みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

先延ばし

2016年08月18日 | 使徒の働き

使徒の働き 24章10−27節

 前日は朝の空でしたが、今回は夕空です。この文章を書いている間にも、天窓から見える空は刻一刻と姿を変えていきます。東の空には満月が…。

 パウロが総督ペリクスの前で弁明しています。パウロは自分がエルサレムに来て12日経ったと語っています。カイザリヤに来てから5日経ちましたので、あの激しい体験は、一週間の内に起こったことだったことがわかります。神殿で騒動が起き、人々の前で話して暴力に遭い、千人隊長によって保護され、議会に引き出され、千人隊長によって保護され、殺害の陰謀を知って、護送されてカイザリヤに来る…。その間主はパウロとともにあって、「ローマでもあかししなければならない」との命令とも約束ともいえることばをもって、励ましてくださいました。

 ペリクスが裁判を延期することによって、ユダヤ人の陰謀から身を守ることができたパウロですが、依然として自分ではどうすることもできない環境に置かれていました。しかもペリクスは下心をもってパウロを留め置いたままにしておいたのです。ペリクスにとっては、パウロから信仰についての話を聞いた時が、人生の大転換を図るチャンスでしたが、恐れゆえに逃しました。

 この箇所でのペリクスの行動を一言で表すなら、「先延ばし」ということになるでしょうか。パウロの裁判を先延ばした彼は、パウロからの話を恐れゆえに中断し、また呼び出そうと先延ばしにし、パウロについての判断も先延ばしにしました。そのような中でパウロは、まるでペリクスの手の中でもてあそばれているかのように見えます。けれども、そうではありません。彼はペリクスによってではなくて、「ローマでもあかししなければならない」と約束された主の御手の中にあるのです。勇気が出ます。


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