治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「普通枠」の相場が下がった時代

2014-10-09 09:03:58 | 日記
昨日は忙しい日でした。
なのに朝からラム肉を解凍してラムローストとラムシチューを作ってしまった。
料理しながらゲラ一本、原稿一本、そして書評用の読書をしていました。

先日ここにドラマの感想を書いた「下流の宴」。
書評を書く機会をいただき
急遽電子書籍を購入。読みました。ドラマはわりと原作に忠実だったような気がします。

林真理子さんの作品らしく、一級の風刺になっているんですけど
自分ちの階級にプライドを持ちながら息子が連れてきた相手をさげすむ専業主婦っていうのが、もうあるあるで、笑いました。すごくいっぱいいますこういう人。

そして美貌を武器に一つ上の階級に移る結婚をしようと必死な娘。
バブル時代にはありふれた光景でしたけど、今もリアルでよくあることなのかな。

主人公の専業主婦が、相手のおうちを下流とみなす要因が
「お母さんが沖縄の離島で飲み屋を経営しているような家」ということなのですが
この辺がもう、私には意味不明なところです。
小商人の端くれとして、やっていくことの難しさを知っているからかもしれないけど
変なプライドにしがみついている都会の主婦より沖縄の離島で飲み屋やっている人の方が私は共感しますね。

それでもこの小説を見て思い出した仕事関係のネタといえば
「なぜ変人枠のすすめを侮辱ととらえる人がいるのか」です。
そして思い出したのです。高度成長期とかバブル時代を。
そう、あのころは「普通枠」が報われた。
はみ出さないことが報われたんです。

ニキさんが10年前の時点でまだ「24時間働けますか?」(古っ)を真に受けていたことは元祖赤い本に出ていますが
時代は変わります。
そして認知の切り替えが困難な人はそれに気づかないかもね。

今は2014年です。
そしてね
「はみ出さないこと」が高度成長期ほど報われない時代になってきているんですよ。
相対的に「変人枠」の相場が上がってきているんです。
「変人枠」でもきちんと成し遂げれば報われる時代になってきているんです。

そのために必要なのは、比較的楽に使える身体と基礎体力です。

だからね

高度成長時代に報われた普通枠に入ることを目的としたSSTじゃなく
身体アプローチをおすすめしているんですよ。