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令和1年-厚年法問1-C「退職時改定」

2020-06-12 05:00:01 | 過去問データベース
今回は、令和1年-厚年法問1-C「退職時改定」です。


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老齢厚生年金の額の計算において、受給権者がその権利を取得した月以後に
おける被保険者であった期間は、その計算の基礎としないこととされているが、
受給権取得後の受給権者の被保険者であった期間については、被保険者である
受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして
被保険者の資格を喪失した日から起算して1カ月を経過したときは、その被保
険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額
の計算の基礎とするものとする。


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「退職時改定」に関する問題です。

次の問題をみてください。


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【 H14-5-C 】

被保険者である受給権者が被保険者の資格を喪失し、そのまま3月を経過した
ときは、喪失した月までの全ての被保険者期間を年金額の計算の基礎として
計算し、3月を経過した日の属する月から年金額が改定される。


【 H16-4-A[改題]】

特別支給の老齢厚生年金の受給権者である被保険者が、被保険者の資格を
喪失したまま1月を経過したときは、喪失した日までのすべての被保険者
期間を年金額の計算の基礎として計算し、当該資格を喪失した日(資格喪失
事由のうち死亡したとき又は70歳に達したとき以外の事由のいずれかに
該当するに至った日にあっては、その日)から1月を経過した日の属する月
から年金額が改定される。


【 H20-10-D[改題]】

被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者と
なることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1月を経過した
ときは、その資格を喪失した日(資格喪失事由のうち死亡したとき又は70歳
に達したとき以外の事由のいずれかに該当するに至った日にあっては、その日)
から起算して1月を経過した日の属する月から、年金額が改定される。


【 H23-9-B 】

60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金を受給している被保険者が、その
被保険者の資格を喪失し、かつ被保険者となることなくして被保険者の
資格を喪失した日から起算して1カ月を経過したときは、その被保険者
の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の
額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日の属する月から年金
の額を改定する。


【 H26-6-A 】

63歳の在職老齢年金を受給している者が適用事業所を退職し、9月1日に
被保険者資格を喪失した場合、同年9月15日に再び別の適用事業所に採用
されて被保険者となったときは、資格を喪失した月前における被保険者で
あった期間に基づく老齢厚生年金の年金額の改定が、同年10月分から行わ
れる。


【 H28-8-A 】

在職老齢年金の受給者が平成28年1月31日付けで退職し同年2月1日に
被保険者資格を喪失し、かつ被保険者となることなくして被保険者の資格
を喪失した日から起算して1カ月を経過した場合、当該被保険者資格を
喪失した月前における被保険者であった期間も老齢厚生年金の額の計算
の基礎とするものとし、平成28年3月から年金額が改定される。


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「退職時改定」に関する問題です。

年金額の改定のタイミング、いろいろな規定から出題されますが、これらは、
退職時改定に関するものです。

老齢厚生年金の額については、まず、
「受給権者がその権利を取得した月以後における被保険者であった期間は、
その計算の基礎としない」
としています。
ただ、その後、被保険者期間を有することがあるので、その期間をいつ年金額
に反映させるのかといえば、退職時改定によることになります。

その退職時改定、たとえば、被保険者資格を喪失し、喪失した月に再取得という
ことですと、被保険者期間としては1月の間もなく継続してしまい、切れ目がない
ので、行われません。
被保険者期間が途切れたということが明らかになるタイミングで行います。
ですので、資格を喪失して1カ月以上被保険者となることがなければ、被保険者
期間とならない月が少なくとも1月は発生します。このタイミングで改定が行わ
れます。
つまり、「被保険者の資格を喪失し、かつ被保険者となることなくして被保険者
の資格を喪失した日から起算して1カ月を経過したとき」に行われます。

【 R1-1-C 】は、この退職時改定の要件を論点にしていて、正しいです。

その他の問題は、退職時改定の要件のほか、その時期も論点にしています。
年金額の改定は、
70歳に達したことによる資格喪失であれば、資格喪失日
退職等による資格喪失であれば、退職等の日
から起算して「1カ月を経過した日の属する月」から行われます。
ということで、「3月を経過した日の属する月から」としている【 H14-5-C 】
は、明らかに誤りです。
【 H16-4-A[改題]】と【 H20-10-D[改題]】は、正しいです。

【 H23-9-B 】では、「資格を喪失した日の属する月から」としています。
そうではありません。「資格を喪失した日(「死亡」又は「70歳到達」以外の
資格喪失事由のいずれかに該当するに至った日にあっては、その日)から起算
して1カ月を経過した日の属する月から」なので、誤りです。

【 H26-6-A 】は、事例として出題したものですが、被保険者資格の喪失が
9月1日、別の適用事業所での被保険者資格の取得が同年9月15日と、同月に
喪失と取得が起きています。
このようなときは、その月は、被保険者期間として算入されるため、退職時改定
は行われないので、誤りです。

【 H28-8-A 】も、事例として出題したもので、1月31日に退職であれば、
退職日から起算して1カ月を経過した日の属する月から、年金額の改定が行わ
れるので、「3月」ではなく、「2月」から改定が行われます。「資格喪失日から
1カ月が経過した日の属する月から」と思わせようとしたのでしょうが、退職
の場合は、そうではありませんので。

年金額の改定については、
「その月から」というものと、「その翌月から」というものがあります。
ここは、論点にされやすいので、しっかりと確認をしておきましょう。

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国年法H22-8-C

2020-06-12 05:00:00 | 今日の過去問
今日の過去問は「国年法H22-8-C」です。


【 問 題 】

年金給付の支払い時に端数が生じたときは、50銭未満の端数が生じた
ときは、50銭未満の端数は切捨て、また、50銭以上1円未満の端数は
1円に切り上げられる。


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【 解 説 】

毎支払期月に支払う年金額に1円未満の端数があるときは、「1円未満
の端数は切り捨てる」ものとされています。1円単位に四捨五入する
のではありません。


 誤り。 

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