絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

公募展の比較

2012-02-05 | 絵画指導
私は、高校生に公募展の挑戦をさせました。

一番大きな目標を埼玉県展入選に置いていましたが、これは、高校生にとっては大変な目標であることを後で知りました。
自分では、高校時代に埼玉県展に二回続けて入選していたので、生徒にもそれを叶えてあげられたらという夢を持っていましたが、生徒が入選し始め、その後あたりまえのように入選している状況から、そんなにすごいことをしているとは、思わないでやっていました。

しかし、東京で行われるプロの展覧会と比べて埼玉県展は引けをとらないということを聞くようになり、埼玉県展はバカにならないレベルであることを知りました。

例えば、一水会、光風会、白日会などという日展にもたくさん入っている公募団体の会員でも県展に出したら、落とされたという話を耳にしました。極端な例では、日展に入選した人が、その次の県展では落ちたという話もあります。

もちろん、同じ絵ではありませんし、その一人の画家がいつも同じレベルの絵をかけるわけではないので、そういうこともあるかもしれません。しかし、そうであっても、それだけの絵を描ける人でも、落されるということを考えると、県展のレベルの高さがわかります。

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あるとき、水彩連盟に生徒を出品させてみました。
受付に持っていくと、係りの人が、「あれ??高校生が出品してきたよ、水彩連盟もなめられたものだな」と、おっしゃったそうです。しかし、その年、10人が出品して、全員入選を果たしました。
本庄第一高校の美術部のレベルを知っている水彩連盟の方が、「おたくは、埼玉県展に入選してるんでしょ?だったら、水彩連盟には入りますよ」とおっしゃっていました。
私は、東京の全国の公募展なので、県展よりはるかにレベルが高いのかと思っていましたが、そうではないんだなと初めて知りました。
その後、6年続けて、水彩連盟には出品させて、常に10人前後入選させました。

だから、埼玉県展は、全国の優れた公募展と比べても引けを取らない展覧会だということが言えると思います。


一応、そのようなことを踏まえて、判断すると、埼玉県展はそのくらいレベルが高いと考えています。

しかし、群馬県展は少しレベルが低いです。
なぜなら、埼玉県展に入選できなくても、群馬県展には入選するという生徒がたくさんいたことです。本庄第一高校は群馬県との県境にありますから、群馬から通ってくる生徒がいます。その子たちだけが出品できます。それで、該当する生徒は全員出品させましたが、ほとんどの生徒が入選しました。
本庄第一高校美術部のレベルなら、ほとんどの子が入選できるというレベルだと知りました。

ここでは、近年特選も取るようになり、数名の特選者を出しています。

私の判断では、この群馬県展の特選が埼玉県の県北展の特選より少し上かな?と思っています。


いろいろな生徒の展覧会結果を見ながら判断すると、レベル的には、次のようになるようです。

1、麓原展入選
2、県北展入選
3、群馬県展入選
4、全国の公募展入選(公募展によって差があるので、水彩連盟や一水会の経験から)
5、埼玉県展入選
6、麓原展特選
7、県北展特選
8、群馬県展特選
9、日展入選
10、埼玉県展特選
11、日展特選

昨年、一水会展に出品する人を指導して、二人とも入選しましたが、それ以前に落ちた絵と比較して、どのくらいなら入選するかがわかりました。そこでも、会の方が埼玉県展の方がレベルが高いとおっしゃっていたそうです。本当のところはわかりませんが、近いレベルではあるようです。

埼玉県展特選を日展入選より上にしたのは、日展に何度も入選している人でも、なかなか埼玉県展では特選が取れないということを頭に置いての判断です。

ただ、特選のことは、審査員によって左右されるので、レベルが高いのに、取れないという人がいますから、一概に言えませんが。おかしな派閥争いがあるようです。純粋に審査してほしいですね。

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以上は、私が生徒たちを公募展に出品させたことと、私自身が出品してみての考察です。
もちろん、例外はあります。
あの絵で、県展入選したの?という意外だった経験は、生徒の絵でもありますし、県展を見学しても感じます。逆に、あんなに良い絵だったのに落とされたという経験も何度もしています。

県北展の特選も、私なら賞に選ばないという絵が毎年あります。
私は、絵のレベルを重要視します。発想の面白さも大切ですが、まぐれ当たり的な絵ではなく、しっかりとした実力を感じるものに、投票します。基礎がしっかりしていて、しかも光るもの(魅力のある)があること。それを大事にします。













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