天国のグランパとグランマは頑張っている大地を見ていてくれているかな?

浅見→大地君

本が出るのは自慢することではないけれど、パパ、ママ、先生たちとは一緒に喜
んでいいのです。天国のおじいちゃまおばあちゃまも喜ぶでしょう。でも大地君
の本業は小学生だから、小学生を一生懸命やることが一番大事です。

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私が大地君の周囲の大人に感心したのは
「自分たちにとってはかわいい特別な子。でも社会は特別扱いするとは限らない」
「特性を理解してもらえるとありがたい。でもつねに理解してもらえるとは限らない」

という現実認識の正確さ・潔さです。

「知的障害がない以上、普通の社会で生きていく」

ことを前提に療育しています。

36兆しか税収がなく、53兆国債を発行する国。
その国で「知的障害のない発達障害者」が一生働かずに食べていける展望はあまりありません。

高福祉で知られるスウェーデンが、日本の二倍近い経済成長をしていること
個人に高い税金を課す一方で、法人税は日本と比べ物にならないほど安いこと
企業が社員の首切りを簡単にできる法制度が整っていて、企業の競争力・生産性が高いこと

こういう事実を私たちは知らなければいけません。
経済発展なくして福祉の充実はありません。
稼げる人に稼いでもらうことなくして、弱者に財源を回せることはないのです。

このような高福祉国家の情報はなぜか、福祉関係者からはあがってきません。
でも
特別な情報ではありません。日経新聞の一面に書いてあります。

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