忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

小学生になりたいな

2009-08-15 | 共に
 友人から校舎改修工事が終わったので見に来るようにと電話があった。工事中もその進行状況を、まるで自分が仕事をしているかのようによく聞いていた。彼自身が通い学び遊んで卒業した地元の小学校だ、その気持ちはよくわかる。
 最初地元では校舎3棟を壊して運動場を広げ、新校舎を建設する計画が急に出てきた。それに対し県内外の幅広い建築関係者や市民、もちろん地元民の中からも保存の声が高まってきた。
 貴重な木造近代建築の校舎として専門家等にはよく知られた建物だとわかる。築50年近いが当時市職員の斬新なアイデアの設計で、地元木材も使用し地元業者も工事に関わり、地元の大きな期待と協力があり完成した。
 古さを感じさせないデザインの校舎は児童を大切に見守り、共に遊んでくれる構造になっていた。その校舎でたくさんの児童が学び巣立った。でも地元民には有って当たり前で、田舎の特別な文化的存在を子供たちの宝とか市民の心の財産と感じることは少なかったのかもしれない。
 全解体から2棟保存工事、1棟は新築で外観は旧校舎と全く違うが内部に面影を加えている。どの校舎も渡り廊下で体育館まで行ける。耐震補強も目立たず、各教室のタイルを貼った手洗いや木製建具の傷もそのまま残るのも自慢の懐かしさだ。
 大勢の見学者が訪れ子供たちははしゃいでいる「こんな学校で勉強できするんだったら、また小学生になりたいなぁ」横でおじいさんが言う。 同感