治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

自己肯定感があるからこそ

2017-05-02 11:10:07 | 日記
さて、いつも直販で買ってくださる方への荷物が「宛先不明」で返送されてきました。
講座などにもよくご出席くださる方で面識もあります。
見てみるとこれまでのご住所と微妙に違う。書き間違えか何かかと思ってメールでお問い合わせしました。

すると
違っていたのは住所ではなく姓の方だとわかりました。
ご結婚なさって転居。旧姓でお仕事を続けているので旧姓でも届くことが多いけれどもたまたま届かなかったのですね。
このメールを読み、ぱたぱたと新しいお名前で送り出し。そして後で「そうだお祝いのメールを送ろう」と思いつきました。

「ぱたぱたと送り出してお祝いを失念しておりました。ご結婚おめでとうございます。お幸せに」と。
するとお返事がきました。

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ありがとうございます。
浅見さんからのお言葉、とても嬉しいです。

最近まで私は「自分は幸せになってはいけない」という思い込みがあって、変にがんばっていたようです。
こういうふうに自分を振り返られるようになったのは、愛着障害が治ったからだと思っています。
そんな私の変化を気長に見守ってくれている夫に巡り会えて幸せですし、いつも気付きや成長への刺激をくださっている浅見さんと花風社の著者のみなさんに感謝してます。

これからも日々を大事に、幸せに過ごして行こうと思っています。

お言葉ありがとうございました!

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この方は当事者ではありません。支援者です。
そして同時にきょうだい児でもありました。
愛着障害があったとは知りませんでしたが、きょうだい児で支援の仕事を選んだのだからいろいろ複雑な思いを抱えていらっしゃったのかもしれないですね。

「自閉症者の犯罪を防ぐための提言」が出たときのことを思い出します。
深く共感してくださいました。なぜなら、自分も仕事の中で利用者からの加害行為に悩み、そして現場で「相手は障害者なのだから我慢せよ」と言われることに違和感を感じてきたからだそうです。

利用者は事業体にとってお客さんです。
そしてお客さんでさえ、パワハラはいけないことになっている昨今。でも障害福祉の世界では「健常者に人権なし」ですから、我慢するのが支援だと思っている現場のトップもいるのでしょうね。
でもね、支援者たちが当事者の中に育てたがってやまない自己肯定感。
まともな自己肯定感があるのなら、被害を受けて黙っているわけがないのです。

利用者から加害行為があってそれを黙っていない支援者は
自己肯定感がきちんとある支援者です。
自分を幸せにできない支援者が支援にあたってどうするのでしょう。
こういう視点が現場のトップにあればいいなと思います。