治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

つながりと広がり

2016-06-21 09:40:24 | 日記
さて、アマゾンで「人間脳を育てる」ご予約の方、発送が予定より一日以上遅れると思います。昨日取次さんからも電話をいただき、予約数がかなり多いとのこと。
直販の数も多いし、すでに「おかわり」が発生しています。「おかわり」とはどういうことかというと「読んだ。素晴らしい本だった。支援者に読ませたい。子どもが自分用にほしいと言っている。マーカーでぎっしりになってしまったのでもう一冊!」みたいな感じの追加のご注文です。

灰谷さんにも「ヒットしますね。これは。売れるのもうれしいですがスタンダードになってもらいたいです」とメールしました。灰谷さんは「スタンダードになると嬉しい。子どもたちへの恩返しになります」と返事をくれました。子どもたちに習ったことだから、子どもたちの未来に返したいというのが実践家としての素直な気持ちなのでしょう。

今回の本は「つながり」と「広がり」を大事に作りました。
「つながり」と言っても「地域とのつながり」とかいうどっかの事業所が謳いそうなつながりではありません。これまでみんながフシギに思っていた
・身体
・情緒
・学習
・言語
のつながりを明瞭にしたということです。

そして神田橋先生のアドバイス通り、

「原理はうんとカンタンで、そこからみんなが勝手に発想を広げていけるようなもの」に作りあげました。もりしーさんは「みんな考えなあかんやろな。考えたらええねん」って言っていましたけど本当にその通り。それがチットチャットのやっていることでしょ。スタッフはたくさんのお子さんを相手にするけどおうちではもっと少ない数でいいから考えればいいでしょ。そしてその先にしか一次障害を治すほどの発達はないでしょ。

早速それに気づいてくれた支援者の方の書評です。

「回数券を使い切る」っていうことをこれから意識して支援にあたっていこうということ。
ただ「回数券を使い切る」ということの大切さを訴えると、浅薄なレベルでは「ありのまま系」と混同する危険もある。それを防ぐために載せたのが「あとがきに代えて」です。

灰谷さんは今後も講座やセッションをていねいにやっていくと言っています。

そして私は読書会をやっていこうと思います。その手始めが7月29日。これは無料でやります。今後はわかりません。できれば、関東以外でもやりたいと思います。そうするとどうしてもある程度費用がかかるでしょう。なぜこの本の読書会をやりたいかというと、「発想の広がり」というものはどういうことか、わからない人がいたらもったいないからですよ。こんないい本ができたのに。

最近の「とと姉ちゃん」を見ていると、昔を思い出します。雑用のために入ってきた人がいきなり企画会議に出されて企画考えろと言われる。ああいう空気、すごくわかります。経験のない人にはない働き方だろうなと思います。
私はアシスタントエディターとしてこの世界に入りましたが、そこから一貫して(今に至るまで)いつも「実力以上の現場」にいきなり立たされそこで真っ向勝負してきたんです。

体力的にきついこともあったし、知力も振り絞ったし、何しろ出版と言うのは基本的に小さい企業の集まりなんで、研修らしい研修はありません。見よう見まねで失敗しそこから学びながらオリジナルな仕事をするしかサバイバル方法がないんです。くじけそうになるとき、もっと官僚的な仕事場で女子には決まり切った仕事しか与えられず愚痴っている多くの女性のことを思いました。

日本の学校教育を受けたあと、上から指示が降ってくる仕事について、そこからお母さんになったりすると、どうしても発想の広がりがなくても仕方ないかなあと思うようになりました。誰かの言うことをうのみにしていたら成果が出るような誤解をするんでしょ。でもそれはないから。そしてもったいないから。何がもったいないかって、お子さんの可能性です。

一応あの本を作った私は、あの本に載っていることを理解しているはずなんで

皆さんと一緒に「発想の広がり」を実践してみる機会を設けたいと思います。
7月29日午前、ラポールシアターです。
午後は有料イベント。栗本さんの運動会とちゅん平さんの講演会です。
今週末くらいにお知らせ流しますね。