治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

絶妙なマリアージュ

2017-05-26 09:17:54 | 日記




「発達障害、治るが勝ち!」には「絶妙なマリアージュ」という言葉が何回か出てきます。まず出てくるのは(いまのところ)特別支援教育の場面です。引用しておきます。没になるかもしれませんから今のうちに。

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 始まりたての特別支援教育では、人材を育てなければならなかった。そして勢い、その役目はギョーカイが担うことになる。そしてギョーカイの説く「頑張らせてはいけない」と現場の教師がしばしば持っていることなかれ主義の小役人的メンタリティはあまりにも相性が良すぎた。大義に目を向けず、自分の保身を優先させる小役人メンタリティ。小役人たちはギョーカイの説く「頑張らなくていいんだよ」を乾いたスポンジのように吸い込んで自分たちのことなかれ主義を是とした。こうしたギョーカイ×小役人の絶妙なマリアージュの結果、発達障害児の未来を消化試合とみなす風潮が出来上がったのである。

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このあと出てくるのは

ギョーカイ人の利権大事・教祖症候群×証明されてないものを選択するのが怖い立ちすくみ系当事者保護者

のマリアージュかな。
このマリアージュが海老踊りをする。そしてこんなことが起きる。また引用。今のうちに引用しとかないと没(以下同文

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 私自身はこれまで大病の経験がなく、服薬もほとんどしないので、急性症状には西洋医学の薬が即効性があり、漢方などはゆっくり効くという思い込みがあった。ところが発達障害に関しては、東洋的なアプローチに即効性があるのを目撃した。東洋医学に詳しい人によると、慢性症状にはむしろ東洋医学の方が効果が(あるときには)早く出るらしい。そしてもちろん、発達障害は慢性症状の最たるものである。
 ところが東洋的な手法、というだけでごちゃごちゃ言う支援者も保護者当事者も多いのである。東洋的な手法を使うくらいなら、治りたくないらしい。未知のものへの不安か、東洋人なのに東洋を蔑視しているのか、欧米コンプレックスか、自分たちが西洋から持ってくるライセンスビジネスが商売あがったりになるからか、理由は人による。支援者の中のオピニオンリーダーたるギョーカイ人たちは、何かの教祖になりたい。自分でメソッドを生み出すほどの創造性はないので、外国、とくに自閉症を先に発見した欧米からデジタルに切り取られたやり方を持ってきて日本での胴元になるのが教祖として君臨するには手っ取り早い。何しろ発達障害者の現状の生きづらさは「専門家がいないこと」という集団誤学習がいきわたっているので、講座を開けば高額でもどんどん客がやってくる。こうやってまたデジタルなやり方だけが行き渡り、役に立たない支援者が増える。
 一方で保護者・当事者の中にも、立ちすくんでしまっている人がいる。何かを選択して万が一「はずれ」だと怖い。だから実は利権と家元制度を保守するためにエビデンスのあるやり方といううたい文句を振り回しているギョーカイ人の腹の底に気づけない。一方で証明されていないやり方でも果敢に選び、中には効果があったと喜んでいる人がいる。そういうときに出るのは発達障害関係者の十八番、負け惜しみである。「あれはしょせん、東洋医学だから」「たんなる健康法」「本当は治っていない」東洋医学だと、治ってもいやなのだろうか? だいたちきみたち、健康にすらしてないじゃない、きみたちの支援下にある凸凹キッズを。
 利権のために治す方法を考えたくない支援者と、立ちすくんでしまい選択が怖い保護者当事者。この二つがまた絶妙なマリアージュを生み出し、臆病卑怯者路線を走っていく。その中で子どもが健やかに育つはずもない。
 私が神田橋医師の『発達障害は治りますか?』を出版する前から「神田橋処方」という漢方によるPTSDがすでに知られていたので、「漢方を出す医者だ」というだけで大バッシングが巻き起こったものである。バッシングって言ったって、その対象は神田橋医師ではない。私であり花風社である。弱者の味方であることを再三強調する発達障害関係者は、度胸がないからカリスマ医師である神田橋医師は叩けない。神田橋医師ではなく私を、匿名で脅してきた医師もいた。そしてその医師は今、某県の発達障害者支援センター長を務めているようだ。その程度の人間が、トップに座っているのがギョーカイの実情なのである。
 実に底の知れた「弱者の味方」である。そのころはさんざん、「もう花風社の本は読まない」と脅されたもんである。「わかった。絶対読むなよ。死ぬまで読むなよ」と言い返したもんである。「花風社はもうおしまいだ」と言われたもんである。でもまだ花風社は存在し「他に発達障害の人のことをこれほど考えてくれている出版社はない」と支持者を増やしている。なぜか? ギョーカイとそれに利用されている立ちすくみ系の当事者保護者がどういおうと、治りたい人はいるからである。

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さてこの文章のどれくらいが生き残るでしょうね。
書いたものはたぶん、相当削ると思います。

それよりもさあ


偶然だけどマッチするのよね、この二群は。
でも見てて「やだなあ」と思う人もいるはずなの。
その人たちのための選択肢を、花風社は用意しているのよ。

そして「社会の理解ガー」もマリアージュの結果広まったね。

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ギョーカイ側 治せないので先送り。治せないのでやることない。ので啓発を支援と言い張ることにする。

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当事者側 他人にわかってもらいたい(愛着形成のヌケ)。とにかく飢餓感があるだけで、本当にその先何が起きるかはあまり真剣に考えていない。

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この二つが絶妙なマリアージュを引き起こし「社会が理解すれば生きやすくなる」という誤学習が広がっていったのね。

そしてそこで

「そんなわけないだろ」って言ってるのが花風社クラスタです。

*こんな私の暴言講演を生でききたい方は6月18日目黒にGO! ポスター貼っておきます。