イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

仔ヒツジにさわれる!もちろん母ヒツジにもロバ、ヤギ、ブタ、なんでもさわり放題の観光農園(再び)

2024年05月13日 01時05分02秒 | 英国の動物

放牧された母子ヒツジたちの話題に続いて、今回は「観光農園」。ヒツジと、仔ヒツジに...さわれます!...さわりました!

 

ナショナル・トラスト National Trust が所有するチェシャーのナッツフォード Knutford 近郊の広大なパーク、タットン・パーク Tatton Park の中にあるファーム (農場 )The Farm に行きました。

以前にも記事にしています。息子がスペインに移住する前の2018年ですね。

広大な邸宅の敷地内、イギリス伝統の再現農場、動物なんでもおさわりし放題!

 

タットンパーク, イギリスの食生活に偉大な貢献をしてきた 今日はブタ!

 

タットン・パークの動物農場、最終回 (ニワトリの種類の多さにおどろく)

写真が充実した3本の記事です。あけて読んでみてください。

 

呼び物はやはり、英国の春から初夏にかけての季節の風物詩、ラミング lambing (ヒツジの出産期)です。上にリンクを貼った前回の訪問もほぼ同じ時期でした。(あ、言い忘れました。じつはこれ、ピーク・ディストリクト訪問の2週間前のはなしです。つまり、ここでおさわりし放題を体験したあとに、放牧されたおさわり不可能な母子ヒツジたちを見てきたというわけです)

以前は、ホーム・ファーム Home Farm と呼ばれていたこのファーム、現在はもらったチラシにもタットンパークのウェッブサイトにもザ・ファーム と記されています。

タットン・パーク全体が、貴族が住む邸宅、庭園、荘園として機能していた戦前(1930年代)の典型的なファームを再現した体験施設です。学芸員がいるということでしたので、博物館的な機能も持つ施設かもしれません。古い農具の展示やデモンストレーションもあります。

じっさいの動物農場としての機能も、まだじゅうぶん果たしています。

絶滅危惧種のウマ、ブタ、ニワトリなどの英国の伝統的な畜産動物の繁殖、飼育に力を入れています。

...今回、ウシは見ませんでした。

特にファームに常駐する名前のついたヒツジは、いないはずです。

今回、仔ヒツジにさわれるラミングの体験イベントのために広大なパーク各所の放牧地で放牧されていたヒツジたちの母子をかき集めてー時的に囲いの中に入って、訪問者に見てさわってもらう仕事をしてもらっているのだと思います。

母ヒツジの脂っぽくて、みっしりと弾力のあるフリースに指を入れて暖かい皮膚に触れてみました。もちろん仔ヒツジの柔らかくて細かい巻き毛の薄いフリースの中にも指を突っ込んでやさしくなでてみました。親ヒツジに比べてずっと皮膚が薄くなめらかで体温もいくぶん高めだったように思います。

ここでは仔ヒツジにさわっても母ヒツジは気にしないようです。「うちの子にかまわないでよ!」と手の届かない柵内の奥の方へ連れて行ってしまうこともありませんでした。さすが「観光(と言うか教育)施設の農園」に所属するヒツジ、仕事をわきまえているようです。

黒い頭、黒い脚にクリーム色のモコモコフリース(羊毛)の母ヒツジの子供たちはなぜだか全身真っ黒です。母ヒツジのモコモコをズルっと刈り取れば顔、首、脚をつなぐ胴体も真っ黒なのかもしれません。

 

前回はいなかった、じーっとしているロバが2頭いました。

同じ屋根の下の仔ヒツジ の囲い(上の写真とは別の群れ)に人気が集中、誰も気にするひとのいないロバの周りにはジミ~なオーラが漂っていました。(ロバは気を悪くしていなかったと思います)私たちはロバも大好きですから、じっくりとさわってきました。

ウマのつややかでスベスベした毛並みと違ってガサガサ、ゴリゴリした長めの体毛が心地いいのです。

 

