治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

坂の上の雲

2009-12-08 09:46:20 | 日記
NHK特別ドラマ「坂の上の雲」に夢中です。

どれくらい夢中かというと
日曜8時から9時半まで地上波の放送を見て
10時からBSで見直すくらい。

このドラマで通低音のように語られるのは、福澤先生の
「一身の独立なくして、一国の独立なし」という言葉です。

この言葉はもちろん前から知っていましたが
このドラマを見ると、改めて
明治期の祖先たちにとってどれほどこの言葉の意味が重かったかを知りました。

私たちにとって日本国の独立って、当たり前のもの。
でも列強の影に怯えていた明治のはじめはそうじゃなかった。
油断すればそのとたんに日本は植民地化されていてもおかしくなかったのです。
独立は文字通り、必死に勝ち取るものだったのですね。

明治初期の日本は、独立国家としての「クラッシュレッスン」をしなくてはならなかった。
それを自らに任じたのが高橋是清であり、秋山兄弟だったのですね。

特別支援教育を受けなかった今の成人の発達障害の人たちにもこれがいえるのではないでしょうか。
成人支援はなかなか進まない。
きっと何が成人支援なのか、まだよくわかっていないからだと思います。
就労支援なのか。SSTなのか。トラウマを取り除くことなのか。自己認知支援なのか。「世の中を知る」ことなのか。
はたまた健康管理なのか。
たぶんそのすべてを一挙にやること、すなわちクラッシュレッスンが必要なのではないでしょうか。
このすべては密接につながっています。たとえば、世の中を知れば解けていく恨みもある。健康管理をすれば心も落ち着いていく。
必要なら支援を民間委託してでも、大人のための特別支援教育をやり直す場をつくらなければいけないのではないでしょうか。
本来なら自立できる機能を持つ可能性の高い人たちが、独立を自分の手で勝ち取るに至るためには。
成人の特別支援を私たちはむしろ、明治期のエリート教育に学べるかもしれません。

ということを思いました。

だって自らクラッシュレッスンの場を設定して、効果を挙げている人たちもいるもんね。
私は何人か知っていますよ。
昨日もそういう方からメールをいただいて、感動していたところです。
この人たちが、ある日突然一挙に「わかる」瞬間って、成人支援している人なら目撃したことあるでしょう。
いろんな疑問のつじつまがあって、一挙に世の中に対する恨みを解いていく瞬間があります。
私は支援者じゃないけど、何回かあります。

私は藤家さんが岡山の講演で話してくれたあの言葉が印象的でした。
「身に降りかかってきたことは、たとえ自分のせいじゃなくても、自分で乗り越えなきゃいけない」
本当にそのとおりです。それが大人です。
藤家さんは今、坂の上の雲を目指して歩いている。だから元気なんでしょう。

今日のキティちゃんは秀吉公です。

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