治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

流れ その4

2017-02-16 10:31:44 | 日記



講演会が終わって、交流タイムになりました。実はここまで「できたら残ってください」と言われていて、帰ってもよかったのですがなんとなくいました。そして何人かの方とお話ししました。

印象に残ったのは企業内ジョブコーチの方です。「今日は衝撃でした」とおっしゃいました。

何しろ花風社ビギナーが多く、友だちは教室の備品から衝撃だったので何が衝撃だったかおききすると「治るんだと知った」ということでした。それと、黄色本の棒人間を見て「うちの職場を見たんですかと思うほどああいう姿勢の人ばかり」とおっしゃっていました。

「企業としては率直に言って治ってほしいでしょ?」と私がおききすると「もちろんです」と答えられました。それでも企業内ジョブコーチがいるほどの会社に障害者枠で勤められていること自体、おそらく手塩にかけてていねいに育てられた方たちのはずです。でもその人たちの心身が安定したら会社としても大助かりです。

「企業の方にお願いしたいですね。企業の本音として『治るものなら治ってほしい』と表明してください」とお願いしておきました。「本当ですね」とおっしゃっていました。福祉にも保護者にも当事者にも「治る」という言葉をなんとか避けようと汲々として「発達するけど治らない」とかもごもごいう人がたくさんいますからね。「治るの? それはいい!」と思った人は屈託なくそれを表明してください。それこそが「発達障害者が生きやすい社会」につながります。

ジョブコーチの方も作業所とかに呼ばれて、合理的配慮とわがままの違いとかを講演してくれとか頼まれるそうです。要するに作業所の支援員が利用者さんたちに現実を学んでもらいたいと企画されるのですね。そういう動きが広がるといいですね。

と思って帰ってきたらいいニュースが。
学校卒業後最初の就活で四十社落ち、最後に自治体のチャレンジ有期雇用に受かり、三年間職場で頑張っていた青年。満期になるので就活の時期になり、でもなかなか面接までもたどりつかず、四月はどんどん迫ってきて・・・という中で、ようやく面接してくれた企業から内定が出たそうです。知的障害の人を雇用するのも発達障害の人を雇用するのも初めての企業だそうです。きっと働き者の青年に巡り会えて、その企業が障害者雇用に抱く印象もよくなるでしょう。これこそが「啓発活動」でしょう。

こういうニュースを聞くと「よかった」と思うと同時に「知ってた」とも思います。
そう、稀勢の里が横綱になるのを「知ってた」ように。

だってもう検証されているじゃないですか。

修行は報われるんです。
どう見ても報われています。


海老踊り系のエビデンスは数値が上がったとかそういうことでしょう。
我々にとってのエビデンスは違います。
こういう数々のいいニュースです。


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2 コメント

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こんにちは (ファル子)
2017-02-19 16:31:34
こんにちは

携帯が水ポチャで使えないので
仕事のPCから失礼します。

先日、息子があらぬ盗撮の容疑をかけられ(携帯で時間を見ていただけ)
以前の息子ならパニックになっていたと思ますが
家族に連絡その他冷静に対処して、警察に駆け付けた時には無事に解決
あらぬ疑いをかけた女性のほうが厳重注意をうけていました。

自分で自分を守る力が出来てきて良かったと思う出来事でした。

花風社の書籍→鹿児島
息子がしっかりしたこと
感謝いたします。





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Re:こんにちは (浅見淳子)
2017-02-20 09:56:26
ファル子さん、ようこそ。
よかったですね。
息子さんには一度しかお会いしたことありませんが
そういうこと決してなさらない方だとわかります。
お知らせしてありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
携帯なおるといいですね。
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