鋤を引く農耕馬、荷車を引く荷馬車馬としてかつては英国中どこにでもいたという、シャイヤ・ホース shire horse の3頭です。

競走馬や乗馬用のウマと違いずんぐりむっくりしています。囲いに名前と誕生日が書かれた札がつけられていました。少なくとも2頭は6年前に来た時にもたしかにいたはずです。

ヤギも前回いましたが、メンバー(個体)が変わった可能性は大ありです。

この3頭はゴールデン・ガーンジィ Golden Geursey という英国固有の伝統種のヤギだそうです。

 

長いあごひげと、細かくカールしたフリース(毛皮)が特徴的なベティという名の、女王様のようにエラそうな態度のヤギはおやつの時間にもお気に入りの「山」の上から下りてきませんでした。

英国固有種ではなく、アンゴラ Angora goat です。

ヤギもロバも1頭ずつの仕切りや囲いと名札がなく、どれが誰だかはわかりませんでしたが、それぞれちゃんと名前があるようです。ベティはスタッフに名前を呼ばれていましたが無視を決め込んでいました。

 

ヤギのベティよりもずっと偉そうにしていたのは、雑多な種類のニワトリたち!

ファーム内を傍若無人に歩き回り他の動物のエサもかすめ取り放題。

 

 

土曜日だったので、子供を連れた家族連れでいっぱい!子連れじゃないのは私と夫の2人だけでした。

 

続きます(次回はブタ!)

 

ナショナル・トラストは自然の景観や歴史資産(庭園邸宅など)を保護管理する私営のボランティア団体です。

タットン・パークに関して、過去10年間に10回ぐらいは記事にしています。自宅からクルマで20分、天気が良くて暇なときにふと行きたくなる散策スポットです。

パークへの入園は、徒歩と自転車なら無料。クルマでの入園は1台につき9ポンドから。ファームや、庭園(なんだかおかしい日本庭園がみもの)邸宅見学にそれぞれ入場料をとられます。

8.1平方kmもの広大な敷地にかつての持ち主だった貴族の邸宅(2軒)、庭園、森林、2つの湖、広大な緑地と家畜の放牧地、狩猟用のシカの生息地、無数の池、それにどうでもいいショボい巨大迷路があります。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
犬と暮らす日々 (浅井洋)
2024-05-13 15:15:18
土地を 売らない と 言う事が
 ここまで 立派な 観光農場が出来るのかと

広島の 田舎で 「観光農園」も ありますが
 子供たちは せいぜい イチゴ狩り 程度
   の 農園ですね
浅井さんへ (江里)
2024-05-14 01:41:41
浅井さん、
戦前までは賃金が安かったし、職業の選択肢が極端に限られていたというので、貴族やお金持ちは邸宅や庭園、農地などが比較的カンタンに維持できたらしいのです(日本でも同様でしょう?)もういよいよ、無理っ!ナショナルトラストに下げ渡しってなる1960年頃まで、農場も邸宅も売らずにそのまま維持できたってところがすごいです。日本は戦後、農地のむりやり分譲とかありましたものね。こんな形の維持は無理だったのでしょう。
英国には、今でもホテル経営やイベント会場提供など邸宅や敷地を利用したビジネスで売らずに、自治体や保護基金に寄付したりせずに頑張っている貴族がけっこういますよ。今は、親代々の銀行や鉄道の株の配当とか農地の売り上げだけではやっていけないようです。
犬と暮らす日々 (浅井洋)
2024-05-15 21:40:54
英国は1次大戦も2次大戦も 勝って
 中東に イスラエルも 作って
  インドも 配下に置いて
 アメリカだって 頭を下げるくらい
  富の蓄積が 社会を変化させずに
    維持できて来たのでしょう
 英国の 田舎を バスで 回ったとき
 10年ほど前かな 帝京のラクビー部の 
  英国遠征 で 田舎に続く 緑の芝生をみて
   大英帝国は まだ 続いてると 思いました 

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