治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

コンディショニング講座in九州のご報告

2014-11-10 09:31:18 | 日記
さて、先日行われた読者の方の自主企画
「コンディショニング講座in九州」のご報告をいただきました。
浅見判断で一部割愛していますが、皆様のご参考になればと思い、ここにシェアさせていただきます。

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コンディショニング講座in九州を受けて

今回九州でコンディショング講座を引き受けてくださった栗本さんをはじめ、参加してくださった皆さん、
そしてご自身のブログで紹介してくださった浅見さんに深く感謝しています。本当にありがとうございました。
本当は横浜のコンディショニング講座等に参加したいという思いの中、
体調が不安定な自分が、今多動でまっさかりな息子を連れて上京するのが難しいっていうこともあり、
金銭面のこともあり参加できずにいました。
そんな矢先、浅見さんがブログの中で、栗本さんをお呼びしてコンディショニング講座を開催ってこともできるかも?
みたいなことを書かれていたので、ダメ元で栗本さんに連絡した所、来てくださることがあっさり決まりました。
本当は私の知り合いの人たちだけに声をかけていましたが、
せっかく九州に行くなら…という浅見さんのアドバイスもあり、ブログでご紹介くださったことで
1週間もしないうちに参加者が決まりました。

11/5日当日、朝、栗本さんを駅までお迎えにいったのですが、画伯のイラストのお陰で栗本さんだとすぐわかりました(笑)
会場は24畳の畳の和室でした。はじめはカームダウンできる場所をつくるつもりでいたのですが、
最終的にカームの場所はつくらないことにしました。(最終的にはカームは必要ありませんでした。)
今回の講座は午前午後の個別指導に7名、グループ講座には24名の方が参加され、
私は一日、受付をする傍らその場を見学させていただきました。

和室の畳にバスタオルを折り曲げただけの枕と会場にあった座布団をおいただけの場づくりをされて
始めのお客様を迎えました。

1番目はうちの息子です。うちの息子は重度で、幼児期は全く動かない大人しい子だったのですが、
今は発達の段階なのか、多動化している状態です。
会場についた息子はニコニコ笑いながらふざけたように栗本さんにむかって、
畳の上をすべりこんでねそべったり、抱きついてみたりということを
何度か繰り返していました。
そんな状態の息子だったので、身体をさわらせてくれるのだろうかとハラハラしていたのですが、
栗本さんの施術中、案外じっとできて身体をさわらせていました。
息子の場合の多動の原因はおしっこが出きっていないということでした。
お腹も固いし、足首も固いし、足の指も固まってるし…。
身体の状態をみながら、金魚体操をしていただいたり、拇趾球、一休さんのアプローチをしてくださる中で
息子が咀嚼ができないことや、背骨が出ていることが気になることを相談しましたが、
それはどちらとも、腰が原因だということでした。
仰向けではわかりにくかったのですが、うつ伏せになった息子を眺めていたら、お尻がでていることが
はっきりわかりました。そのお尻が出尻になっている状態は自閉っ子や腰が悪かったり腰がうまく使えていない人などの
特徴なのだそうです。
息子の場合には、やりたがらない子なので、
息子がうけいれてくれることを少しずつやってみてといいということでした。

今回の収穫はなにをいっても金魚体操です。
金魚体操を受けたのですが、衝撃でした!
私が今までやってた金魚体操が間違っていたからです(苦笑)
それは、私だけではなく、参加者の方数名の方もいわれていたことだったので、
本を読むだけよりも、実技を受けることの大切さもしみじみわかりました。
なので、今回の講座を受けれたことは本当にありがたかったです。

個別指導をうけられた方のお子さんのうつ伏せの状態をみた時
障害の軽重関係なく、出尻だったのが今回の講座で印象に残っている一つです。
それと、私たち親は子どもの目に見えている状態の表面上しかみていないということも
今回の栗本さんの指導を受けていてかんじました。
例えば、うちの場合には、息子が咀嚼ができないっていうことを
顎の発達が悪いからとか、噛むことができないっていうことだけにとらわれてしまっていました。
でも、栗本さんからみれば、咀嚼できなくて当然な身体だといわれました。
やる気もそう。やる気のでない身体なんだから…と。
栗本さんの指導はその人の抱える問題の根っこを教えてくださるのだと感じました。
そういうのが一次障害に働きかけるってことなのかなとも思いました。

午後のグループ指導は午前の個別指導をうけられた方やそのご家族がほとんどだったので
黄色い本をベースに大きく分けて3つの事を基本に実技を交えながらお話していただきました。

①寝相を見なおそう!
②季節のコンディショニング(潤いのある体と寒さへ適応する体操)
③睡眠と排泄のこと

金魚体操、一休さん、指相撲、拇趾球へのアプローチ等、実技を交えて
盛りだくさんの内容をお話ししていただきました。


休憩中、うちの息子があまりにも騒ぐので、栗本さんにそういう時の対処の方法を教えていただきました。
そういうのも、ご家庭で0円でできるし、楽しんでやれることだなって思いました。

講座の最後にみんなで風船ワークをしました。
お子さんたちはただ寝っ転がるだけでしたが、
栗本さんの声を聴きながら自分の身体に意識を向けることが
なんともいえない心地よさでした。
私の隣にいらっしゃった方は途中寝落ちされたんだそうです。
本当にそれくらい気持ちがよかったです。

90分の講座でしたが、間に10分の休憩をいれてくださいました。
うちの多動息子はヒートアップしていて途中退室したり、最後までいることができませんでしたが
他の参加者のお子さんたちは、退室などもなく、ずっとお部屋で栗本さんのお話を聞いたり
一緒に実技をしたりできていました。
なかなか、初めての場所や人が苦手なお子さんもいらっしゃったし、幼児のお子さんもいらっしゃったのですが、
私が心配するほどのこともなく、グループ指導に参加できていたのでビックリしました。
案ずるより産むがやすしってこういうことなのだなーと思いました。

今回、私はこういった講座を企画し開くといったことをやったのは初めてでした。
なので、知人に聞きながら、自分ひとりでなんとかやったのですが、やれないことはないのだなと
とても良い経験をさせていただけたと思います。
来年もまた栗本さんが可能でしたら、一年に一回でもお呼びできたらいいなと思っています。


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「うちの地方にも来てもらいたい」と思った方
ぜひ検討してみてください。
眠れないお子さん、身体をうまく使えなくておぼつかない足取りで苦労しているお子さん、なぜか頑張る力が湧いてこないお子さんをなんとかしたいというお気持ちがあれば
栗本さんの知見に学んでみてください。まずは本で理論を知るのもいいでしょう。
身体からのアプローチには確実に
一次障害の治癒へと至る、芋づるの端っこがあります。