治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

示談(辻井大先生との思い出)

2017-08-06 09:25:15 | 日記




秘密の恩人の出現により、いろいろ思い出していました。先日のんのさんがコメントの中で、このブログに巡り会ってまだ半年で、それから花風社本を読み始めた。その中には『自閉症者の犯罪を防ぐための提言』もある、と教えてくださったので、私はあの本を読み返してみました。そして「ああこれ書かなかったな」と思ったことがあったので書いておきます。リアルタイムではこのブログにも書いた気がしますが、とにかく読者が増えていますのでね知らない方も多いでしょうから。

まず、この裁判を起こすきっかけになったのは、アスペエルデの会の辻井大先生(中京大)からの呼びかけです。私に裁判を起こさないかと指示したのです。その理由は、私たちの被害をかわいそうに思ったからではなく、「このままだと自閉症の子に悪い影響を与える」。つまり、被害者である私たちの時間と金を使って私たちの被害を食い止めるためと言うより自閉っ子たちに模範を示すために裁判起こしてくれやというリクエストです。

ばからしい、と思いました。
でも脅迫状が来るに及び、迷惑電話が一日百回かかってくるに及び、起こさざるをえなくなりました。辻井大先生は自分とこも(アシスト的に?)民事提訴を起こすから、とおっしゃいました。


けれども私たちが民事提訴してもなかなかアクションを起こされませんでした。話ちがうじゃ~んと言いました。そうしたら重い腰を上げて起こされました。個人で起こされたようです。


さっさと提訴していた私たちはあっという間に勝訴しました。けれども被害は止まりませんでした。そうしたらまた辻井大先生はしれっと「民事ではわかりにくいので刑事でなんとか罰してもらえれば」とおっしゃいました。刑事事件に関する費用と手間を負担したのはもちろん我々夫婦です。

そしてここでも辻井大先生がかわいそうに思ったのは私たちではありませんでした。あくまで「自閉っ子たちに模範を示す」のが辻井大先生の目的でした。「ほら、悪いことするとおまわりさんにつかまるよ」と犬の曲芸の一助にしようと思ったのですね。他人の時間と金使って。

ともかく、刑事事件も長年かけて送検まで至りました。そうして検察とのやりとりが始まりました。そしてそのときに知りました。あれほど模範模範と言っていたのに辻井氏はあっさりと示談に応じ心にもない謝罪の言葉かなんかを本人から引き出して自分のところは決着ししかもそれをほおっかむりして私たちには告げていなかったことを。

示談になんかしちゃったら模範どころではないじゃないですか。しかも自閉の人から謝罪文って、その実効性の乏しさが一番わかっているのは専門性のあるワタシタチ(ドヤ顔)ではなかったのですかねえ。

ちょうど一年前くらいの私のFB書き込みが上がってきました。




思うにギョーカイ人って、家庭のしつけができていなかったり支離滅裂だったりしてたとえお勉強ができる人でも周囲にとってはわけわからない人物で疎んじられてきた歴史を持つんじゃないでしょうかね。だから彼らにとって「生きづらさ」はホンモノなのかもしれません。

普通に家庭教育を受けて、普通に物事の筋を通していたら、それなりに信用はされます。生きづらくないですよ。

いまだに私が「社会の理解ガー」の一員だと誤解しているギョーカイの人が近づいてくるのでプロフィールを書き換えました。
プロフィール写真も人間脳のままだったので根っこにしようかと思ったら栗本さんとの仲良し()写真があったのでしばらくこれでいきます。画伯の華燭の典で読者の方に撮っていただいたのです。

あ、でも「人間脳を育てる」は私にとってとても大事な本ですよ。
「発達障害者は発達する」理由が理論化されたし
なんでギョーカイ流療育がダメなのかも間接的にわかりますよね。

先日六刷りが上がってきました。

私は昔の私と違う、これからも意見が合わない人とは一緒にやる気ない、ということをはっきりさせておこうと思います。
この野口春哉語録、染みます。






最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ふうりん)
2017-08-07 18:58:47
辻井先生が、浅見さんに刑事訴訟も勧めたこと、自分も提訴するからと誘っておきながら言われるまで動かなかったことは知りませんでした。それで自分だけ和解してそのことを言われるのは都合が悪いから、花風社に関わっていそうな人たちをごそっとブロックですか。あきれます。

2006年ごろの私は、目立って活躍していた浅見さんはからまれて大変で、相手が特殊すぎて専門家は腰が引けたのかなぐらいの認識でしたけどちっとも特殊じゃなかった。
したり顔で指示し肝心な時に及び腰のくせに自分の頭の中の自閉っ子を救っているつもりの支援者は、足を引っぱることさえあるというのを示唆した事件だと思います。
結局浅見さんは信頼する家族に支えられ、自分の仕事をきっちりする刑事や弁護士の手を借りながら主体性を持って信念を貫きしめしをつけられたという事実から、何よりも主体性を持つこと、信頼する人間関係を結べるだけの力をつけること、社会の中で自分の仕事をする人になることが大事で、ギョーカイメジャーにはそれを育てる発想がないことを知りました。発達障害は治りませんと言い切るかどうかはわかりやすい目安です。